山田久美子のレビュー一覧
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queer の語は、いわゆるLGBT全体を指すと共に、
その中のどれでもない、名付け得ぬ欲望を表してもいて、
QはLGBTを補完すべき要素――と、監訳者は述べる。
この本は根底に名付け得ぬ欲望を抱えた、
不思議で奇妙な味わい(=queer の原義)の作品を集めた
アンソロジーである。
表紙に採用されたのは印象派の画家
ギュスターヴ・カイユボット(1848-1894)「床削り」。
カイユボット作品の題材や雰囲気に
クィア性を認める評が多いと解説にあり、
その意味を考えながら読んでみた。
以下、全8編についてネタバレしない範囲(?)で。
■ハーマン・メルヴィル
「わしとわが煙突」 I and -
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ネタバレミステリ好きにはたまらないタイトルだなーと思って読んでみました。小さな雪に閉ざされたホテルで5人の奇妙なお客が・・という導入だけでわくわくします。ベタではなく王道と言いたい。
ただ12歳の少年が主人公で、「心温まる聖夜の物語」みたいなことがあらすじに書かれていたのがどうにも・・・な懸念ではありました。安易なぬるいだけの物語になってしまってるんじゃないか、と。
杞憂でしたね。思ったよりも話の骨格がしっかりしていてとても楽しめました。謎解きだったら冒険だったり少年の成長譚だったりいろんな要素がてんこもり。でもうまく融合してるように思いました。メディの、なんというか叙述感はかなりありありではありまし -
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警察署長ブルーノのシリーズ3作目。
好感の持てる作品です。
フランスの、のどかなサンドニ村。
ブルーノは警察署長といっても、村でただ一人の警察官。
村長の直属で、地域に溶け込んでいる駐在さんのような立場。いや、もっと存在感大きいかな。
名産のトリュフの収穫で、市場がにぎわう季節。
ブルーノは、狩猟仲間のエルキュールから、調査を依頼されます。
粗悪な中国産トリュフが紛れ込み、評判が落ちかねないという。
ところが、そのエルキュールが事件に遭う。
実はエルキュール、かって情報部に所属した秘密警察官で伝説的な存在だったのです。犯人の動機は何だったのか‥?
騒動に巻き込まれた友人のベトナム人夫婦の -
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フランスの田舎町を舞台のミステリ。
シリーズ1作目、好評だったようです。
フランス南西部、ラスコー洞窟に近い風光明媚なサンドニ。
警察署長が常駐してはいますが、村長の直属で、部下はいないという~交番の駐在さんみたいな存在なんですね。
ブルーノ署長は10年この村に馴染んで、皆のために心を砕いている好人物。愛犬ジジと暮らしている39歳の独身男です。
孤児として育ち、ボスニア戦争に行った経験もあるという。そういう過去があるからこそ‥というところも。
今は平和なこの村で、尊敬するマンジャン村長をひそかに父のように思い、美しい景色と美味しい食べ物を存分に味わっている様子が描かれて、ちょっとコージーミス -
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殺伐とした事件が起こると、ワーカホリックな刑事が寝不足と煮詰まったコーヒーに辟易としながら事件解決に邁進……ていうのを読み慣れているせいで、とても新鮮でした。
フランスの田舎警察の警察署長(といっても署員はひとりなので、ほとんど交番のおまわりさん的な役割)の主人公が、田舎生活を満喫しつつ、ロマンスもありつつ、どっちかっつーとコージーミステリ的な雰囲気で、惨殺事件に決着をつけるというお話。
でも、あくまでもコージーミステリではありません。(ここ、大事)
EUという名前に変貌したヨーロッパの経済その他を背景に、人種差別や、第2次世界大戦の暗い歴史を網羅したミステリで、好青年の署長も実は過去のある切 -
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アリスン・モントクレアさんのサスペンスミステリーですね。
デビュー作品との事です。
題名とイギリスミステリーに惹かれて読んでみました。確かに面白いのですが、シリーズになるのを見込んでか、ヒロインの二人の素性にかなりの枚数が使われています。無理もないのは、第二次世界大戦後のイギリスが舞台で、女スパイだったアイリスと、名家の寡婦になった(夫は戦死)六歳になる息子と義理の母と豪邸に暮らすダウェンが、ある日、知人の結婚式で遭遇し、意気投合して「結婚相談所」を開業する事になる。
開業から三ヶ月。対照的な二人は、それぞれが抱えるミステリアスな過去を内密にしていた。
そんなある日、若い美人の顧客が訪 -
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クィア小説コレクション、とはいっても一般に「LGBTQ」というカテゴリーで想像されるような内容には到底とどまっていない。収録作品の中には、ゲイ・セックスをあからさまかつ幻想的に描写するオスカー・ワイルドの「ティルニー」や、男性としてパスしてきたうぶなホテルの給仕係が若い女との結婚生活を夢見るジョージ・ムアの「アルバート・ノップスの人生」(映画の原作)もある一方、シャーロック・ホームズもの(パロディではない)あり、規範に縛られた田舎町で生と芸術への熱望に浮かされる若者の小説あり。
「名づけ得ぬ欲望の物語」という副題が示唆する通り、行間から浮かび上がる欲望を読み取ろうとするクィア・リーディングの教 -
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Posted by ブクログ
幻想的な雪景色とグリーングラスハウスのホテルがベストマッチしてて、ランタンやトロッコ、キャンドルにクリスマスツリー、ケーキといった小物たちが否応にもテンション上げていく。
しかし、タイトルで期待させるほどの謎も起きず、殺人事件でもなく、主人公の子供はロールプレイゲームという日本人には馴染みにくい設定を盛り込んでくるので、かなり読むのが疲れる。
読むのをやめようかと何回か思った。
ただ、ラスト近くになって、税関は誰でその目的はなんだって話になってからは面白かった。スリリングさ増すのと雪や寒さの危険もある。女の子の正体もスッキリするし感動した。マイロの成長が期待以上で素晴らしかった。