【感想・ネタバレ】続あしながおじさん(新潮文庫)のレビュー

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「なるほど前作はジュディの手紙がメインで、本作ではジュディの親友のサリーの手紙がメインなのだな。」と読みながら感じました。

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2024年01月30日

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ジュディの友達のサリーもこんなキャラだったのね!笑
マクレイ先生に「敵よ、おはよう!」と挨拶するのとか、最高。
そしてこのハッピーな展開、あしながおじさんがお好きな方は絶対好きなのでは!

孤児院を取り巻く環境や、障害のある孤児に対する問題(当時の常識では偏見もあるけど、実際そういう子達を引き取りたい人は今でも少ないのが現実…)、女性の労働問題はなかなか過酷だけども、サリーが皮肉混じりのユーモアで嘆きながら、どんどん前に進んでいくので勇気をもらえる。

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2023年04月04日

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ジュディの級友、サリーが主役となる『あしながおしさん』続編。
ペンドルトン夫妻により孤児院の院長となったサリー。始めは辞めるのことばかりを考えていた彼女が仕事のやり甲斐、孤児たちへの愛情に芽生え、周りを巻き込んで孤児院の改革に尽力を尽くしていく。
お嬢様育ちのサリーが段々と逞しい女性へと成長していく様を見ていると不思議と勇気づけられる。

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2020年11月03日

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少し前に読んだ「あしながおじさん」が良かったので続編も読んでみた。期待以上に面白かった。この続編のほうが好きなくらい。
主人公サリーは、前作の主人公ジュディの友人である快活な女性。孤児院を改革するため院長として働くことになる。彼女の奮闘と成長、恋を描く。全編がサリーのユーモアあふれる手紙で構成されている。孤児院改革のドタバタが目に浮かぶよう。手紙の宛先は7-8割がジュディ、残りがボーイフレンドの青年政治家ゴードンと孤児院の嘱託医マクレイ医師。無愛想で非友好的なマクレイ医師に対して「敵殿(Dear Enemy)」なんて書き出しで手紙を送ってしまうサリー。なんというユーモア。あっけらかんとしているというか根が明るいというか、いいキャラだ。100年前の小説なので、現在では医学的に否定されている遺伝関係の描写があるのだが、それでも物語としての面白さは変わらない。

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2018年10月09日

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もうとにかく愛しくって大好きな本!
この読み終わった後のときめきをうまく言葉にできなくて悲しいけれど、とにかく、初めは前作に比べてサリーが主人公なのなんで!ジュディ!って思ってたし、あんまり入り込めなさそうって思ってたけど、いつの間にかサリーが大好きで、どんどん素敵になっていくジョン・グリアー孤児院が大好きで、サンディが大好きで、出てくる全ての登場人物が大好きになっていました!活き活きとした描写に、ジョン・グリアー孤児院の変化の全てを実際に見ているような気持ちになるくらい、映像として想像できて、本当一員になった気持ち。もっとサリーの改革をみたかった〜!物語すべてがサリーが書いた手紙でしかないのに、こんなにも素敵な物語になるのは何故なんだろう!ジーン・ウェブスターは素晴らしい作家です。あーもう大好き!

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2017年12月12日

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あしながおじさんで脇役だったサリー マックブライドが、主人公。
あしながおじさんは少女の頃胸キュンしながら何度も読んだ作品だったので、続編が、あるならもっと早く知りたかった!文庫の表紙も挿絵も可愛い。
まだ途中ですが、もう一度あしながおじさんも読みたくなってきました。同

