黒須高嶺のレビュー一覧
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小6のヤヤ♀と葉央♂(表紙の2人)は中川ペルセウスという野球チームで一緒に野球を楽しんでいたが、ヤヤが引っ越しで離れ離れになる。その後、手紙という形でお互いに近況を報告し合うのとそれぞれの目線で毎日が語られていく。葉央は近くに元プロ野球選手がコーチをするチームができ、移籍が多くでて、人数へってしまったり、ヤヤは新しいチームとなかなか馴染めなかったり、女の子だから嫌な扱いをされているのかと悩む。母がチームのお手伝いを全くしないのも嫌み言われる。
そのうちに2人はキャッチボールクラッシックという、キャッチボールだけの競技に出会い、お互いに大会出場していくのだが…。
展開はスムーズで、すごくビックリするようなことはない(なので★4)けれど、色々な問題に2人が野球が好きというスタンスでまっすぐ取り組んでいくのと、信頼を持てる友情で繋がっているところが、清々しくて良かったです。そして、キャッチボールの奥深さを知れます。やはり吉野万理子さんはスポーツのお話書くと良いですね。ご本人のスポーツ好きさがすごく伝わってきます。
読めれば4年くらいから。高学年向け。野球好きな子に特にオススメ。 -
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小学校の娘と一緒に読んだ本。これは貧困格差のお話。SDGsシリーズで他のテーマの本も何冊も出ている。
ーみんなは舗装道路を、真新しいスニーカーをはいて走っていく。おれはでこぼこの砂利道を、裸足で走って追いかける。息を荒らげ、必死に走っても、差はどんどん開いていく。とてもじゃないけど追いつけない。
この部分がこの本の内容を過不足なくまとめている。娘には伝わっているだろうか。
自分の子どもたちには、努力だけでは乗り越えられないものが世の中にはあって、自分の運命は偶然の産物だと理解して欲しい。何もかもが自分でコントロールできるという思い上がりを捨てて、努力や意志とは違うところで働いている「偶然」に心を開いて欲しい。きっとそこに気づくことで利他の精神が生まれるんじゃないかな。 -
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▼小学生だったか中学生だったか、という女子がいて、大まか幸せな家族が大家族で。
そこに加えて親の友人(だったかな)の父娘が居候で参加して。
この居候の娘が同年代で。そして自分よりも良い子ちゃんで。周りの大人にもちやほやされて。ああ腹が立つ、劣等感。そこからちょっと意地悪を…。
▼なんだけど、やがて紐解く相手の事情。いろいろ困って貧しくて、相手も色々悩んでて。だから大人も気を使い…。ってなことがわかってきて、気まずいけれども勇気をだして、悩んだ末の仲直り…。
▼…というだけの話なのですが、そしてもちろん、子供向けの本なんですが。ところが正直、すごく面白く読んだし、なんというか…上から目線な言い方で大変に恐縮なんですが「良く書けているなあ」と思いました。
近くにパン屋があって、そこがくりぃむパンがいちばん人気で、とにかくひたすら美味しくて、いつも売り切れ必須です…という小道具が上手く活かされています。食べたくなります。
▼濱野京子さんって、上手いなあと思います。 -
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読書嫌いの小4の息子のために準備して一緒に読みました。小説仕立てだから読みやすくて、思わず梅ジャム味を探してしまいました。梅味は売ってるけど、梅ジャム味はフィクションだったのですね。息子は、色々な部署の人がいてそれぞれに地道に仕事をしていくというリアルな現場が具体的に知ることができて楽しかったみたいです。味を考えるのにノート5冊分も味を書き出したり、工場に入るのに、肌着にローラーをかけ眉テープまでするという辺りに驚きながら、3週間かけてやっと読み終えることができました。(息子読書スピード遅すぎですね)デザイナーのタカハシさんを、本の装丁の名前に「高橋」とあるのに興奮したり、梅ジャム味のパッケージの本文中の描写と、表紙、裏表紙の絵を見比べたりしていました。
赤城乳業が好きになりました。 -
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ネタバレおはなしSDGsというシリーズで、17目標のうちのひとつめ「貧困をなくそう」を題材に描かれたストーリー。
父は失踪し、体を壊している母が介護のパートで小学6年生の陸と3年生の美波を養っています。
物語は陸が郵便受けから給食費滞納のお知らせを見つけるところから始まりました。つぶやくことばは「またかよ」。今日食べた給食が思い浮かび「ただ食い」という言葉が頭をよぎり、うしろめたくなる陸。
そこを皮切りに、払えない学童のお金、3年生になるのに絵本しか読めない妹、3日間変えないバスタブの水、少なく栄養の偏った晩御飯のおかずなどなど、小学生の子どもにはキツい現実が次々と明かされます。
買い物の帰りに、よその子どもがレストランで誕生日を祝ってもらうのを無言で見つめる妹。美波の誕生日はあさってなんです。最初、葛藤を抱える兄と違って、妹はまだ家庭の経済状況は理解していないのかなと思って読んでいましたが、こういう所からいろいろ感じ取っていることがわかります。それを察している陸は、予算の500円と努力で可能な限り豪華な晩御飯を用意します。喜ぶ美波ですが、せっかくのごちそうをほとんど食べることができません。原因は虫歯。歯医者に行くのにも治療費がかかる。日々晩御飯用の500円しかないのにどうするの?
という流れ。
挿絵が多めで、文体もストーリーもとても読みやすいため、暮らしの厳しさやつらい現実は理解しやすいと思います。
ただ、外国の貧困と飢餓にあえぐ子どもを見て「うちは貧乏じゃない」という妹に兄が抱く複雑な思い。「みんながアイスクリームをなめているのに自分だけ胃薬をなめている」ということばの持つ意味。挿絵と同じように挿入されているグラフから得られる情報。物語の希望であり、SDGsシリーズとしてのこの本のテーマ「貧困家庭を支えるための制度」。これらに関してはある程度の読解と共感と知識が必要かなと感じます。