渡辺靖のレビュー一覧

  • リバタリアニズム アメリカを揺るがす自由至上主義

    Posted by ブクログ

    リバタリアニズムというのは、個人の自由を最大限尊重して、政府の介入を最小限にする、という思想のようです。
    著者は、アメリカのリバタリアニズムのNPOや財団、中国の財団に取材しています。

    リバタリアニズムという思想そのものよりも、アメリカのNPOや財団が多くの寄付金を集めて、かなりの資金力があることが印象に残りました。

    0
    2023年11月17日
  • アメリカとは何か 自画像と世界観をめぐる相剋

    Posted by ブクログ

    期待してた通りの本でした。こういうのが読みたかった。同じ岩波新書のアメリカの歴史も読んでいたので、よりわかりやすかった。この著者すごい。客観的にいろいろ扱ってる。私からみた客観なのだが。

    0
    2023年02月02日
  • アメリカとは何か 自画像と世界観をめぐる相剋

    Posted by ブクログ

    また渡辺靖先生だ。米国という興味深い国について、最新の分析と評論を提起し、様々な課題に不安を覚えつつ、民主主義の理想を垣間見る事例で、未来への期待を感じさせる内容は、毎度のことながら敬服する。
    今回はコロナ禍で、氾濫する文字情報がいつになく沢山インプットされ、その一つ一つのドットを繋げて3次元のアメリカ社会を描こうという挑戦。決して掴むことのできないアメリカという偶像を、時代の流れとともに追いかける渡辺靖先生の著書を追いかけていくことで、自らのアメリカへの関心と理解を深め、公私共に関わり続けていきたい。

    0
    2023年01月05日
  • 白人ナショナリズム アメリカを揺るがす「文化的反動」

    Posted by ブクログ

    なるほど、アイデンティティポリティクスやら加速主義やら暗黒啓蒙やら、あれやこれやはそういうことか!っていう本。みんな読みなさい。

    0
    2021年01月19日
  • 白人ナショナリズム アメリカを揺るがす「文化的反動」

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    コロナ禍、トランプ政権、大統領選挙と今読むには打ってつけの内容。
    排斥する側の歴史から見る思想だったり、今まで起きた事例をびっしり書かれていて読み応えがあった。
    本書でも何回か書かれていたが、この事象(何百万単位の移民がくるようなこと)が日本でも起きた場合、リベラルな立ち位置を保持しできるか、甚だ疑問が残るという考えだ。
    とりあえず、より、大統領選挙は注目したくなる本だった。

    0
    2020年11月15日
  • 白人ナショナリズム アメリカを揺るがす「文化的反動」

    Posted by ブクログ

    また渡辺靖氏の現代アメリカ研究に耽溺した。
    最後のコロナ影響への言及まで、止まることを知らないアメリカの変化と懸念が、白人ナショナリズムを通じて明確に浮かび上げていく。
    そして日本への眼差しも忘れない視点が素晴らしいです、毎回。
    自分達がこれまでグローバリズムの恩恵を受けてきた事とこれからのナショナリズム勃興への危惧を感じ、その前提でどのように行動すべきか問われていると自覚した。

    0
    2020年07月23日
  • リバタリアニズム アメリカを揺るがす自由至上主義

    Posted by ブクログ

    【私たちは往々にして現実社会における「影」や「負」への対応を政府に丸投げしてはいないか。そして、政府を批判することで私たち自身の「他者への責務」から逃れ、自らを道義的高みに置こうとしてはいないか】(文中より引用)

    保守やリベラルといった広く用いられる用語では定義することが難しい「リバタリアニズム」という考え方。淵源やその広がりを辿りながら、アメリカで若者の注目をにわかに集めつつある思想の説明を試みた作品です。著者は、『文化と外交』などでも知られる渡辺靖。

    リバタリアニズムの解説本として機能しつつ、リバタリアニズムが硬直的・単一的な思想ではないということを示している点が魅力的。アメリカを分析

    0
    2019年12月11日
  • 〈文化〉を捉え直す カルチュラル・セキュリティの発想

    Posted by ブクログ

    2015年刊行だが、2019年の「あいちトリエンナーレ」「日韓関係」などの問題を考えるヒントにもなる本。「パブリック・ディプロマシー(広報文化外交)」「ソフト・パワー」「人間の安全保障」などを解説。

    0
    2019年09月14日
  • リバタリアニズム アメリカを揺るがす自由至上主義

    Posted by ブクログ

    本来の自由主義

    リバタリアニズムを代表する政治家として米大統領選にも出馬した経験のある元米下院議員ロン・ポール氏が現役時代の2012年、ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン教授と、経済ニューステレビのブルームバーグで討論したことがある(『ロン・ポールの連邦準備銀行を廃止せよ』に収録)。

    中央銀行によるインフレ政策を支持するクルーグマン教授は、金本位制の復活を唱えるポール氏に対し、百年前の世界に戻るようなものだと批判。するとポール氏はあざやかにこう切り返す。「教授の主張は一千年、二千年前に戻りたいという考えではありませんか? かつてのローマやギリシャのような国家が、自分たちの通貨を減

    0
    2019年03月14日
  • リバタリアニズム アメリカを揺るがす自由至上主義

    Posted by ブクログ

    アメリカにおけるリバタリアンの来歴、現状、展望などの取材とインタビューに基づいた内容。リバタリアニズムの概要と特徴を大まかに理解することができた。
    想像以上に彼らは狂っていて、想像以上に彼らは現実を深く認識し、時には自らの誤りを意味する考察もしている。面白かった。

