渡辺靖のレビュー一覧

  • 文化と外交 パブリック・ディプロマシーの時代

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    ネタバレ

    ソフトパワーを活用した外交、パブリック・ディプロマシー(PD)について書いてある本。2011年発行なので最近の情勢が反映されている。特に東日本大震災と中国との関係の変化は大きい。
     大まかな流れはPDの今、歴史、具体例、批判、日本のPD、となっている。ソフト・パワーはジョセフ・ナイが提唱したものとして知っていたがこの本はアメリカだけでなく世界各国でソフト・パワーがどのように機能しているのかが解説されている。
     重要なことは、外交という点からすれば効果が無ければ打ち切られてしまうのもやむを得ないが、PDは確かに効果が目に見えにくいが効果は確かにあるということだ。狭い国益に縛られればかえって国益を

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    2014年01月16日
  • 文化と外交 パブリック・ディプロマシーの時代

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    パブリックディプロマシーの意義について、他国の例も挙げながら非常にわかり易く説明。ナイのソフトパワーを如何に実務的に国策として展開していくか、まさに今の日本に必要とされている。
    縦割り的(国内、国外)に取り組むことで、その効果は望まずにどんどん他国に流されるのでなく、マンガやAKB、相撲などフルに活用して、親日の波が市民レベルで拡がるきっかけ作りを国としても取り組むことを期待したい。
    ODAなども、貧困削減なども大事であるが、ある程度の新興国に対しては、パブリックディプロマシーを事業計画に取り入れながら進めることも必要ではないかと思う。

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    2013年07月25日
  • 文化と外交 パブリック・ディプロマシーの時代

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    「クールジャパン」を活用することで達成しようとしている政策目標は極めて曖昧で、働きかける対象も不明瞭。省エネ・リサイクルの取組み、環境や公衆衛生への取組み、復興・平和への取組みなどは、「もう一つのクールジャパン」を十分形成しうる。

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    2012年02月15日
  • 文化と外交 パブリック・ディプロマシーの時代

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    本書はソフトパワー(文化、サブカルチャー)の発信が外交や国家のイメージに与える影響力について、日本、欧米、中国等の成功例、失敗例から、その価値について考察したもの。
    パブリック・ディプロマシー(文化外交)、プロパガンダの歴史や概念の説明もあり、文化発信の基本を理解できる良書。国際マーケティング等、海外展開において文化の役割や利用方法を学ぶ入口としても有用だろう。

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    2012年01月15日
  • 文化と外交 パブリック・ディプロマシーの時代

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    パブリックディプローマシーとは、相手国の政府ではなく相手国の国民に働きかけて、国際社会における自国の存在感やイメージを向上させ、自国についての理解を高めて行く外交政策である。

    しかし、ソフトパワーやクールジャパンといった掛け声は手垢まみれで、明確なターゲットの不在、情報の操作可能性への過信など、戦略の不在と過剰を問題視する。

    むしろ自国の負の現実も含めて事実を伝える自己批判力のある発信が国際的発信力をもたらす、透明性や対話力が示す懐の深さが対外政策を円滑にする、という著者の意見に耳を傾けたい。

    実際に、スイスがマネー・ロンダリングにより悪質な組織の運営を間接的に支援しているとのグローバル

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    2012年04月26日
  • 文化と外交 パブリック・ディプロマシーの時代

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    政府同士の外交ではなく、相手国の世論に働きかけるパブリック・ディプロマシー。現在のいわゆる韓流や、戦後の米国の対日政策が思い浮かぶ。マーケットの小さい韓国が外に向かざるを得ないのは国家の方針としてしょうがないが、ちょっと前の男優さんたちや女性グループの露出の多さで日本における韓国の好感度は全般的に上がっているように思える。(同時に反発もあるが)
    日本を占領した米国も、その政策によって瞬く間に敵からあこがれの対象になってしまった。
    「パブリック・ディプロマシー」という言葉自体は、意味合いこそ現在と違うものの、19世紀半ばには確認できて、その実践例ははるか昔のアレクサンドロス大王の対ペルシア人政策

