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Posted by ブクログ
トランプからバイデンにアメリカ大統領が変わっても、深い分断に苛まれ、遠心力が強まるアメリカの現状とその歴史的背景、今後の展望について解説。
米国流の「保守」と「リベラル」の歴史的形成過程、近年台頭する従来型の「保守」・「リベラル」とは別物の「権威主義(米国第一主義)」・「社会民主主義」・「リバタリアニズム」という潮流などの解説がわかりやすく、分断を深める現在のアメリカを理解するに当たって頭が整理された。
コロナ禍も契機に非科学的な陰謀論が米国を跋扈している現状も改めて認識し、頭が重くなるが、分断をこれ以上深めないためにも、本書で指摘されているように「陰謀論者の主張に同意する必要は全くないが、彼らが何故に過激な言説を信じるに至ったのか、理解しようとする姿勢は不可欠」だと考える。その上で、本書でも指摘されている「リベラル疲れ」というのは(リベラルな考え方にシンパシーを感じるとしても)考えなくてはならない課題の一つだと思われる。日本も他人事ではない。
Posted by ブクログ
「実際のところ、民主主義は最悪の政治形態と言うことが出来る。
これまでに試みられてきた民主主義以外のあらゆる政治形態を除けば、だが。」
とも言われたように、民主主義は微妙なバランスの上でポピュリズム化の危険性の上に成立していたのだろう。
でもアメリカの民主主義もSNSの引き起こすポピュリズムにのまれようとしている。エコーチェンバー現象とフィルターバブル現象は、人間の根源的に持つ性質とSNSのというメディアの特性が生んだ必然ではないだろうか。
この先アメリカは新時代の民主主義を生み出せるのか、それとも本当にポピュリズムよって滅びてゆくのか。
Posted by ブクログ
新大陸でイギリスを追い出し「大国なのに君主なき民主主義」の道を進んだ実験国家=「理念の共和国」はいま、岐路に立つ。現代アメリカの政治状況を解説する、非常にためになる本だ。
ソ連が崩壊して冷戦が決着した1990年代以降、この国は党派対立が鋭くなり、政治不信が進んだ。これがオバマ、とトランプという2人の大統領を生んだ。2人は手法は違えど根は同じなのだという(p18)。
保守は右へ、リベラルは左へ重心を移し、中道は求心力を失った。コロナとSNSはこうした動きを加速した。いまや米国は「交わることのないパラレルワールドを形成」(p170)しているのだ。本書で紹介される「キャンセル文化」だの、「暗黒啓蒙」だのといった事例は、驚きを超えて、すごく怖い。
さて、その中で、中国のような権威主義国家が持ち得ない、民主主義の自己批判力や自省力という「メタ・ソフトパワー」を維持できるか。「理念の共和国」の命運を決めるのはここだろう。もちろん、これはアメリカに限ることではない。
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