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2017年07月12日

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ネタバレ

大学卒業後、なんとなく社交生活を送っていたジュディの友人サリーは、ジュディの夫であり孤児院の評議会会長の元あしながおじさんジャービス氏から院長に指名され、孤児院の改革を依頼される。
あしながおじさんの続編ということだが、主人公は交代し全然違うタイプの物語になっている。サリーは初めはやる気もなく早くクビにしてくれとお願いしており、次が見つかるまでのつなぎのつもりでいたが、次第に仕事にやりがいを持ち、自分らしさを見出していくようになり最後は結婚より仕事を選ぶ。大卒の半人前女子がだんだん仕事ができるようになり一人前の社会人になっていく様子と重なりますね。遊びに来てくれた彼氏が目の前にいると楽しいけど、さよならして目の前からいなくなるとすっかり忘れて仕事にのめりこむというのがおもしろい。
あしながおじさんは地面に足がついてない感じが拭えない夢物語だが、こちらは現代にも通じる働く女子のリアルな物語。訳者あとがきに書いてあるが、若干著者が重なる部分もあるようで。
100年も前に書かれた物語で、当時の時代背景を示す描写がいくつか出てくる。孤児院でもらわれていく子供としての理想像は、アメリカ生まれアメリカ育ち、金髪で青い目のピンクのドレスが似合う女の子だとか、慈善事業に従事する者に報酬はいらないという考え方は、今でもそれほど違いはない本音のように感じる。

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2018年05月10日

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ネタバレ

あしながおじさんの続編。
ジュディの友人サリーが孤児院の院長として奮闘する物語。
あしながおじさん同様、サリーの書く手紙で物語が進んでいく。イラストがとっても可愛い。
サリーが新米院長として不満タラタラに(!)けれどガッツを持って働く姿、どんな困難にもユーモアを持って立ち向かう姿がかっこいい。
私は「先生」宛の手紙が一番好き。じれったいなあ、もう!とソワソワしながら読んだ。
そしてとびきりのハッピーエンドに、にっこりしながら本を閉じた。
正直、古い偏見に時代を感じる部分もあるけれど、(しっかりあとがきでフォローされていた)やっぱり心躍るハッピーなお話だった。

ただ、孤児院の子供にあてがわれたギンガムチェックの服が不満で、「ギンガムチェックの終焉!」とまで太字で手紙を書くサリー。
なんで!ギンガムチェック可愛いじゃないか…!!とそこだけ物申したい。

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2024年02月22日

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この作品は、続あしながおじさん、と銘打ってあるけど該当する人物が話しに関わってるのはほんの一部だけで、原書のタイトルはあくまで『Dear Enemy』であり、そこが最大の焦点ってとこは間違ったらいけないな、と、読後の今に改めて感じる。

無印では著者のウェブスターが実際に孤児・感化院で観察した人物のあくまでも理想形がジュディというキャラクターに投影されているように見え、続では集団そのものをまとめあげている人物サリーに加えて、その環境を包みこんでいるもう少し大きな社会を映し出そうとする著者の目線として描かれたもの、という意図のように思う。

これは前作と同じ世界線で書簡体形式というスタイルが同じなものの、1作品を通して読者へ語りかけてくるメッセージ性が大きく違っていて、無印があくまでも単純な『個人の想い』なら、続は『個人を殺して人に尽くす想い』に集約されている。

学生気分が抜けず社交界に染まりかけた、いい階級の女性が孤児院の院長として社会貢献をしながら自覚が芽生え、自己犠牲の精神を育んでいく成長過程が印象に残る。

余談ですが、この作品内で、エレン・ケイの名前がでてきた辺りで、話の雰囲気が山本有三っぽく感じる部分があって、お互いにどっちが先か後かはわからないけど影響を受けあっていたのかな?って邪推してました。個人的にはそうだとちょっとニヤッとする。そんな感じ。

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2024年01月31日

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ネタバレ

DEAR ENEMY、敵へ、つまりマクレイ先生へ。
今作では、前作の主人公ジュディ宛(他)に、今度は友人のサリーが主人公として手紙を綴ることになる。
ジュディらのすすめで孤児院の院長となり取り仕切ることになったサリーの日々。マクレイ先生とは馬が合わず、本人を目の前にして"敵"というニックネームで呼ぶなど、これはいかにも特別な関係になるのだろうなと期待した。

