岡崎武志のレビュー一覧
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本書は〈春樹から漱石まで〉という副題にあるように明治から現在に至るまで「東京を目指し、故郷を後にした作家になる前の作家たち」、「そんな若者たちを描いた作品を『上京者』という視点で読み解いた」文学案内。
登場する作家は総勢18名。
夏目漱石・斎藤茂吉・石川啄木・菊池寛・山本有三・室生犀星・江戸川乱歩・宮沢賢治・山本周五郎・川端康成・太宰治・林美智子・寺山修司・五木寛之・松本清張・井上ひさし・向田邦子・村上春樹…錚々たる面々。
ただ「現在までの上京譚」と謳うも一番若いのが村上春樹で、上京したのは昭和43年(1968年)⁈全共闘華やかかりし、あの時代。東海道に新幹線が走り出してまだ4年で、「夢の超特急」という冠コピーがまだまだ燦然と煌めいていた頃だから、現代とくくるのはいささか強引では(苦笑)。
とはいえ、昭和をよく知る者にとっては郷愁も手伝い、あの頃の上京って、伊勢正三の「なごり雪」の世界そのもの。旅立ちと別れには、鉄道は1セット。だから、ある程度の距離感が不可欠。スカイマークなら早割使えば東京8,900円では、あまりにも味気ない。
著者は18人の上京後の「足取り」を様々の著作物から渉猟し、作風の成り立ちが「故郷(生い立ち)と上京後の東京との暮らし」に大いに根差しているのでは…という仮説から導いた論考は興味深く、また作家が自作品の中で描いた東京の街を実際に歩く。例えば『ノルウェーの森』に出てくる主人公が住む高台の右翼色の濃い男子寮(和敬塾)界隈の活写はさながら「文学散歩レビュー」としても読める。
18もの上京パターンを一気読みしたので、「上京の変遷」と「東京の街の成熟ぶり」を知ることができ、一冊で幾重にも読める労作。
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Posted by ブクログ
文筆業という職業柄もあいまって、多数の蔵書を誇りせっかくの自宅地下室の書庫も迷宮状態の著者が書く、「蔵書論」。
著者自身があとがきで書いているように、本書は「蔵書の苦しみ」をさんざん味わいながらも、いつまで経っても蔵書との本格的な別れの道を選ぶことができない自分自身への言い聞かせの書でもある。
本が家を破壊する、保管には金がかかる、火事で燃えてしまっても平然としている蔵書家もいる、多すぎる蔵書はかえって機能的でない・・・
などなど、蔵書が多すぎることのデメリットを、様々な実例を引きながら面白おかしく書き連ねているが、
結局のところ、本書執筆時点で著者が処分できた本は全体の5~7%くらいで、それどころか自分で思っていたより蔵書が多かったことを誇らしげでもある。
三つ子の魂百までというやつで、この人はたぶん死ぬまでこのままだろう。
そして、この本を読んで蔵書あるあるに共感しまくっている自分も。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
読書しない人生は、書~もない人生―“空気のように本を吸う男”の体験的読書論。
[ 目次 ]
第1章 本は積んで、破って、歩きながら読むもの
第2章 ベストセラーは十年後、二十年後に読んだほうがおもしろい
第3章 年に三千冊増えていく本との闘い
第4章 私の「ブ」攻略法
第5章 旅もテレビも読書の栄養
第6章 国語の教科書は文学のアンソロジー
第7章 蔵書のなかから「蔵出し」おすすめ本
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]