    0
    2019年03月12日
  • アメリカのジレンマ 実験国家はどこへゆくのか

    Posted by ブクログ

    アメリカに関する書籍として、現在、最良である。前著のアメリカンデモクラシーの逆説にも衝撃を受けたが、本書は更に外交と歴史的な観点が加わった鋭い視点で書かれており、当にジレンマを表現しきっている。
    氏のあとがきにもあるとおり、アメリカという国はいつも目が離せない。自分では到底整理出来ないが、これからも著者のアメリカ論をフォローしたく、何年後かの次作を期待する。

    0
    2015年11月05日
  • 文化と外交 パブリック・ディプロマシーの時代

    Posted by ブクログ

    パブリック・ディプロマシー(文化・広報外交)について書かれた本で、経済・軍事力といったハードパワーと対比される文化・国際交流のソフトパワーについて、各国の事例・日本と外国との対比を交えながら解説した良書。

    そもそも文化・広報外交やパブリック・ディプロマシーという言葉自体に一般のなじみは薄く、British Councilを知っている人も日本に国際交流基金という日本の文化・国際交流を担う組織が存在していることはあまり認知されいないように思う。

    中国が孔子学院という名で日本の大学の中に中国語教育センターを増やしていることへの言及もあったが、私自身中国語を勉強しようと思ったときに検討していた学校

    0
    2013年01月20日
  • 文化と外交 パブリック・ディプロマシーの時代

    Posted by ブクログ

    文化・外交ということを考えた時の、いかに自国の道義性や存在感を示し、国際世論の「心と精神を勝ち取る」ことの重要性を認識した。
    日本はここが圧倒的に弱いことも痛感。

    0
    2011年12月31日
  • 白人ナショナリズム アメリカを揺るがす「文化的反動」

    Posted by ブクログ

    昨今の米国を覆う、従来の保守主義でもない、なにか。なにがトランプを生んだのか。なぜトランプは従来の常識ではありえない行動をとっても支持され続けるのか。本書が紹介する、米国における白人ナショナリズムは、日本にいる我々にとって不可解な現在の事象の背景を説明するものである。本書により、これまで異端に思えた思想が裾野を広げている現実や、突拍子もない陰謀論の発端となる思想への理解が深まる。
    白人至上主義といえば、KKK に知られるように素頓狂な格好をする非常に尖った思想である、といったイメージはもはや古い。筆者が取材した会合では、ネクタイやジャケットの着用が義務で、参加者はみな社会的地位をもち不自由ない

    0
    2025年04月30日
  • アメリカとは何か 自画像と世界観をめぐる相剋

    Posted by ブクログ

    蛸壺化し議論をしなくなった民主主義に価値はないが修正される余地があるのも民主主義である。もともと議論の素地がない日本では静かではあるがもっと深刻な事態になりかねないと思う。

    0
    2024年12月27日
  • アメリカとは何か 自画像と世界観をめぐる相剋

    Posted by ブクログ

    保守とリベラルのあり方の変遷を辿れる一冊。
    経済格差が何もかも超えて影響を及ぼしているのは、日本もそうだよなと思う

    0
    2024年12月02日
  • 白人ナショナリズム アメリカを揺るがす「文化的反動」

    Posted by ブクログ

    トランプが支持される理由がよく分かる本。単に白人ナショナリズムだけで支持されてるわけじゃなく、アメリカでこれまで連綿と続いてきた反権威主義と反知性主義などが悪魔合体したキメラみたいなものとして具現化している。

    0
    2024年10月03日
  • アメリカとは何か 自画像と世界観をめぐる相剋

    Posted by ブクログ

    トランプからバイデンにアメリカ大統領が変わっても、深い分断に苛まれ、遠心力が強まるアメリカの現状とその歴史的背景、今後の展望について解説。
    米国流の「保守」と「リベラル」の歴史的形成過程、近年台頭する従来型の「保守」・「リベラル」とは別物の「権威主義(米国第一主義)」・「社会民主主義」・「リバタリアニズム」という潮流などの解説がわかりやすく、分断を深める現在のアメリカを理解するに当たって頭が整理された。
    コロナ禍も契機に非科学的な陰謀論が米国を跋扈している現状も改めて認識し、頭が重くなるが、分断をこれ以上深めないためにも、本書で指摘されているように「陰謀論者の主張に同意する必要は全くないが、彼

    0
    2023年11月12日
  • アメリカとは何か 自画像と世界観をめぐる相剋

    Posted by ブクログ

    「実際のところ、民主主義は最悪の政治形態と言うことが出来る。
    これまでに試みられてきた民主主義以外のあらゆる政治形態を除けば、だが。」
    とも言われたように、民主主義は微妙なバランスの上でポピュリズム化の危険性の上に成立していたのだろう。
    でもアメリカの民主主義もSNSの引き起こすポピュリズムにのまれようとしている。エコーチェンバー現象とフィルターバブル現象は、人間の根源的に持つ性質とSNSのというメディアの特性が生んだ必然ではないだろうか。
    この先アメリカは新時代の民主主義を生み出せるのか、それとも本当にポピュリズムよって滅びてゆくのか。

    0
    2022年12月30日
  • 白人ナショナリズム アメリカを揺るがす「文化的反動」

    Posted by ブクログ

     アメリカ(さらにヨーロッパ)では、保守とリベラルを超え、またリバタリアニズムと権威主義とが複雑に絡み合って、白人至上主義が台頭している現状と、その社会的・文化的な背景が実地研究を踏まえてわかりやすく解説されている。
     白人ナショナリストは、自らの民族・文化的なアイデンティティがリベラルな多文化主義、国際協調主義によって脅かされていて、むしろ自分たちこそ「被害者」であると考えている。この点に、問題の根深さがある。このことがよくわかった。
     文化的に同質性のある日本人には理解しづらいが、今後、外国人の入国・在留が増えてくる中で、日本人はなお多文化・多様性の尊重を唱えることができるのか。これを鋭く

    0
    2022年10月02日