【感想・ネタバレ】白人ナショナリズム アメリカを揺るがす「文化的反動」のレビュー

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Posted by ブクログ

なるほど、アイデンティティポリティクスやら加速主義やら暗黒啓蒙やら、あれやこれやはそういうことか!っていう本。みんな読みなさい。

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2021年01月19日

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ネタバレ

コロナ禍、トランプ政権、大統領選挙と今読むには打ってつけの内容。
排斥する側の歴史から見る思想だったり、今まで起きた事例をびっしり書かれていて読み応えがあった。
本書でも何回か書かれていたが、この事象(何百万単位の移民がくるようなこと)が日本でも起きた場合、リベラルな立ち位置を保持しできるか、甚だ疑問が残るという考えだ。
とりあえず、より、大統領選挙は注目したくなる本だった。

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2020年11月15日

Posted by ブクログ

また渡辺靖氏の現代アメリカ研究に耽溺した。
最後のコロナ影響への言及まで、止まることを知らないアメリカの変化と懸念が、白人ナショナリズムを通じて明確に浮かび上げていく。
そして日本への眼差しも忘れない視点が素晴らしいです、毎回。
自分達がこれまでグローバリズムの恩恵を受けてきた事とこれからのナショナリズム勃興への危惧を感じ、その前提でどのように行動すべきか問われていると自覚した。

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2020年07月23日

Posted by ブクログ

 アメリカ(さらにヨーロッパ)では、保守とリベラルを超え、またリバタリアニズムと権威主義とが複雑に絡み合って、白人至上主義が台頭している現状と、その社会的・文化的な背景が実地研究を踏まえてわかりやすく解説されている。
 白人ナショナリストは、自らの民族・文化的なアイデンティティがリベラルな多文化主義、国際協調主義によって脅かされていて、むしろ自分たちこそ「被害者」であると考えている。この点に、問題の根深さがある。このことがよくわかった。
 文化的に同質性のある日本人には理解しづらいが、今後、外国人の入国・在留が増えてくる中で、日本人はなお多文化・多様性の尊重を唱えることができるのか。これを鋭く突きつける一冊。
 本書は2020年コロナ感染拡大の直後に書かれているが、コロナ禍によって、米国ではグローバリズムよりもナショナリズム、国際協調よりも自国第一主義の助長が予想される旨を示唆している。これは見事に当たってしまったと言わざるをえない。もっとも、この予想は、アメリカだけではなく、ヨーロッパ、さらにもはや日本にも妥当してしまっているような気もする。

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2022年10月02日

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Black Lives Matter 運動が起こるきっかけになった白人警官による黒人男性の射殺事件。
それまでも同様の事件が頻発し、とうとうこの運動が大きな波となった時、まだ運動の根底にある問題やアメリカの実情は全く知らなかった。漠然とイメージにあったのは、人種差別、反移民、白人至上主義、白人ナショナリスト=暴力的な集団。。

この”白人ナショナリスト”について当初は暴力的で理解しがたい別世界の人たちだと思っていたのに、読み進めるうちに理解できることが多くて驚いた。

アメリカの人口の大半を占め、アメリカの礎を築いてきた白人は、今や移民の流入等により米国に占める割合がどんどん減っている。そして、これに対して、自国を乗っ取られたくないという思いがある人たちがいる。。白人ナショナリストの人にとって日本は、同質性の高い社会として尊敬されているとのこと。
もし日本で移民や外国人労働者の受け入れが大幅に増加した時、自分はどんな考えを持つだろう?コロナ前に訪れた観光地が、中国からの観光客で溢れていた時、マナーの違い等から少なからず不快な気持ちがあった。また道ですれ違う外国人労働者に対するちょっと距離をおいてしてしまう気持ち。。

勿論、暴力を擁護することは決してないけど、白人ナショナリストの人たちの考えを自分も持つ可能性は大いにある。本当は、そもそも人種や出身国で人を見ずに個人として捉えなければいけないのかもしれない。。

とにかく、この本を読んで、遠いアメリカの出来事だと思っていた問題が日本でも起こりうる問題として自分ごとで捉えられました。

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2021年06月05日

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白人至上主義と自国第一主義が結びついた「白人ナショナリズム」
「どうしてそういう思想を持つに至るのか」という疑問から読み始めたのだが、第1章のジャレド・テイラーの言葉「もし日本に外国人が数百万単位で入ってきたら〜」に衝撃を受けた。中国人観光客が大量に押し寄せてきただけで、我が町の商業施設はその様相を変えた(具体的にはドラッグストアや安売り店だらけになった)これが移民ということになったら、町はさらに形を変えるに違いない。それを受け入れるのか拒むのか。白人ナショナリズムを極々小さな規模まで落とし込むと、こういう話になるのだと思った。
一方で、白人至上主義者が日本に対して好意的なのにも複雑な気分になった。クールジャパンと言われている文化や行動に対する好感触が、実は単一民族による文化保護への評価(中身の良し悪しは関係ない)ではないかとさえ思えてきた。
考え方は色々で、今すぐに自分の中で答えは出せないが、引き続きこの問題について考えていきたいと思わされた一冊。

