青井秋のレビュー一覧

  • 百草の裏庭【単行本版】

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    ▼あらすじ
    子供の頃、薬草摘みの最中に倒れた妹を助けてくれたのは、異形の男だった。
    十年後、マルセルは嫁ぐ妹を見送ると「一緒に来い」と言われた約束を果たすため、彼のもとへ向かう。
    死の覚悟をしていたが──
    「友になって欲しかったのだ」
    存外に優しい目をしている彼、ギーゼルベルトの孤独を知り……。

    ***

    ストーリーの完全度:普通
    トーン:せつない・ほのぼの
    エロ度:無し
    萌え度:普通
    総合評価:★4.0

    初読みの作家さん。表題作を含めて全部で5つの物語が収録されています。
    雰囲気はとても良かったです。あと、何よりも素晴らしかったのが植物や背景の描き込み。“自然”を描くのが得意な作家さんな

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    2022年06月08日
  • あやかし姫の良縁

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    実在した陰陽師の家系、幸徳井家の物語です。今回は江戸時代が始まる直前の時期の話です。若い陰陽師の夫婦が京都に起きる異変の謎を解いていきます。

    表紙にも描かれているトンデモ姫と呼ばれる主人公の桜子や、その婿の友景のブッ飛んだ能力設定が印象的です。桜子はなぜそうなのかちゃんと説明がありますが、友景は今回は謎のままです。

    最後が読み切り作品のような終わり方をしているのが気になりますね。内容を見る限りシリーズ化を見据えて執筆されたように思えるのですが。
    単発作品にするにはちょっと勿体ない物語ですので、ぜひとも続編を出してほしいなあ。

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    2022年06月05日
  • 百年結晶目録

    ネタバレ 購入済み

    百年結晶目録

    とてもキレイな絵を見ている様な お話でした。 ふたりの心が通いあって ずっと一緒に旅を続けられると良いな。 

    #癒やされる #胸キュン

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    2021年05月29日
  • 百草の裏庭【単行本版】

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    表題作は、黒い森に住む異形の男と薬草売りの兄(と妹)。
    同時収録は、『stalks』植物の世話役と温室の少年、『passage』仕事に疲れた男とピアノ弾きの青年、『侵食』菌糸に侵された恋人、『旅の途中』友人に連れ出されて……計5作品の短編集。

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    2021年03月11日
  • ゆうづつは藍にとける 【電子限定カラー】

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    恩師のいる下宿先で出会った、植物に詳しい書生×駆け出し作家のOB。

    緻密で一コマ一コマが綺麗。いつ見ても丁寧なタッチなので、2013年の作とのことですが、私はあまり年月は感じなかったです。
    本編→あとがきを読み、改めて表紙を眺めるとまた更に楽しい。
    ★3.7

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    2021年02月12日
  • ゆうづつは藍にとける 【電子限定カラー】

    r35

    購入済み

    美しい世界

    大正時代が舞台なのでしょうか??
    澄んだ空気のような作品で、すべてがとても美しく、魅力的な1冊だと思いました。

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    2020年11月26日
  • 凍る空、砂鉱の国 3

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    ネタバレ

     人も土地も結晶化してしまう銀砂嵐が人為的なものだっとと知り、ティトと共にその原因となる旧大陸へと向かったセッカ、と物語が急速にクローズへと向かう3巻である。
     綺麗に序破急の形式で3巻完結となった形だが、おそらく語るべきはすべて語られているのではないかと思われる。二人の物語は丁寧に描き終えられている。

     丁寧な世界観構築やその美しさなど魅力は色々あった一方、ドラマとしてはやや淡々と描かれ過ぎていた印象は残っている。
     前巻の感想でも触れているが、やはり全般に棒立ちでの会話が主体になっていて、動きが少ないのだ。
     その意味で言えば、この作品は多分に舞台劇の要素を含んでいて、あるワンシーンの中

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    2019年11月15日
  • 織ノ王国物語 ~七番目の王子と忠誠の剣士~

