ジーン・ウェブスターのレビュー一覧
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私は電車もコンビニもないド田舎で生まれ育ったので、進学当初の世間知らずさ・焦燥感は痛いほどわかる。(苦い思い出…。)
想像力がテーマの一つに思った。
ジュディも言ってたけど、なんでもかんでも与えられると感覚が麻痺してしまう。
あしながおじさんがなかなか正体を明かさないのも、作家となるべく励むジュディの想像力を奪わないのに一役買っている。
とすると、現代のスマホ一つでなんでも調べられちゃうのって、一時的な知識の詰め込みには良いかもしれないけど、実は人間の内面的成長にとっては非常に貧しい行為なんじゃなかろうか。
進学を機に孤児院の外を知ったジュディは、勉強して、本を読み、書いて、遊んで、働いて、恋をして、時に失敗しながら世界との接点を増やしていく。
体験を伴った成長ぶりがすごく健全で、気持ちの良い一冊だった。 -
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ここにもスコットランド人が出てきて、至る所に登場するな、そんなに味のある性格だろうかと思った。私がスコットランドを変態的に愛しているから目に付くだけかもしれないが。
あしながおじさんみたいな変態が出てこなかったのでこちらは気持ちよく読めた。最初は自分にまつわる事を嫌がるサリーに押し付け、自分は旦那と新婚生活を遠方でエンジョイしているジュディをどうかと思ったけど。
サリーが、大変でも生き甲斐のある人生を見つけたようで良かった。この本にぴったりのことわざは、「災い転じて福となす」かな。私も人間の良いところを見てみたい。
訳者が変わって読みにくくなった点は残念。 -
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おちゃめなパティというタイトルから、トラブルメーカーの腕白な女の子という印象を当然受けるが、+成績上位であることもあり、特に屁理屈でラテン語ストライキを1人だろうと実行するのは、そのこともあるからこそ教師も若干指摘しずらいのだろうなと。
ロマンスを巡る騒ぎや生徒自身が抱える問題など学校内での物語も騒がしく面白い中、個人的には“タマネギと蘭の花“、それに続く“レモンパイとモンキーレンチ“の話が特に好きだった。
庭師との出会いと、泥棒との出会いと、まさかの紹介状を書いての斡旋。内容もさすがもっともらしくて説得力があり、パティの頭の良さを感じる。行動力の凄さもそうだが。
本書紹介のあらすじが、わざわざパティ視点ではない書き方で、あしながおじさんを模していて微妙に感じた。そんなことしなくても普通に面白い。 -
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ネタバレ星5にしたかった⋯。ジュディの「おじさまは禿げていますか?」のしつこさや、質問はもう金輪際しないと書いてからの次の行の質問など、ふふっと笑えるユーモアが良かった。絵が下手くそなのも好き。
なのに、やっぱそうだよね。あしながおじさんキモすぎるよね。ジュディが楽しみにしていたサリーの家に行くことを頑なに許さなかったところからキモさの片鱗が出てきた。理由を言わずに束縛するのは最低。サリーの兄のジミーに取られたくなかったからだと思っちゃうけど?
最初はジュディに言われてちゃっかり会いに行くことに可愛らしさを感じたけど、相手には知らせずフェアじゃない。
そもそも、女の子が嫌いだと言うのになぜジュディにだけお金を出したのか、なぜその見返りが毎月手紙を書くことなのか、なぜ自分のことを隠すのか、謎に包まれている。結末を知ると、やっぱり14歳も年下のジュディに好意を持っていたからという卑下的思考が理由ではと思ってしまう。好きになってほしいけど、お金を出している評議員だとバレれば好意的に見られないとでも思ったのだろうか、とか。
ジュディの良さについてだけ書くつもりだったのに、なぜ同じ女性でありながらこんなキモ男を作り上げちゃったのウェブスターさん!ジュディが喜んでるから無理やりハッピーエンドになるけど、まだ子供の孤児院の女の子に目をつけ、金を出していることを良いことに相手の意見を捻じ曲げ自分の思い通りにし、プロフィール詐欺をして本人に何度も会いに行っているのは、純粋とは捉えられません。
これを幸せな結婚エンドと思える人は、よほど古い人間か、男に洗脳された成れの果てです。感想を見ていると、女性がキュンを感じてて、男がストーカーと捉えてて、逆だと思ってたので意外。
もうほんと、ジュディめっちゃ良かっただけに惜しい⋯! -
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前作主人公ジュディの親友サリーが、ジュディが育った孤児院を改革していくお話。
ところどころ時代錯誤な差別的心理描写や言動がありますが、大筋はサリーのやり甲斐を見るにつけ、サリーや周りの人々の思いつきや手腕にワクワクします。
