山田久美子のレビュー一覧
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クィア小説コレクション、とはいっても一般に「LGBTQ」というカテゴリーで想像されるような内容には到底とどまっていない。収録作品の中には、ゲイ・セックスをあからさまかつ幻想的に描写するオスカー・ワイルドの「ティルニー」や、男性としてパスしてきたうぶなホテルの給仕係が若い女との結婚生活を夢見るジョージ・ムアの「アルバート・ノップスの人生」(映画の原作)もある一方、シャーロック・ホームズもの(パロディではない)あり、規範に縛られた田舎町で生と芸術への熱望に浮かされる若者の小説あり。
「名づけ得ぬ欲望の物語」という副題が示唆する通り、行間から浮かび上がる欲望を読み取ろうとするクィア・リーディングの教科書ともいえるかもしれない。
なんといっても驚かされ、かつ大いに楽しませるのが、冒頭に所収されたハーマン・メルヴィルの「わしとわが煙突」だ。屋敷の真ん中にそびえたつ巨大な煙突を愛する老人が語るところによれば、「わしのほうがわが煙突よりも先に来るこの自己中心的な言い回しには、事実による裏付けがほとんどない。というのも、この言い回し以外のすべてにおいて、わが煙突は私よりも優位に立っておるからだ」。このように、「わが煙突」の前ではなく後ろに立ち、上官に対するようにしんがりを務めていると自認する「わし」と、屋敷の中心たる煙突をなんとか排除したい「わが奥方」との攻防がおかしみを誘う。
にしてもこれがクィア小説って?と思いながら、大橋洋一氏の「メルヴィルってほんとにファルス大好きな人で」という解説に爆笑し大納得。こういうセンスがわかる人には楽しめる短編集といえましょう。 -
Posted by ブクログ
幻想的な雪景色とグリーングラスハウスのホテルがベストマッチしてて、ランタンやトロッコ、キャンドルにクリスマスツリー、ケーキといった小物たちが否応にもテンション上げていく。
しかし、タイトルで期待させるほどの謎も起きず、殺人事件でもなく、主人公の子供はロールプレイゲームという日本人には馴染みにくい設定を盛り込んでくるので、かなり読むのが疲れる。
読むのをやめようかと何回か思った。
ただ、ラスト近くになって、税関は誰でその目的はなんだって話になってからは面白かった。スリリングさ増すのと雪や寒さの危険もある。女の子の正体もスッキリするし感動した。マイロの成長が期待以上で素晴らしかった。 -
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読むのに時間がかかっちゃって…
読むぞっ!って思って本を開くと…
用事を思い出したり…今度こそはって思うと…
眠くなっちゃったり。。。何故?
心が折れそう…ಠ_ಠ
シリーズ第2弾、今回のお話は…
アイリスとグウェンが営む結婚相談所。
前作から1ヶ月後の設定です。
グウェンのいとこからの依頼は…
エリザベス王女が思いを寄せているお相手のフィリップ王子の身辺調査というものでした。
息のあったふたりの掛け合いも楽しくって、読んでるだけでついつい笑顔になってしまうの。
安心してください!
もちろん殺人事件も起きますよ…フフッ。
それでも、ふたりで話し合って事件をちゃんと解決へと持ってくんだけど…
登場人物が多すぎなのよねぇ
ニックネームなんかも使ったりするもんだから…
さらに増えてる感じで…こんがらがっちゃうの。
登場人物のページ見返したりで…
あっ! だから時間かかるんだぁ!
ダメダメ!
海外作品にも慣れていかなきゃ!
このシリーズは第4弾まで出てるので、あと2冊頑張ります!