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    ネタバレ

    ラノベというよりは、青少年向けファンタジー。

    初め、表紙イラストの可憐な王女と黒髪の凛々しい騎士を見て、TLの恋愛小説かと勘違いし、帯の「女装の王子は宿命に挑む」というアオリから今度はBLかと勘違いした私は、とても愚かです。

    設定も登場人物の王女(実は王子)ララを初めとした黒髪の騎士ユージーンや乳兄弟のネムルなど、細部まで丁寧で、しかも好感の持てるキャラです。

    ただ、私が普段から読んでいる小説群に比べると、やはり全体的に「あっさりとして」います。
    あっさりしているというのは何もハードな描写があるかどうかというだけではありません。上手く言い表せないのがもどかしいけど、大人向けにアレンジする

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    2019年09月20日
  • 凍る空、砂鉱の国 2

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     触れたものを「フラグメント」という結晶に閉じ込めてしまう銀砂嵐が猛威を振るう世界での物語の二巻である。
     作品の核心に少しずつ迫るような、謎の少年・ティトとセッカの旅は少しずつ進んでいる。
     銀砂嵐の正体に少しだけ触れ、それが人工的なものであるならば止めることもできる、その決心を固めた二巻となっている。

     本格ファンタジーのニュアンスの濃い作品で、その点でやや説明が多めになっているのはいいとしても、やはり気になるのは絵の強さである。
     おそらくは雑誌連載を基準にした絵の組み立てなのだと思うが、単行本で読んでいる限り、どうしても登場人物が遠すぎる。コマの扱いが弱い印象を受けてしまう。
     物語

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    2019年02月08日
  • 凍る空、砂鉱の国 1

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     風景を閉じ込めてしまう結晶「フラグメント」の存在が特徴的なファンタジー物語の第一巻である。
     ここでの物語は、フラグメントを細工している細工職に見習の少女・セッカと、そんな彼女を危機から救ったティトの出会いの物語である。
     フラグメントとなってしまった故郷の村を追い求め、違法なフラグメントを取り扱う商人たちを捜索する物語であるが、ここで少し気になるのは描写の淡泊さだ。
     淡泊というと正確ではないかもしれないが、物語が重要性の軽重やシーンの速度感に関わらず、一定のペースで展開している。
     端的に言えば、バトルシーンと日常風景の物語方が同様なのだ。複雑な世界設定と合わせて、一読では読み込み切れな

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    2018年03月17日
  • 百年結晶目録

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    鉱石を食べる種族と学者のファンタジー。BL要素はうっすら。無いに等しい。静かで美しい絵と世界観に引き込まれます

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    2016年05月17日
  • 百年結晶目録

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    まるでおとぎ話のよう。作品の中に漂う静かな空気が肌で感じられます。

    装丁も美しいので、紙の本を購入しました。
    石を口に入れるのって、鉱物が好きな人は一度は想像したことあるんじゃないでしょうか。

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    2015年10月01日
  • 爪先に光路図

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    菌類を研究している室田の所に助手のバイトに入った岩井。一見気難しそうに見える室田は研究バカで今まで長く続いた助手はいない。

    「思いのほか深くまで潜っていた感情の根は 別な生き物のように自分の手を離れ」
    菌類が根をはりにかかっている。
    「名前を与えると人はそれを意識するようになる」
    自分の感情に「恋」と名前を与えてしまった時から人は自覚をしてしまうにリンクしている。

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    2015年03月16日
  • 君によせるブルー

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    表題作『君によせるブルー』。東京から転校してきた航平、地元の人見知りしない悠太、二人は距離を縮め、悠太は自分が一番お気に入りの浜辺で航平と遊ぶ。小さなクラゲを閉じ込めた瓶越しに悠太を見る航平の視線の描写が素晴らしい。
    航平に告白されて戸惑ってしまった悠太に「…いきなりあんな事して 怖かったろ」と言う言葉が言える航平。
    この作者さんは登場人物に喋らせる言葉の選び方が大げさでなく自己満足に浸るでもなく、物凄く的確で優し気だ。一方が見ている相手が存在する空間の間、二人がいて同じ事考えてるのに一人一人温度差が違う感じが出てる二人がいる間、この辺りの余白にお喋り過ぎず雄弁。
    巻末収録『雨のゆめふる』は、