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    2011年11月26日
  • アメリカとは何か 自画像と世界観をめぐる相剋

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    この本は、2022年8月、今からおよそ3年前の出版ですね。

    「求心力よりも遠心力を強める米国」について論じられています。

    _…コロナ禍という国家的危機を前に、権威主義、民主社会主義、リバタリアニズムはそれぞれ独自の意味付けを行い、自らの主義主張と政治的立場を強めていった。

    この前読んだ、『アフター・リベラル』とも同時期というか、テーマとしても権威主義の動き、リベラルの思想の流れ、が一つテーマとなっていますが、とくにアメリカの近年の政治や言説をより身近な時事ニュース等に参照しながら論じられていました。

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    2025年07月26日
  • アメリカン・コミュニティ―国家と個人が交差する場所―

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    様々なアメリカの現実を描きます。モンタナ州のことをbig sky county というんだ、たしかに、わかるような気がします…。

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    2024年08月29日
  • 白人ナショナリズム アメリカを揺るがす「文化的反動」

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    アメリカ研究の第一人者。今、最も良質なアメリカウォッチャーといえばこの方になるのかな。
    白人ナショナリズムはリバタニアリズム同様、現在も生成過程にある概念で、その在り方は多様であり、実に様々な団体が発生しているとのこと。
    これらが、個別的で断片的な事例の記述にとどまっているのは、現段階では学問的体系にまとめられるような状況ではないからであろう。そのことがアメリカ社会が混沌としていることを示唆しているかのよう。
    私なり大きくまとめてみる。白人ナショナリズムは優生思想からくる他人種への蔑視という側面ももちろんある。だが、一方で、白人自体がマイノリティ化する中で、白人の権利が侵害されているという被差

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    2024年07月03日
  • リバタリアニズム アメリカを揺るがす自由至上主義

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    これほどまでに先鋭化している思想が生まれるアメリカという国。
    多くの日本人の理解の外にあるであろうその「自由」への感覚。
    とても共感できそうにない。こういうイズムが出てくる素地があるこの国と敵対しないほうがいいことだけは確か。

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    2024年05月12日
  • 白人ナショナリズム アメリカを揺るがす「文化的反動」

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    白人ナショナリズムとは、白人至上主義と自国第一主義が結び付いた反動思想である。
    反多文化主義である一方、軍備拡張や対外関与、グローバル資本主義は否定している。
    アメリカはどこへ向かおうとしているのか、考えさせられる。

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    2023年08月17日
  • リバタリアニズム アメリカを揺るがす自由至上主義

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    リバタリアニズム思想に深く切り込むというよりは、全体的に近年の動きや事例を多く挙げていく形式。
    リバタリアニズムの理論や哲学的考察についての厚い内容を期待していた自分にとっては、イメージしていた内容と少し違ったので後半は読み飛ばす形になった。海外ではこういう動きがあるんだ、ふーんってなりたい人向きの本だと思う。
    日本に思想の選択肢を増やした方がいい、というのは大賛成。

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    2023年04月02日
  • アメリカとは何か 自画像と世界観をめぐる相剋

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    アメリカン・デモクラシーの逆襲の続編である。それほど新しいことは記載されていないものの、最新のこととして参考になることもあるであろう。

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    2022年10月04日
  • アメリカとは何か 自画像と世界観をめぐる相剋

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    新大陸でイギリスを追い出し「大国なのに君主なき民主主義」の道を進んだ実験国家=「理念の共和国」はいま、岐路に立つ。現代アメリカの政治状況を解説する、非常にためになる本だ。

    ソ連が崩壊して冷戦が決着した1990年代以降、この国は党派対立が鋭くなり、政治不信が進んだ。これがオバマ、とトランプという2人の大統領を生んだ。2人は手法は違えど根は同じなのだという(p18)。

