新谷尚紀のレビュー一覧

  • すぐ忘れる日本人の精神構造史

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    民俗学の視点で、弥生時代くらいから今に至るまでの日本の歴史から現代日本人の考え方をやや批判的に分析している、結構左寄りの本。

    それぞれの時代の環境で人々の倫理観や死生観も変わってくるものだが、政治体制的には「天皇を頂いた下で」が継続されている。しかし政治体制的にはともかく、大半の国民が貧しかった頃は「他人や他国から奪う」のが当たり前だったことは強調されている。現代日本人の精神構造は主に明治~戦後の中で作られてきているようだが、長い目で見れば島国であることと気候(これは他国でも同様)が大きく作用していると思われる。

    啓蒙書、というほどではないが問題提起はあとがきでかなりされている。やや極論に

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    2024年09月01日
  • すぐ忘れる日本人の精神構造史

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    「すぐ忘れる日本人の精神構造」を民俗学の視点から時代に沿って解説していくのか。民俗学者が書いてるのだから、面白そうではないか、ということで手に取る。

    すぐ忘れる日本人、と聞いて思い浮かべたのは、イザベラ・バードだったかエドワード・モースだったか幕末から維新にかけて来日した外国人が、日本の家は紙と木で作った簡素なものだが、地震、火山噴火、洪水、大火事などの災害も多く、住人は家屋がぺしゃんこになっても嘆き騒がず、翌日には家を建て直して何もなかったかのように笑いながら日常に戻っている。そのたくましさが凄いという文章を書いていた。パール・バックが日本を舞台に書いた「大津波」もそうだ。津波で家族を亡く

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    2024年08月27日
  • 神社とは何か

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    民俗学の研究者である著者が、これまでの神社にかんする研究の成果をまとめつつ、「神社とは何か」という問題について考察を展開している本です。

    著者は、歴史学や考古学にくわえて、民俗学(民族伝承学)の方法を駆使して、文献史料や遺物史料にものこされていない、もっとも古い神社のありかたについて検討し、さらに現代にいたるまで神社の歴史が多様な変遷の過程について説明しています。

    民俗学を主要なフィールドとする著者は、「神社とは何か」という問いに対して、「自然界の生命力を神として信仰し迎え祀る場」という、やや本質主義的な回答を示しています。こうした考えは、前著『神道入門』(2018年、ちくま新書)でも語ら

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    2022年03月17日
  • 京都異界に秘められた古社寺の謎―歴史を動かした京千二百年の舞台裏

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    歴史の中に根付いている京都の怨霊、魑魅魍魎の話。
    菅原道真のことが結構書かれるかな?と思いきや、結構詳細に書かれていたのは崇徳上皇。
    かなり長い間、恐れられていたんだなーと。

    崇徳院にしろ、安倍晴明にしろ、菅原道真にしろ、鵺にしろ、伝承された話と実態は違うのに、京都には伝承にそった遺構が数々残っている。
    それが不思議なんだよなーと、読みながら改めて思った。

    この中で、私が行ってみたいが、足が絶対向かない場所が出ていた。
    豊国廟。
    なぜか、あそこは怖くて行かれないんだよな。。。

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    2021年04月01日
  • 京都異界に秘められた古社寺の謎―歴史を動かした京千二百年の舞台裏

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    異界の話というよりも、社寺にまつわる怨霊について簡単に説明した本。全体的にさらっと説明されているので読みやすい。
    ガイドブックよりも詳しく説明があくものの、詳細が知りたい場合は別の本に当たった方が良い。旅行に行く前にガイドブックを見たうえで、行きたい社寺について時代背景などをさらに調べるのにはちょうど良いかも。
    それらの背景に何があったのか?その結果としてどうなったのかを知りたい場合は、別に小説を読むとか、その人・場所・寺社の解説本で調べないと分からない。
    ガイドブックからの橋渡し役としては適切。

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    2021年01月17日
  • 神道入門 ──民俗伝承学から日本文化を読む

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    入門というのならルビくらいほしい。
    読みづらくて・・・・。
    網羅的なのはいいけど、結局、何が言いたいのかわからない。
    まるで索引を読むよう。

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    2018年09月11日
  • 氏神さまと鎮守さま 神社の民俗史

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    想像してたのと違って、ゴリゴリの歴史学の本だった。氏神とか鎮守というものが、中世・近世の人々にとってどんなものでどんな信仰を集めていたか、ライトに説明してるのかと思ってたのだが、初っ端から文献・古文書の奔流でなかなかに歯ごたえのある内容。
    も少し硬派なタイトルつけてくれれば、、、と思いつつ、読んだら読んだで面白い。

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    2018年07月18日
  • 神道入門 ──民俗伝承学から日本文化を読む

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    民俗学の視点から、神道の歴史を通覧するとともに、それをつらぬいているものについて論じている本です。

    本書のなかで著者は、「すべての事実、事象、言語、いずれもその発生から伝承へという運動の中で、浮動と漂流を重ねていく、だからその動態研究には比較研究が有効なのだ」と述べて、折口信夫の思想のなかに見いだされる「伝承分析論」の立場から、神道の変遷をたどっています。

    こうした民俗学の立場から見たとき、神道は一つの伝統文化ないし伝承文化としてとらえられることになります。本書はそうした伝統の変遷をたどることで神道の具体的な内容をわかりやすく説明しています。そのさい、変遷の過程は「古代以来、稲作の王として

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    2022年03月01日