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    2015年03月16日
  • ステラリウム

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    初読み。とても丁寧な絵を描かれる人だ。星の種を作る研究所で働くカナタ、アル、キケ、レオシュの物語。「…ゆっくり低温で燃える やさしい光だ」と言う台詞がとてもいい。
    『真空庭園』透の体から生える葉っぱをはるかが摂取し、はるかから吐き出される呼気で生きる透。循環する二人。こんな設定は正にファンタジーでしかないのだが、作者の絵の持つ静謐さがファンタジーを補うに余りある作品世界構築に絶妙にリンクしている。共依存関係に甘えず、はるかの為を思う透。とても短い物語なのに胸が詰まる。伊東七つ生さんの『ロマンスの箱庭』クラス。ファンタジーって、言ってしまえば所詮作り物でしかないわけだが、そこに情動を揺さぶられる

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    2015年03月16日
  • 百年結晶目録

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    青井さんの作品はどれも図鑑のような美しさがあります。今回は王道ファンタジーで鉱物モチーフでした。BL要素は期待しない方がいいほど希薄ですが、それよりも一冊の本として綺麗な仕上がりになっていると思います。

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    2015年01月16日
  • 百年結晶目録

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    BLというよりはファンタジー。すごく綺麗で切ないお話だなぁと。
    この作者さんのお話は全体的に好きだ。はずれがない。

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    2014年12月31日
  • 百年結晶目録

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    ネタバレ

    一人で各地を旅している学者のベント×鉱石を食べる種族のイーリス

    表紙の綺麗な絵に惹かれました。
    花や鉱石の描き込みが細かい。
    そして本編も期待を裏切らない綺麗な絵!
    青井先生の王道ファンタジーを詰め込んだ作品だそうです。

    鉱石を食べる、砂漠の金剛石と呼ばれた種族の生き残りであるイーリスは一人で生きてきた。
    ベントとともに旅をする中で、イーリスは成長しベントや旅先の人とも心を通わせていく。

    鉱石を食べ物にするという設定が斬新。
    絵が綺麗なので読みやすいし、ファンタジーな世界観とも合っていると思います。

    エロ要素はないです。
    ベントとイーリスの関係はどちらかというと家族愛に近い気がしました

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    2014年12月17日
  • 君によせるブルー

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    切ないけどちょっと甘い

    青井さんの作品てこう何かノスタルジックなセピア色っぽい切なさがあるんだけどキュキュンと甘さもあって深いな〜って思います。本作も所謂「好きだ〜!俺もー!」と華々しいが即物的な展開のモノとは対局のもっと精神世界みたいな心に沁み入るよーな温かさにホッコリです。エロなしでこーも満足出来る作品を作れて現実的なお話でもファンタジックな世界観を醸し出す、作風が無二なかなり特殊な作家さんですよね。なのに!星一つ欠けてるのは、最後のお話どっかで読んじゃってた〜、とゆー全くもって自分本位な理由からです(笑)

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    2014年04月13日
  • 君によせるブルー

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    ネタバレ

    離島に越してきた転校生。寡黙で照れ屋な草食系のこの彼が、純度100%な島っ子に惹かれつつあるのが、初初しくて可愛かった。頬染めたりね…。
    でもこの草食系、突然キスしたりとか意外とムッツリであった。
    同時収録は、ノンケに片想いのゲイに、お仲間同士仲良くやろうよ的な先輩のゲイの話が良かった。エロは朝チュン程度が1本?あった。
    風景はいつものように芸術的でしたが、デッサンが気になる箇所もあり、初期作品だったのかな?

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    2014年03月28日