時折登場する、特別愛嬌のあるアレグラを巡る話題が特に面白かった。孤児院に来た経緯から、彼女を引き取りたいと申し出されたものの、彼女を引き取るならその兄2人も一緒でないと、両親を失った家族がさらにバラバラになってしまう、という話、家事で先生が助け、結果的に兄2人も含めて貰われた話。色んな人に愛されやすく、ジュディのように、只者じゃない笑

p329で、恋人のゴードンへの手紙に、ドーデ「ヌマ・ルーメスタン」主題は"街の喜び、家の悲しみ"という、世の中では誰もが崇める素晴らしい政治家だが、家にいる彼女のもとへ戻ると不機嫌でむっつりしていて元気がない、という男の話題を書き、自分の思いを仄めかしている。
p334で、夜中に起こされてアルコール中毒の少年を診察治療し顔色の悪い先生を見ていて、先生の陰鬱な家など先生の人生の背景にある恐ろしい悲劇を思い、同情の波に包まれた。

ーー何かがーー何か電撃的なことが起こったの。気がつくと抱き合っていたのです。先生は私の手をゆるめ、大きな肘掛け椅子に座らせました。「まったく!サリー、ぼくが鉄でできていると思っているのかね?」そういって出ていきました。

良い感じじゃない〜とニヤニヤしながら読み笑

p364でゴードンと別れる。
p367で先生はなぜ私とは面会してくれないのか手紙で訴える。
マクレイ先生〜〜〜どうか今度お見舞いにうかがうときは面会してください。そして二人で〈時間〉に外科手術をほどこして、五か月を切除しましょう。二人で脱走して大いに楽しんだ日曜の午後を覚えていますか?今日はその翌日です。サリー・マクブライド
別日・敵殿〜〜ご覧のとおり、いまは先生に対して友好的な気持ちです。「マクレイ」というときは好きではなくて、「敵」と呼ぶときは好きなのです。〜

作中は前作と比べて退屈な場面も多かったが、最後の最後は、作品名から答えは分かっていても、ああ〜ときめきました笑
相変わらず終わり方が素敵です。作中の退屈だった場面も、後半の先生とのやりとりで吹き飛びました。

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2023年08月17日

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あしながおじさんは子どもの頃に世界名作劇場アニメで見た。ジャービス視点で想像しながら読むと楽しい(*^^*)。
続あしながおじさんは、ジュディの友達のサリー目線のストーリー。始めはイヤイヤ孤児院を任されたけれど、子どもたちに向き合い孤児院の立て直しに奮闘するうち仕事に愛情が沸き前向きになっていく。好きな仕事を捨ててただの専業主婦になることに疑問を抱き、働きつつ本当に愛する人にも出会うこちらも素敵なストーリー。けれど今の世の中ではかなり引いてしまう思考(当時はそれが当たり前だった優生学)が散りばめられていて驚いた。
作者のジーンウェブスターは女の子を出産した次の日に亡くなったそうだ。旦那さんはひどいアル中だったそうだが、お嬢さんがどうなったのかとても気になるけど調べても分からなかった。

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2022年07月13日

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前作に続き書簡体でありながら、実にリアルに描かれた仕事と愛情と友情の物語。
ジュディの推薦で主人公のサリーが嫌々始めた孤児院の院長の仕事、それを手放せなくなるほど愛していく過程の感情豊かな手紙が、本当に一人の人間の生き様を準えているようで、読み終えてからもサリーの人生は続いていくのだと深く感じました
著者であるジーンの人生経験がそのまま物語に生かされているようですが、サリーはどうか末永く幸せに暮らせますようにと願うばかりです。

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2021年12月19日

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あしながおじさんの続編があると知って、購入。
こちらも胸のすく清々しい話だった。
あしながおじさんの主人公のジュディの友人、サリーの物語。
この時代のアメリカで、女性が社会にとってどんな存在で、それが目を覚ました女性にとってどれだけ息苦しいものであるかをサリーが成長しながら抗っていく。
現代の日本ではまだまだ闘っている女性が多いことを思うと、アメリカと日本では100年の差があるとまでは言わないが、50年は遅れていると思う。
ハッピーエンドはお約束。

