渡辺靖のレビュー一覧
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リバタリアンに興味があって購入した。自由ってものを考えている中でよく見かける思想だったので、お、読んでみよかな、と。
前半や最終あたりはフリーステイト構想やリベルランドなどすごく面白いと思った。日本の少子高齢化の加速具合とかを見る限り、限界集落を狙ってやれば実現するのでは?なんて夢想して、心が躍った。日本は中央政府が強い統治構造なので、自治立法権を強くしたり、予算とか課題は山積だけど。いずれにせよ、なんてかっこいいアイデアなんだ、と。アイデアの共同体というのも、すっと腑に落ちる。世代かな。
他方で、後半はつまらなくなってきた。一つには、リバタリアニズムというものを考察するのだが、なんという -
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米リバタリアン党を創設した、デヴィッド・ノーランは、リバタリアニズムの位置づけを、個人と経済的自由をともに重視する政治的立場と位置付けています。個人の自由を軽視し、経済的自由を重視するのが保守、個人の自由を重視し、経済的自由を軽視するのがリベラル、とのことです。
このノーランチャートは、アメリカの2大政党である共和党(保守)と民主党(リベラル)、そして最近注目されているリバタリアンの政治的位置関係を良く説明してくれています。固定した身分社会や巨大な政府による統治の両方を拒むという点においては、いずれも共通とのことです。
リバタリアニズムに多大な影響を与えている思想として、作家アイン・ランド -
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後書きにもあるように、リバタリアンを保守、共和党と同一と考えていた私自身がいた。しかし、そうではなく、リバタリアンで民主、共和双方に信頼を置かず、リバタリアン党という第3党がある。そして大部分のリバタリアンは党を超えて投票行動している。移民、他宗教、LGBT、妊娠中絶に寛容な思想から、むしろトランプ批判が強い。全くの認識誤りだった。彼らからすると日本の安倍政権は「規制大国」「最も成功した社会主義国」との理解はその通りになるだろう。経済的には「保守」、社会的には「リベラル」とは驚きだった。行きつくところに「無政府資本主義」という思想さえあるということは、どこまで知られているだろうか?
著者は共和 -
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政府要人同士の伝統的外交と異なり、相手国世論に直接働きかけ、相手国国民の「心と精神を勝ち取る」ためのパブリック・ディプロマシーについて、その中国や欧米による最前線から始まり、その起源と今日に至るまでの概念的変遷、代表的な手法と事例、注目すべき近年の動向、それに対する懐疑や批判、そして、日本におけるパブリック・ディプロマシーの歴史と課題まで、幅広く論じている。パブリック・ディプロマシーについて考えるには最も適した一冊だと思われる。
ただ、いろいろな要素が詰め込まれているので、通読した後、「で、パブリック・ディプロマシーとは何だったか」と思い返そうとしても、あまり浮かんでこなかった。パブリック・デ -
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著者は、文化人類学から国際政治を分析。
先日、リアルの講演会に参加したので、著書を読んでみた。
リアルの講演会は、大統領選予測など、報道ものが多かったが、この本は、パブリック・ディプロマシーという文化外交の部分に焦点をあてたもの。
例えば、最近中国が豊富な経済支援とともに、孔子学院を世界中に立地させているというような話。
ユニセフのような理想主義、各国の国民が高い水準の文化と知識を持つために活動するのか、それとも自国のための国益追求のためのソフトパワーとして実施するのか、著者はその中間領域があるとの立場。
自分は、端的にいって、国益を実現するためのソフトパワー