岡崎武志のレビュー一覧

  • 駄目も目である ――木山捷平小説集

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    短篇というのは、読んでいる最中は意想外なストーリー展開や彫琢された文章の美しさに夢中になって時を忘れたりするが、私の場合、読後数日から数週間もするとその内容をあらかた忘れてしまう。だから数年もたつと、再読でもほとんど初読の作品と同じように楽しめることになる。読んでいて「ああ、これは読んだことあったな」と気づいても、前に読んだときにはあまり印象に残らなかった場面や情景描写に出くわして、その作品の魅力を再確認することになる。

    木山捷平は、そういう何度でも楽しめる短篇をいくつも残している。戦争や貧乏生活など厳しい経験を持っていながら(持っているからこそ)、陰気にならず、巧まぬユーモアがある。

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    2025年04月19日
  • 蔵書の苦しみ

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    ネタバレ

    私のような気になる本を買い漁ったり、好きな作家さんの新刊を追いかけるだけの人間でも本棚はミチミチになっていくので資料必須な物書きさんや古書マニアの方の本の増え方は尋常ではないだろうなと・・・。
    教訓5、6、10、11にウッとしていましました。

    9のトランクルームとか、お金あったらやりたいなーとか思っていただけに心に刺さりました、
    本好きというより本を蒐集する癖のある人だったら刺さりそうな話が満載でした

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    2022年06月09日
  • 蔵書の苦しみ

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    面白かった!人の経験てほんとに他人事だから面白いし、参考にもなるね。自分で把握出来なくなったら手放すのも仕方ない。結局読み返す本て少ないんだよな。

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    2021年10月05日
  • 蔵書の苦しみ

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    ネタバレ

    『部屋にいるとギギギギ、ギィーって音がするようになって、ある日本を紙袋ひとつ分買ってきて、仕事部屋にポンと置いた。その瞬間に、床が落ちた。』なんか人ごとでないような気がする。ウチは団地だけど、大丈夫かな?

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    2017年11月12日
  • 読書で見つけた こころに効く「名言・名セリフ」

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    最高に面白かった。読む本の範囲が広くて、書かれている作家や作品のことを全然知らなかった。文学以外への造詣も深くてほんとにステキだった。読みたい本だらけ。

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    2017年02月24日
  • 読書で見つけた こころに効く「名言・名セリフ」

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    年間数百冊を読み書評を書く、「プロの読書家」である著者。
    その机に積み上げられた、読書中に気に入ったフレーズを抜き出したノートから、「生きる勇気をくれる言葉」を厳選して紹介。
    心が折れそうになったとき、凝り固まった頭をほぐしたいとき――。
    凝縮された短い言葉だからこそ胸に沁みる。
    自分だけの名著をさがす読書ガイドとしても使える一冊。

    これは効き目がありそう。きっと再読する。

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    2016年07月16日
  • 蔵書の苦しみ

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    本好きのあるあるがいっぱい詰まった本。読んでいてとにかく楽しいし、吹き出して笑ってしまう部分も有った。色んな本も紹介されていて、本にまつわる本としては是非読みたい本である。

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    2016年02月01日
  • 蔵書の苦しみ

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    拙著「本で床は抜けるのか」と同じテーマを扱った本を再読。長年、本に特化して執筆してきた岡崎さんだけに蔵書の数は大変に多いし、本に関しての蘊蓄も膨大だ。体当たりルポ的なテイストの拙著とはアプローチがまったく違う。岡崎さんのはある意味、名人芸。参りました。師匠と呼ばせて下さい。

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    2015年04月03日
  • 蔵書の苦しみ

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    タイトルの通り。
    苦しみまくっている人々のものすごい話たくさん。

    自分も悩みを持っているが、ここに出てきている人たちの
    桁は違う。
    あるマンガ評論家の自宅から搬送された書籍は、段ボール箱で
    4500箱!!

    著者は自分の蔵書を自分で古本屋を一日だけ開いて
    処分してしまったが、これも画期的な処分方法かも。
    (第三者に古本屋として展示する本を選んでもらっているときの、
    著者の葛藤が何とも言えずわかる感じ)。

    今の古本の高値の作者は、後藤明生、田中小実昌、小沼丹など
    だそうです。

    本好きは、是非!

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    2013年12月16日
  • 読書の腕前

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    この本は絶版になっている。古本で購入。
    先に読んでいた「蔵書の苦しみ」より面白かった。
    この人の勧める本は本当に読みたくなる。

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    2013年11月10日
  • 読書の腕前

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    書評家・岡崎氏による読書にまつわるエッセイ。

    「読書=投資」ではなく、「読書=趣味」と考える本好きなら、絶対に楽しめる一冊ではないでしょうか。
    読書という行為自体を論じた後、ベストセラーとの付き合いかただったり、本の整理の仕方・買い方、本を読むシチュエーションに、作者の読書遍歴等々、一人の本好きの楽しい語りが存分に展開されている。
    それに同意したり、新鮮な発見があったり、首をひねったりしながら、最後まで楽しく読めた。

    学生の頃、海外の小説をよく読んだが、社会人になってからはビジネス書に読書生活の大半を割いてきた。
    でもやっぱり、自分の望んでいる読書生活ってこっち方面だな、と再認識。
    それと