サリーの手紙も、ウィットに富んでいてとてもおもしろい。ジュディのお返事が読めないのがとても残念ですが、それを読み手側が補完して、膨らませたりしながら進んで行けるのがとてもおもしろなあ、と思うのです。
登場人物が多いのでメモしながら読みましたが、マクレイ先生のことを途中からサンディと呼び始めるもののその説明が無いので、サンディって誰?もしかしてマクレイ先生のこと?と混乱しましたが、そうだと確信を持ってからは集中できて、物語の展開にワクワクしました。 -
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新訳になっての、読み直し。こちらはジュディ・アボットの友人、サリー・マクブライドが主人公。かつてジュディがいたジョン・グリアー孤児院の、新しい院長となって奮闘する話である。「あしながおじさん」がいわゆるシンデレラストーリーなら、この「続あしながおじさん」は、世間知らずのお嬢様が、孤児院経営に携りながら、女性の幸せと結婚、自立をひたすら追求する話である。当時からこっちの話の方が好きだったけれど、より身近に感じられるテーマだったからだと今では分かる。サリーが負けん気が強くて、屈託がなく明るいのが良い。孤児院がどんどん良くなって、子ども達がいきいきしていく様子もすごく楽しく面白かった。
作者のウェブスターはこの本を出版した翌年に亡くなってしまうのだけれど、もし生きていたら、このジョン・グリアー孤児院の続きが読めたのかな、と思っても仕方がないことを考えてしまった。例えば愉快な女の子、セイディ=ケイトが社会へ飛び出して行く話とか。 -
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ネタバレあしながおじさんの続編。
ジュディの友人サリーが孤児院の院長として奮闘する物語。
あしながおじさん同様、サリーの書く手紙で物語が進んでいく。イラストがとっても可愛い。
サリーが新米院長として不満タラタラに(!)けれどガッツを持って働く姿、どんな困難にもユーモアを持って立ち向かう姿がかっこいい。
私は「先生」宛の手紙が一番好き。じれったいなあ、もう!とソワソワしながら読んだ。
そしてとびきりのハッピーエンドに、にっこりしながら本を閉じた。
正直、古い偏見に時代を感じる部分もあるけれど、(しっかりあとがきでフォローされていた)やっぱり心躍るハッピーなお話だった。
ただ、孤児院の子供にあてがわれたギンガムチェックの服が不満で、「ギンガムチェックの終焉!」とまで太字で手紙を書くサリー。
なんで!ギンガムチェック可愛いじゃないか…!!とそこだけ物申したい。 -
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前回福音館の坪井郁美さん訳で読んだのだけど、読書会を機にこちらの訳を。
まず、表紙がかわいいです。
手紙の中に添えられていた、ジュディが(作者が)描いたイラストたちが、絶妙なデザインで使われています。
前回読んだ時はそこまで感動していなかったはず。
児童文学的だが、深刻さはないと。
しかし今回はとても肯定的に読むことができました。以下読書会のメンバーの感想もよ含めて。
・物語としては単調だけど、かわいらしく、魅力的なジュディの手紙は読むのが楽しい。
・シンデレラストーリーと言ってしまえば それまでだが、ジュディが努力しているから、応援したくなる(少しくらいお洋服買ってもいいかと思える)
・孤児院のことをあんなに恥ずかしく呪わしく思っていた子が、最後は愛情さえ持ち、どうやら続編に繋がりそう。
・哲学的で社会派な女の子に成長させた実りある大学の日々は眩しいほど。
今回の私は『ハムレット』の舞台をジュディにプレゼントしてくれたジャービーさんに惚れました。
あんなに楽しそうな手紙読まされたら、嬉しそうな顔を見たくなるわな、ジャービー氏。
岩本訳では、前回坪井訳で読んだ謎の"犬猫降り" が、ちゃんと"土砂降り" キャッツ&ドッグズとルビがふってあり、しっくり来ました。
~ですの。みたいなくすぐったい口調がなかったのも読みやすさを助けていたかもしれません。
それに…まるで福音書のようなアンクルトムの小屋を読んだ後でしたので、神様という存在に頼らないジュディは頼もしく見えたりもしました。
彼女の名言
「寒さと霜を受けると少ししおれてしまいますが、太陽が輝けばぐんぐん成長します…苦労と悲しみと落胆が精神力を鍛えるという説には賛成しません。親切な心にあふれているのは、しあわせな人たちです。人間嫌いは信用できません。」
翻訳者の畔柳和代さんによる解説にこんなふうに書かれています。ウェブスターの書いた他の作品の主人公と比べてのことですが、
「社会の一員となる過程で、持ち前の観察眼と批評精神とユーモアをもって、仕事や幸福、お金や人生、自分が考える違和感について書く…異文化について報告する記者のようでもある。」
そうなのです、批評的な精神にもユーモアがあるから彼女は魅力的なんですよねー。