    保守は右へ、リベラルは左へ重心を移し、中道は求心力を失った。コロナとSNSはこうした動きを加速した。いまや米国は「交わることのないパラレルワールドを形成」(p170)しているのだ。本書で紹介される「キャンセル文化」だの、「暗黒啓

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    2022年09月07日
  • 白人ナショナリズム アメリカを揺るがす「文化的反動」

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    「白人ナショナリズム」が、欧米で広がりつつある。白人至上主義と自国第一主義が結びつき、ネオナチや極右など、様々な勢力が連なる、この反動思想の動向を報告した書籍。

    現在、米国において白人至上主義の指導者的存在とされるのは、雑誌『アメリカン・ルネサンス』主宰者のジャレド・テイラーである。彼の支持者は、自分たちはリベラルな社会秩序の「犠牲者」だという意識が強い。

    白人ナショナリストの政党として「米国自由党」(AFP)がある。「米国人を第一に」をモットーに、「自由、主権、アイデンティティ、伝統」を重視する。その考え方は、トランプ大統領が掲げる「米国第一主義」に近い。

    近年、欧州で極右・右派勢力が

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    2021年09月08日
  • 白人ナショナリズム アメリカを揺るがす「文化的反動」

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    でてくる人,団体が多すぎて,学術的には必要かもしれないが,読んでいてフォローしきれない.団体にいちいち略語(アルファベットの頭文字で略したもの)を付けているが,一般の読者にはいらないのではないかと思う.全般に羅列すぎて,では著者の立場はどうなのか,があまりない.

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    2020年11月14日
  • 白人ナショナリズム アメリカを揺るがす「文化的反動」

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    「彼らと同じ言い分」を、最近、日本でもほんとうに多く見聞きする。トランプ大統領の誕生とヘイト犯罪の増加の関連性は、安倍政権の存在が引き起こしている数々の事態と決して無関係とは言えない。読んでいて、そんな薄気味悪い感覚に襲われた。白人ナショナリストの「人種思考の強さ」を指摘した第4章は、人種の本質を考える上で必読!

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    2020年06月17日
  • 白人ナショナリズム アメリカを揺るがす「文化的反動」

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    白人ナショナリズムが米国だけではなく、世界情勢にも大きな影響を与えることを危惧しつつ書かれた一冊。もっとも、その筆致は白人ナショナリストに対しても超越的ではなく、それゆえにかえって著者の危機感が伝わってくる。白人ナショナリズムにはダイバーシティですら否定的な言葉として受け止められていることに、衝撃を受けた。

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    2020年06月03日
  • リバタリアニズム アメリカを揺るがす自由至上主義

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    アメリカ社会、とりわけ若い世代に広がりつつある「リバタリアニズム」(自由至上主義:政府の力を極限まで排除し、自由の最大化を目指す)について紹介した書籍。

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    ・自由市場・最小国家・社会的寛容を重んじる人々を「リバタリアン」(自由至上主義者)という。
    彼らは、ある面では保守、ある面ではリベラルである。例えば、移民や人工妊娠中絶などには寛容(リベラル)であり、銃規制や公的医療保険制度には反対(保守)の立場をとる。

    ・近年、若者の間でリバタリアン志向が高まっていることを示唆する報告が増えつつある。
    2017年に18~34歳の若者を対象に行われた調査では、71%が二大政党(共和党、

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    2020年05月06日
  • リバタリアニズム アメリカを揺るがす自由至上主義

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    リバタリアン
    ・経済の自由も個人の尊重も重要視する
    ・リベラルでも保守でもない立場(リベラルの中でもより急進的な立場のひと、がルーツ)
    ・リバタリアンにも段階がある、決してヒッピーの集まりではない(段階や流派が異なるのは他の主義も同じ。特定の方に当てはめて考えるのは浅はか)

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    2020年03月08日