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    2014年02月19日
  • 読書の腕前

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    2011/7/17
    岡崎さんは私が信頼する読書家。古本関連を中心に多くの著書を読んで来ましたが、読書論としてこれがベスト。とっても力が入ってます。読書生活に役立つ情報が満載です。本好きは必読。

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    2011年07月21日
  • 読書の腕前

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    ちょっと前に買ってツン読してあった本そしたらまさに「ツン読」の効用が書いてあって。そそそそ ツン読って大切なのよ と大威張り。今日 名古屋は中○新聞社であった「読書の腕前上達講座」に行って来ました。タイトル見てどこかで見たな〜と…で思い出して急いで読む。おお 泥縄。これは読書の楽しみ方講座なんだけどとっても平易な文章で書かれていてサクっと読める。読み終わると無性に本が読みたくなる。岡崎氏が成績は悪くてもとにかく本はたくさん読んでいたってくだりで、小学生のときの悲しいエピソードは胸が痛かった。こーゆー先生は子供にとって百害あって一利なしだっ。新書って敷居が高いイメージがあるけど変に構えずにどんど

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    2011年08月01日
  • 野呂邦暢 古本屋写真集

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    ネタバレ

    写真の良しあしを判断する目はなくても、これはどうなのかという写り具合。だけれど、写真家の写真集を見たいがために手に取る本ではないので、遠い本棚、ぶれる人、読めない字、これで良いのだ。

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    2025年04月18日
  • 野呂邦暢 古本屋写真集

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    1970年代後半に、上京しては駆け足で都内の古書店を横断しつつ隠し撮りのように撮られた写真が集められています。亡くなった後に撮られたと思われる、祭壇とともに写る自宅の書棚には、第二次世界大戦についての書籍が目立ちます。切実に活字を希求した世代の想いが、ピンぼけの写真の向こうから伝わってきます。

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    2023年01月31日
  • ドク・ホリディが暗誦するハムレット オカタケのお気軽ライフ

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    古本屋めぐりや散歩、古い映画の鑑賞、ライターの仕事 さまざまな出来事を 通じて感じた書評家・古本ライター・オカタケさんの日々がエッセイになりました。

    著者の博学ぶりにはいつも感心させられる。高校の国語の教科書のエピソードがよい。

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    2022年02月08日
  • 野呂邦暢 古本屋写真集

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    1980年に42歳で急逝した芥川賞作家野呂邦暢の撮った1970年代の東京などの古書店写真がメイン。それに編者の一人「古ツア」小山力也氏による現状との比較、野呂の古本エッセイ9編、さらに編者岡崎武志氏と小山氏の対談で構成されている。写真は私の大学生~卒業直後ぐらいのものなのでなつかしい。特に神保町は親戚の本屋もあり時々行っていたので確かにこんなだったなあと思う。(いまでも近いかな)
    野呂の文章もその時代を切り取った感があるし、編者二人の対談を含めた文章も古本屋とそれを愛した野呂への愛情が感じられる。

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    2022年01月26日
  • 野呂邦暢 古本屋写真集

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     2015年に盛林堂書房から刊行された元版に、新たな写真を加え、野呂のエッセイ、編者の対談を増補した一冊。
     野呂邦暢という作家の名前を知ったのは、2010年に『夕暮の緑の光』がみすず書房から刊行されたときで、それ以降も愛読者というまでには至らなかった。『愛についてのデッサン』も、野呂の書いたものだからというよりは、古本屋を舞台に、古本屋主人を主要登場人物にしている作品だということに興味を持ったからである。

     そこで本書。1976年頃の東京の古本屋を写した写真。当時は彼の地元の諫早から上京するのは大変だった時代。スマホで何百、何千枚でも手軽に撮れる現代とは違って、フィルムカメラで一所懸命に撮

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    2021年11月12日
  • 上京する文學 ──春樹から漱石まで

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    上京という視点から文豪たちの作品を見直してみる。全19名の作家たち。

    地方出身だからこそ描ける東京がある。川端康成や室生犀星などの描く東京は本質を捉えているように思う。

    村上春樹、寺山修司、松本清張、井上ひさし、五木寛之、向田邦子、太宰治、林芙美子、宮沢賢治、江戸川乱歩、菊池寛、山本周五郎、夏目漱石、石川啄木、山本有三、さいとうもきち、野呂邦暢。

    解説の重松清も上京者なのが実に良い。山口から上京するのにわざわざブルートレインを選んでいる。

    元はしんぶん赤旗の連載。一話ごとの分量が適切で読みやすい。

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    2020年06月27日
  • 上京する文學 ──春樹から漱石まで

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    本書は〈春樹から漱石まで〉という副題にあるように明治から現在に至るまで「東京を目指し、故郷を後にした作家になる前の作家たち」、「そんな若者たちを描いた作品を『上京者』という視点で読み解いた」文学案内。

    登場する作家は総勢18名。
    夏目漱石・斎藤茂吉・石川啄木・菊池寛・山本有三・室生犀星・江戸川乱歩・宮沢賢治・山本周五郎・川端康成・太宰治・林美智子・寺山修司・五木寛之・松本清張・井上ひさし・向田邦子・村上春樹…錚々たる面々。

    ただ「現在までの上京譚」と謳うも一番若いのが村上春樹で、上京したのは昭和43年(1968年)⁈全共闘華やかかりし、あの時代。東海道に新幹線が走り出してまだ4年で、「夢の

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    2019年11月23日