とこんなふうに、2年前に読んだばかりだと言うのに、まるで初めて読んだかのように楽しい時間を過ごしました。 -
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この作品は、続あしながおじさん、と銘打ってあるけど該当する人物が話しに関わってるのはほんの一部だけで、原書のタイトルはあくまで『Dear Enemy』であり、そこが最大の焦点ってとこは間違ったらいけないな、と、読後の今に改めて感じる。
無印では著者のウェブスターが実際に孤児・感化院で観察した人物のあくまでも理想形がジュディというキャラクターに投影されているように見え、続では集団そのものをまとめあげている人物サリーに加えて、その環境を包みこんでいるもう少し大きな社会を映し出そうとする著者の目線として描かれたもの、という意図のように思う。
これは前作と同じ世界線で書簡体形式というスタイルが同じなものの、1作品を通して読者へ語りかけてくるメッセージ性が大きく違っていて、無印があくまでも単純な『個人の想い』なら、続は『個人を殺して人に尽くす想い』に集約されている。
学生気分が抜けず社交界に染まりかけた、いい階級の女性が孤児院の院長として社会貢献をしながら自覚が芽生え、自己犠牲の精神を育んでいく成長過程が印象に残る。
余談ですが、この作品内で、エレン・ケイの名前がでてきた辺りで、話の雰囲気が山本有三っぽく感じる部分があって、お互いにどっちが先か後かはわからないけど影響を受けあっていたのかな?って邪推してました。個人的にはそうだとちょっとニヤッとする。そんな感じ。
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ネタバレDEAR ENEMY、敵へ、つまりマクレイ先生へ。
今作では、前作の主人公ジュディ宛(他)に、今度は友人のサリーが主人公として手紙を綴ることになる。
ジュディらのすすめで孤児院の院長となり取り仕切ることになったサリーの日々。マクレイ先生とは馬が合わず、本人を目の前にして"敵"というニックネームで呼ぶなど、これはいかにも特別な関係になるのだろうなと期待した。
時折登場する、特別愛嬌のあるアレグラを巡る話題が特に面白かった。孤児院に来た経緯から、彼女を引き取りたいと申し出されたものの、彼女を引き取るならその兄2人も一緒でないと、両親を失った家族がさらにバラバラになってしまう、という話、家事で先生が助け、結果的に兄2人も含めて貰われた話。色んな人に愛されやすく、ジュディのように、只者じゃない笑
p329で、恋人のゴードンへの手紙に、ドーデ「ヌマ・ルーメスタン」主題は"街の喜び、家の悲しみ"という、世の中では誰もが崇める素晴らしい政治家だが、家にいる彼女のもとへ戻ると不機嫌でむっつりしていて元気がない、という男の話題を書き、自分の思いを仄めかしている。
p334で、夜中に起こされてアルコール中毒の少年を診察治療し顔色の悪い先生を見ていて、先生の陰鬱な家など先生の人生の背景にある恐ろしい悲劇を思い、同情の波に包まれた。
ーー何かがーー何か電撃的なことが起こったの。気がつくと抱き合っていたのです。先生は私の手をゆるめ、大きな肘掛け椅子に座らせました。「まったく!サリー、ぼくが鉄でできていると思っているのかね?」そういって出ていきました。
良い感じじゃない〜とニヤニヤしながら読み笑
p364でゴードンと別れる。
p367で先生はなぜ私とは面会してくれないのか手紙で訴える。
マクレイ先生〜〜〜どうか今度お見舞いにうかがうときは面会してください。そして二人で〈時間〉に外科手術をほどこして、五か月を切除しましょう。二人で脱走して大いに楽しんだ日曜の午後を覚えていますか?今日はその翌日です。サリー・マクブライド
別日・敵殿〜〜ご覧のとおり、いまは先生に対して友好的な気持ちです。「マクレイ」というときは好きではなくて、「敵」と呼ぶときは好きなのです。〜
作中は前作と比べて退屈な場面も多かったが、最後の最後は、作品名から答えは分かっていても、ああ〜ときめきました笑
相変わらず終わり方が素敵です。作中の退屈だった場面も、後半の先生とのやりとりで吹き飛びました。 -
Posted by ブクログ
あしながおじさんは子どもの頃に世界名作劇場アニメで見た。ジャービス視点で想像しながら読むと楽しい(*^^*)。
続あしながおじさんは、ジュディの友達のサリー目線のストーリー。始めはイヤイヤ孤児院を任されたけれど、子どもたちに向き合い孤児院の立て直しに奮闘するうち仕事に愛情が沸き前向きになっていく。好きな仕事を捨ててただの専業主婦になることに疑問を抱き、働きつつ本当に愛する人にも出会うこちらも素敵なストーリー。けれど今の世の中ではかなり引いてしまう思考(当時はそれが当たり前だった優生学)が散りばめられていて驚いた。
作者のジーンウェブスターは女の子を出産した次の日に亡くなったそうだ。旦那さんはひどいアル中だったそうだが、お嬢さんがどうなったのかとても気になるけど調べても分からなかった。