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2019年08月04日

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100年前に書かれた作品として考えるに、女性の社会進出や仕事に対する価値観を快活な主人公を通して描くことにより、当時の女性達の励みになったであろうと想像する、とても先進的なお話と感じます。それを抜きにしても快活で放らつな主人公が自分の生きる価値観に目覚めていく成長の物語として、恋愛小説としても純粋に面白いです。主人公の人間的魅力、言いたい放題の展開は書簡体を取ることで実現するものと感じました。
ユーモアも満載です。例えば、ジュディ一家が汽船に乗っているイラストとその解説がシュールで笑えます。イラストは上手でなないにしても味わいがありますね。
遺伝に関する間違った解釈等、現代では受け入れられないびっくりするような表現が登場しますがあえて原文に拘り翻訳されたことに敬意を評したいです。
精神を病んでいる人をパートナーに持つ人との恋愛は作者の体験に基づくものなんですね。終盤の不可解な閉塞感から一気にラストの展開を作るためのご都合とはいえ、リアル感があります。
続あしながおじさんという題名、原題名とはかけ離れており、ふさわしくはないけれどこの題名だからこそ出会えたと思うとアリですね。

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2018年06月22日

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ネタバレ

とっても素敵な本だった。
タイトル通り、『あしながおじさん』の続編。
あとがきにて、原題が「Dear Enemy」と知る。
読み終わってから知ると、おお洒落てるってなるけど、
読む前から知ってたらだいぶネタバレかも。

『あしながおじさん』とは違って、大きく派手で衝撃的な事件が後半に起こるのが印象的
おや、これは…?と思い始めてから、ページをめくる手が止まらなくなってしまった。

『あしながおじさん』はザ児童文学!ってかんじだけど、
これは児童文学にしては大人向けかも。高校生以上くらいかなあ、面白さが分かるのは、と思った。

旧訳の感想読むと「差別的すぎて云々〜」っていう意見が目立っていたけど、そんなに感じなかった。
新訳版ってことで、むちゃくちゃマイルドになってるのかな。

あとがきを読んで、少しほほう、となる。
作者のジーン本人も、妻子ある男性と恋愛関係にあったらしい。
39歳で亡くなったのね。生きていたらもっとたくさん文学を書いていたかもと思うと、とっても残念。
もっと読みたかった。

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2018年01月20日

Posted by ブクログ

優生学というものが、いかに善意によって広く浸透していったものであるのかが伺える。(私の勤務校では、司書さんの判断で閉架図書にされていました。その判断は極めて適切であろうと思います。予備知識のない子供に読ませたくないのは確か)

文体は軽妙洒脱。本当に、本当に面白くて夢中になって読んでしまう。サリーは(前作ヒロインの)ジュディに負けず劣らず魅力的。

そのサリーが、「ロレッタの風邪に砒素を処方してくださいとお願いしたい誘惑に駆られています…あの子はカリカックです。このままそだてて、社会が面倒を見ざるを得ない三百七十八人の家系を創らせてやってよいものでしょうか?」と書く衝撃たるや。
(せめても、犯罪が遺伝するとするカリカック家の研究が、いまは否定されていることを同じページ中に注でつけて欲しい…)


20世紀初頭という時代を強く感じる作品です。良くも悪くも。そして、その時代と現代が明白に地続きであることも。

前作に続き女性の自立…教育を受けてものを知った女性が、政治参加や社会貢献に目覚めていく過程が一つのテーマになっている。

前作にあたる「あしながおじさん」で、主人公ジュディは「大作家」となる兆しを見せながらも、物語上は支援者である青年実業家ジャービスとの玉の輿婚というシンデレラストーリーに回収されてしまった。ヒーローの振る舞いは「ただしイケメンに限」り許されるとしか評しようのない独善的なものだ。

しかし本作では、一見ジャービスに勝るとも劣らない(しかし女性の社会貢献や使命をバカなことと言いすてる)青年政治家のゴードンと、サリーは破局に至る。そしてその破局はヒロイン、サリーによって「自分が自由で、一人で、自分自身の主人だと気づいた途端、喜ばしい安堵と解放感が広がりました!」と語られる。
20世紀初頭の、アメリカの上流から中流の家庭における女性の吸っていた空気が読み取れる。

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2019年12月20日

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