青井秋のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
派手さは無いけれど、しみじみとさせる良心的で繊細な作風がとても好きです。忘れかけていた初々しい気持ちが、ここにはあります…
「アザーブルー」は、島の漁港に住む高校生と東京からやって来た転校生の甘酸っぱい恋物語。島の風景がとても美しく描写されていて、彼らの気持ちを反映しているかのよう。
海の色や空の色が、自然に透き通るような青色に脳内変換できます。
戸惑いながらも、自分の気持ちに正直に恋する二人にときめきました。
「Night&Go」は、片想いの話。ずっと好きだった親友がとうとう結婚してしまったその式場で、かつて互いに片想いの傷を舐めあうように関係を持っていた先輩と再会。
再会愛、10年愛… -
Posted by ブクログ
ネタバレ繊細な絵とお話を描かれる作家さんです。
多分好きなものが自分と近いので、毎回モチーフのどれもが素敵で。
ステラリウムと一緒に購入しましたが、どうもBLでファンタジーが苦手のようでこちらの方が好みでした。
緻密に描かれた植物がたまらないです。
多分、鉱石もお好きじゃないかと思っていたら、Cannaで連載していらっしゃるお話が鉱石絡みのようで、矢張り!と思ってしまいました。
描かれた二人の関係も、穏やかでこういうBLもいいものですね。
少年趣味とも違うのですが、初期の長野まゆみの雰囲気が好きな方はお好きな作家さんではないでしょうか。
木造校舎の夜の理科室なイメージです。 -
購入済み
やっぱりイイなぁ
青井さん独自の世界観は緻密で美しく関係性はBLだと言い切るには曖昧な雰囲気があって人間愛のよーな印象。平素の私であれば物足りないっと感じる類いなんですが、作品の持つ異次元感とそこに住む人々の「温度のなさそうな優しさ」に呑まれちゃうとゆーか読了後は不思議な満足感があります。本作のは表題作とスピンオフに一つ短編入ってますがどれもユルりと淡い展開で絵の構成も文句なく美しく外国の絵本のよう、思いっきり青井さんの世界が堪能出来ますよ。
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Posted by ブクログ
隅々まで堪能しました。控えめで繊細な作風だけど、いつまでも心に残ります。
タイトルがいいですよね。星を製造するなんて、夢だったりファンタジーだったりSFだったり…あらゆる想像ができてしまいます。
なのに、先端を行くというカッコよさじゃなくて、どことなくノスタルジック。
自然や宇宙をテーマにした作品に接すると、いつでもいずれかの思いを抱くことになりますが。
特によかったのは、人としての思いに優しさがあふれていたところです。
星を作る研究材料に、亡き恋人を思って零してしまった涙が混入してしまい、星の子が製造されてしまいます。
本来ならば星以外の製造物は廃棄するきまりなのですが、カナタは自分の作り -
Posted by ブクログ
超好み。どこに惹きつけられたか説明できないほど理屈抜きによかったです。肌に合うかんじ。
絵柄が、硬質なのに繊細で美しくてストーリーの世界観そのもの。ボタニカル風な緻密さにもうっとり…
しかしながら、他の方の小説でのイラストでお見かけした時には、何の食指も動かなかったんですよね。パッと人目を引くというほどじゃなかった。
やはり、作品に漂う静寂な空気と微弱で優しい体温のようなものが魅力の大部分ではないかと。
細かい筆致とか、優しさあふれるストーリーとかもいいんですが、登場人物がまたいいんです!
表題作の菌類学者の室田とバイト助手の大学生である岩井。
萌えツボど真ん中でした。
いつもは研究に没頭し -
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購入済み
一度読み終わり、表紙作が一番好きだなって感じたのと、どの話も独特な世界観あって惹き込まれる。
二度読みで、あれ?そういえばBLってなんだっけ?あれ?ってなって、三度読みで心が洗われてくってこういう事なんかなーと(笑)
どの作品も話重視なので、そういうの求めてる方には向かないかも。 -
Posted by ブクログ
ネタバレレーベルが消失したため、途中で終わってしまった「妖魔な俺様と下僕な僕」を角川文庫で完全リライトして発表したもの。前作よりも司野が大人びていて、高級マンションに住むよりも古びた昭和の店舗兼住宅に住む方が合っていて私は好き。司野の俺様ぶりは相変わらずたけど、正路の心の中のツッコミが面白くてツボる。BLとしては5巻目はキスシーンもなかったし、このままプラトニックな関係が続くのかと思うとちょっと物足りない気もするけど、2人の心が近づいていくのを温かく見守っていきたい。リライト前のは9巻目まで出てたけど、カギロイとの決着がつかないまま終わってしまったので、今作は決着が着くまで続いて欲しい。5巻目には奇談
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購入済み
純文学みたいなお話。
青井先生の作品はずっと変わらない雰囲気で、純文学のようです。
何より、特筆すべきは精緻な作画で、
このお話でも、途中のカラーイラストはそれだけでもう素敵な作品で、
しばらく眺めてしまったくらいです。
本作は文学青年2人のお話ですが、作中にこの2人の述懐が多く散りばめてあって、
私には少し読みにくかったです。
どこでより相手に惹かれたのか、、とか。
恋なんてそんなものかも知れませんが…。
作画を眺めるだけでも、私的には十分楽しいくらいなので、買って良かったです。