他の海外作品もどんどん読むぞっー ٩( ᐛ )و
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続巻が楽しみなシリーズ。
少し前に読んで大分感想を書くのを忘れていたので、少し思い出しながら。
今回はヒロインの片方の過去の男の話だった。そうだった。人間生きていれば色々あるし、あの時違う決断をしていたら今は…と思う事もあるよなぁなんて思いながら読みました。まぁでも不倫相手はあまり逃して惜しかった男でもないかな、と思ったり。
お貴族様のヒロインの方は、旦那の弟?になるのかな?の子供と少しつながりが出来た感じ。自立はしたいというものの、今まで乳母日傘で買い物も洗濯も料理も(多分掃除も)したことの無い人が手のかかる子供を抱えて一人暮らしが出来るのだろうか、と本人以上に読者も不安に思ったり。女性の社会進出が難しかった時代背景だからなおの事。
という訳で続巻も楽しみです。 -
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シリーズ3巻目、かな。
疑惑を魅惑と読み間違えてました。
と言う訳で今回は一番の強敵、義父登場。今の感覚で言うと有色人種の入会もそんな大げさな、という感じですが、大戦が終わった後ぐらいは自分たちのソサエティに異邦人が入ってくるというのは大変なことだったのかな、なんて思いました。日本だってまだまだ閉鎖的ですしね。
そういう意味では義父、相当思い切ったな!という最後のオチでした。まぁ彼も正気を失っていたという事なのかもしれないけど、その犠牲になった人が居るのだから正当化は出来ないですよね… 巻を追うにつれ、義母が段々とたくましくなっているような気がします。ガンバレ。 -
Posted by ブクログ
第二次世界大戦後のロンドンが舞台の冒険ミステリ。
戦時中にスパイ活動をしていたアイリスと、上流階級の未亡人・グウェン。
二人が営む結婚相談所に入会したばかりの若い女性・ティリーが殺されてしまいます。
容疑者として逮捕されたのは二人が彼女とマッチングした青年・トロワ―。彼の無実を信じる二人は独自に真相解明に乗り出しますが・・。
タイプの異なる女性コンビの活躍が眩しい本書。会話のテンポも良く、時にはぶつかり合いながらも協力し合う二人のバディっぷりが良いですね。
真相を追っていくうちに、配給切符偽造のグループ犯罪も浮かび上がってきて、そちらも解決するのは良いのですが、誠実なトロワー青年の無実がなかなか晴れず、終盤でやっと真犯人が明らかになった時はホッとしました。
謎解き、冒険、そして勿論(?)ロマンスもあります。
主役二人も魅力的ですが、個人的にはアイリスの友人・サリーがええキャラだな、と思いました。
続編も出ているようなので、手を出してみようと目論んでおります~。 -
Posted by ブクログ
戦争の記憶の継承や、過去の戦争が現在にどんな影響を与えているか、EU加入で農村はどう変わったか、あるいは変化をそれとなくごまかしているかなどの現実を、小説の中で自然に表現している。だからものすごく面白い。
つい最近のフランス大統領選挙では、とうとう極右政党が大統領候補を有力候補として出してしまったけれど、2008年のこの時点からすでに、フランスの良き市民たちがどのように極右の排外主義者たちと闘ってきたか、あるいはどうにかやり過ごしてきたかを生き生きと描いている。現在に繋がる現実が描かれているので、だいぶ前の小説だし現実離れしてるほど有能な登場人物ばかりなんだけど、無理なく読めた。
恋愛要素はすごく要らなかったけど、きっと次回作では今作のヒロインと別れてるだろうから別にいい。ダビンチコードでも新しい巻の前に前作のヒロインとは別れてた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ上流貴族のお嬢様出身の未亡人と元スパイ所属の女性二人が、共通の友人の結婚式で出会い、戦後、空襲を免れたビルで結婚相談所を開く。
依頼人の女性Aが殺害され、その女性とマッチング予定の男性Bが疑われた。
ヒロイン二人は殺人容疑で収監された男性にかけられた疑惑をはらすために「探偵ごっこ」を始める。
依頼人女性はかわいらしい容姿だがもう一つの面として、闇市を仕切るボスの組織の一人だったりする。
そして、その闇市ボスの組織に潜入操作している官庁の人間Cがいる。ヒロイン二人は闇市ボスに接近する。
闇市ボスの組織は、偽札の原版を手に入れてそれを利用しようとしていた。それを知った組織内の裏切り者たちと潜入捜査していたCが、グルになって原盤を闇市ボスから横取りしようとする準備の最中。官庁の人間Cは金に目がくらんで闇に墜ち、原版横取り野郎になった。
女性Aもその原盤横取り作戦に関わっていた。そこで女性Aの殺害は、その関連での出来事かと思いきや違った。ヒロイン二人は原版横取りグループを警察に引き渡し後、殺人の犯人の元に。
犯人は、男性Bの部屋の大家。男性Bに勝手に愛情を抱いていて、女性Aに嫉妬したのだ。
この作品には子どもを抱える苦労、貴族だからこそ身動きできない事情。スパイとして生きてきたから「普通の暮らし」になにか物足りなさを感じてしまう不満、自分だけ生き残った苦悩。いろんなことに挟まれてそれでも生きる二人の女性がいる。 -
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ネタバレシリーズ2作目。
王位継承者3桁くらいに連なる女性貴族と元スパイの女性、二人の女性ヒロインコンビの探偵物語。
エリザベス王女(のちの女王)の婚約候補者は、ギリシャ王族の血筋でイギリス王族の血筋でもあるが、その婚約候補者の身元調査が、王宮から依頼される。
そこからおおよそ3すくみの争いが行われる。
・イギリス軍の機密部隊。イギリスに入り込んでいる他国のスパイをあぶり出すためにガセネタを流す。
・ギリシャ左翼派。今の政権を転覆させたいために、ギリシャ王族のスキャンダルを狙う。おそらくソ連の支援を受けている
・ただの金狙い。王宮に勤めている職員が、上記のイベントが起こっていることを知り、動いている金を横取りしようとする
ヒロイン二人は捜査していくなかで、自身が持っているコネ人脈も使い、核心に迫っていく。ヒロイン二人は最終的にこの3すくみの競り合いを俯瞰する形で決着させる。
最後の最後にエリザベス本人も登場。
ヒロイン二人の恋の行方も少しだけ進展。前作で恋仲になった裏社会の主も、金に揺らぎながらも最後は元スパイのヒロインの価値を認識する。