上山春平のレビュー一覧

  • 世界の歴史〈21〉帝国主義の開幕
    18世紀後半のビスマルク体制から第一次世界大戦後のヴェルサイユ・ワシントン体制までの国際情勢を中心に書かれた概説書。

    ドイツ帝国の宰相ビスマルクは、宿敵フランスを孤立させるとともにヨーロッパにおける戦争を防止するため、ドイツを中心とする一元的で複雑な外交関係の蜘蛛の巣を作り上げた。

    しかし、ビス...続きを読む
  • 仏教の思想 9 生命の海<空海>
    本書は大きく3部構成からなっています。1部は宮坂氏による空海および真言密教の解説。2部は宮坂氏と梅原氏の対談。そして第3部が梅原氏の論考です。対談が読みやすいというのもありますが、全体を通して、難しすぎず易しすぎずというレベルに書かれていて非常に好感が持てました。確かにいきなり本書から密教の勉強をは...続きを読む
  • 仏教の思想 5 絶対の真理<天台>
     鎌倉祖師たちの基となった天台教学を少しでも知りたくて読んだ。日本天台はほぼ智顗の直輸入らしく、知りたかった最澄の生涯についてはあまり触れられていない。ただ、やはり一向大乗戒壇設立については大きな功績として強調されていた。
     智顗の教相判釈、法華経の構成や内容、華厳との違いが第一章で詳しく説明されて...続きを読む
  • 仏教の思想 1 知恵と慈悲<ブッダ>
    最高に面白かった

    因果律であるところの「縁」を説く釈迦が
    なぜ「無常」や「無我」などの因果を否定する
    ようなことを話すのか………

    その理解がとても深まった

    後編でとても心に残るのは
    ヤスパースが仏教学者に質問するシーン

    オリエンタリズムがあるのは
    むしろ西洋に憧れた東洋人にこそ
    根強いのでは...続きを読む
  • 世界の歴史〈21〉帝国主義の開幕
    この時代に関して必要十分かつ網羅的にも詳述されており、ベルリン会議からヴェルサイユ会議まで過不足なく描かれたこの時代の主にヨーロッパの通史で日本語で読める書籍の推奨書籍の一冊に上げることができる内容がある。
  • 世界の歴史〈23〉第二次世界大戦
    書かれた時期が第二次世界大戦終戦から30年と経過していないため、著者たちも慎重な書き方に終止している部分があり、近年のホロコースト研究書籍や、第二次世界大戦概説書などに比べれば些か精彩を欠く印象はあるが、全く第二次世界大戦の概説書籍を読んだことがなく最も入手しやすい状況であれば興味の深まりの始まりと...続きを読む
  • 世界の歴史〈16〉ヨーロッパの栄光
    近代ヨーロッパを貫く、征服者としてのヨーロッパと自由と人権、人間らしい扱いを全ての人に求める闘争の情熱、科学技術の進展、政治上の発展と紛争、世界的普遍性を獲得するに至るヨーロッパ芸術の源泉たる思想と衝動などが端的にまとめてある。現代に生きる市民にとって直近の近代史にふれるための最適な概説書の1冊とい...続きを読む
  • 仏教の思想 12 永遠のいのち<日蓮>
    日蓮について最初に読む本であるとは思わないが、独自な視点がいくつかあり、必読文献である。

    紀野一義は日蓮の人物像と信仰の本質を突く。
    紀野に比べて、全体的にオーソドックスな梅原猛だが、日蓮の歴史哲学について触れる部分は独自性がある。日蓮は陰がないという指摘も意義深い。

    昭和44年の著作なので、事...続きを読む
  • 世界の歴史〈9〉ヨーロッパ中世
    タイトル通り、中世ヨーロッパの歴史、政治、経済、文化などを包括的かつコンパクトにまとめた一冊。高校世界史よりもう一歩踏み込みたい人にオススメしたい。
  • 世界の歴史〈10〉西域
    2016/12/23
    パミール高原を中心にした中国でもないヨーロッパでもない地域の歴史。中国とヨーロッパの資料をバランスよく扱っている。陸上交通の要所だけに、西からはアレクサンダーに東からは中国に征服され、北からはモンゴルに攻められるけど、したたかに生き抜くオアシスの人々。トルコ人はモンゴロイドだっ...続きを読む
  • 仏教の思想 2 存在の分析<アビダルマ>
     北伝仏教で基礎学と言われる倶舎論を、初心者でも学べる数少ない書籍。入手の容易さや文庫故に安価であることも考慮に入れると、唯一の入門書と言っても過言ではないだろう。
     最近では南方上座部の瞑想法の実践者も増えていることから、上座部のアビダンマの解説書はいくつか出版されている。しかし、大乗仏教の基礎と...続きを読む
  • 世界の歴史〈5〉ローマ帝国とキリスト教
    06'11'15アウグストゥスとイエス・キリストを巡る不思議な因縁を神秘的に綴ったプロローグ〜果たしてどちらが真の救世主か〜から始まり、一転してローマの歴史、共和制から帝政への移行、その支配と属州国の隷属の実態を語り明かす。また一転しユダヤの歴史とそれを導入にイエス・キリストの降臨、キリスト教とロー...続きを読む
  • 世界の歴史〈7〉大唐帝国
    唐にいたるまでの流れが、するりと頭に入ってくる。
    学術書なのに歴史小説のような躍動感です。著者の視点・知識・筆力の全てにひれ伏すばかり。
  • 世界の歴史〈12〉ルネサンス
    日本人の西洋史研究家による俯瞰視点でのルネサンスという時代で起きたこと。
    序盤はイタリア中心に交易や偉人・著名人、中盤で芸術家、そして大航海時代近辺、後ろの方はほぼ宗教。
    宗教改革にプロテスタントにイギリス国教会にユグノーなどなど。
    半分くらいの芸術家ターンがおもしろくて、ボシュってなんだと思ったら...続きを読む
  • 仏教の思想 4 認識と超越<唯識>
    中観思想とともに仏教思想の最高の理論的達成とされる「唯識」は、日本仏教の出発点であり、またヨーガの実践と深い関わりをもつが、その唯識思想の本質を浮き彫りにする。     -20101202
  • 仏教の思想 1 知恵と慈悲<ブッダ>
    角川の仏教の思想シリーズ、ブッダの偉大なる知恵と慈悲の思想をギリシア哲学やキリスト教思想と対比しつつその現代的意義を探る。    -20101202
  • 仏教の思想 5 絶対の真理<天台>
    中国仏教哲学の頂点を示す天台教学、「法華経」をもとに天台智顗によって確立され、日本文化の母胎ともなった思想体系を読み解く。    -20101202
  • 仏教の思想 2 存在の分析<アビダルマ>
    5世紀頃に輩出した世親の仏教思想を軸にその哲学的側面を根源から捉え直す。
          -20101202
  • 世界の歴史〈5〉ローマ帝国とキリスト教
    最初にこのタイトル「ローマ帝国とキリスト教」を見たときは、ただ「ふ~ん」と思っただけだったけど、よく考えるとこのふたつを並べるってすごい。

    本書はローマ帝国の建国から、東西に分裂するところまで。
    だから当初はローマ帝国とユダヤ教徒の関係が描かれている。
    ユダヤ王国はローマの属国でありながら、もちろ...続きを読む
  • 世界の歴史〈1〉人類の誕生
    歴史というより人類学な第一巻
    文庫版は変更しない方針とはいっても
    1968年そのままはさすがにきついものが
    全体の構成はさすがの一冊