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2021年02月13日

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アメリカ、そしてヨーロッパで起きていることの一面の理解に。ルポルタージュ的内容で、著者自身はどちらかというと反トランプ的なようですが、中立的に書かれていると思いますので、参考になりました。

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2020年10月04日

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ナショナリズムはグローバル化する世界への反動なんだろうけど、文化的同一性の高い日本人が批判するのは簡単よね

アメリカは大変だろうと思う。コロナ禍によってグローバリズムとナショナリズムの関係はどうなっていくのか

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2020年08月16日

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20200725ー0801 題名の『白人ナショナリズム』とは、白人至上主義と自国第一主義が結びついた反動思想だと言う。著者はトランプ政権下での草の根のリアルな動向を伝えている。コロナ禍に世界中が見舞われているなか、アメリカではBLM運動が炎上している

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2020年08月03日

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BLMが正義であり、KKKに代表される白人至上主義が悪である、という単純な理解がまかり通る日本において本書が刊行される意義は大きい。読後に、白人ナショナリストたちが理想とする「単一民族」日本の実態とは?白人から見れば同系民族である朝鮮人を差別するのはなぜなのか?移民が確実に増加していく将来のあり方は?、と自問することになる。

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2020年07月25日

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彼らが強まっている力学、というよりは内部からの声に真摯に向き合ったという印象で、どういう理論で彼らが発言しているのか、というのが判断抜きで語られる。
その点、とても中立的で真摯な印象をうけるし、その上での筆者の判断もそれとわかる形で明示されているので押し付けがましくなく、とても読んでいて気持ちがいい

この本を選んだ問題意識はなぜ白人ナショナリズムの高まりがこれほどとなっているのか、だったがそれ自体の答えは明示されず、筆者も考えている、という印象。

現在進行形の問題に対してはこういう態度が実は一番紳士的で、読者にとっても、考えて今を分析するツールの一つになるのだなぁと気がついた

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2020年06月02日

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白人ナショナリズムとは、白人至上主義と自国第一主義が結び付いた反動思想である。
反多文化主義である一方、軍備拡張や対外関与、グローバル資本主義は否定している。
アメリカはどこへ向かおうとしているのか、考えさせられる。

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2023年08月17日

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「白人ナショナリズム」が、欧米で広がりつつある。白人至上主義と自国第一主義が結びつき、ネオナチや極右など、様々な勢力が連なる、この反動思想の動向を報告した書籍。

現在、米国において白人至上主義の指導者的存在とされるのは、雑誌『アメリカン・ルネサンス』主宰者のジャレド・テイラーである。彼の支持者は、自分たちはリベラルな社会秩序の「犠牲者」だという意識が強い。

白人ナショナリストの政党として「米国自由党」(AFP)がある。「米国人を第一に」をモットーに、「自由、主権、アイデンティティ、伝統」を重視する。その考え方は、トランプ大統領が掲げる「米国第一主義」に近い。

近年、欧州で極右・右派勢力が台頭している。これらの勢力は、自国第一主義やグローバリズムへの反発などを共有しており、米国と欧州で互いに共鳴し合う関係にある。

白人ナショナリズムの拡大に伴い、極右の過激派によるヘイト犯罪やテロが増えている。これまでのテロ対策はイスラム過激派に偏重していたが、今後は白人ナショナリストによる過激主義の脅威が安全保障の重要な課題になってくる。

米国では、白人人口が減るにつれ、白人ナショナリズムが増大している。今後、白人が過半数を割り込むとされる2040年代半ばに向け、さらなる過激化の可能性がある。

白人ナショナリズムの隆盛は「米国の分裂」を招く。昨今の米国社会は、トライバリズム(政治的部族主義)の様相が濃い。特定の部族=支持基盤の利益だけ重んじ、抗う部族を敵視する。他の民主主義国家でも世論の分断は進み、人権、多文化主義などに基づくリベラルな国際秩序が揺らいでいる。

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2021年09月08日

Posted by ブクログ

でてくる人,団体が多すぎて,学術的には必要かもしれないが,読んでいてフォローしきれない.団体にいちいち略語(アルファベットの頭文字で略したもの)を付けているが,一般の読者にはいらないのではないかと思う.全般に羅列すぎて,では著者の立場はどうなのか,があまりない.

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2020年11月14日

Posted by ブクログ

「彼らと同じ言い分」を、最近、日本でもほんとうに多く見聞きする。トランプ大統領の誕生とヘイト犯罪の増加の関連性は、安倍政権の存在が引き起こしている数々の事態と決して無関係とは言えない。読んでいて、そんな薄気味悪い感覚に襲われた。白人ナショナリストの「人種思考の強さ」を指摘した第4章は、人種の本質を考える上で必読!

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2020年06月17日

Posted by ブクログ

白人ナショナリズムが米国だけではなく、世界情勢にも大きな影響を与えることを危惧しつつ書かれた一冊。もっとも、その筆致は白人ナショナリストに対しても超越的ではなく、それゆえにかえって著者の危機感が伝わってくる。白人ナショナリズムにはダイバーシティですら否定的な言葉として受け止められていることに、衝撃を受けた。

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2020年06月03日

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