岡崎武志のレビュー一覧

  • 駄目も目である ――木山捷平小説集

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    短篇というのは、読んでいる最中は意想外なストーリー展開や彫琢された文章の美しさに夢中になって時を忘れたりするが、私の場合、読後数日から数週間もするとその内容をあらかた忘れてしまう。だから数年もたつと、再読でもほとんど初読の作品と同じように楽しめることになる。読んでいて「ああ、これは読んだことあったな」と気づいても、前に読んだときにはあまり印象に残らなかった場面や情景描写に出くわして、その作品の魅力を再確認することになる。

    木山捷平は、そういう何度でも楽しめる短篇をいくつも残している。戦争や貧乏生活など厳しい経験を持っていながら(持っているからこそ)、陰気にならず、巧まぬユーモアがある。

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    2025年04月19日
  • 読書で見つけた こころに効く「名言・名セリフ」

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    最高に面白かった。読む本の範囲が広くて、書かれている作家や作品のことを全然知らなかった。文学以外への造詣も深くてほんとにステキだった。読みたい本だらけ。

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    2017年02月24日
  • 読書で見つけた こころに効く「名言・名セリフ」

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    年間数百冊を読み書評を書く、「プロの読書家」である著者。
    その机に積み上げられた、読書中に気に入ったフレーズを抜き出したノートから、「生きる勇気をくれる言葉」を厳選して紹介。
    心が折れそうになったとき、凝り固まった頭をほぐしたいとき――。
    凝縮された短い言葉だからこそ胸に沁みる。
    自分だけの名著をさがす読書ガイドとしても使える一冊。

    これは効き目がありそう。きっと再読する。

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    2016年07月16日
  • 野呂邦暢 古本屋写真集

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    写真の良しあしを判断する目はなくても、これはどうなのかという写り具合。だけれど、写真家の写真集を見たいがために手に取る本ではないので、遠い本棚、ぶれる人、読めない字、これで良いのだ。

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    2025年04月18日
  • 野呂邦暢 古本屋写真集

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    1970年代後半に、上京しては駆け足で都内の古書店を横断しつつ隠し撮りのように撮られた写真が集められています。亡くなった後に撮られたと思われる、祭壇とともに写る自宅の書棚には、第二次世界大戦についての書籍が目立ちます。切実に活字を希求した世代の想いが、ピンぼけの写真の向こうから伝わってきます。

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    2023年01月31日
  • ドク・ホリディが暗誦するハムレット オカタケのお気軽ライフ

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    古本屋めぐりや散歩、古い映画の鑑賞、ライターの仕事 さまざまな出来事を 通じて感じた書評家・古本ライター・オカタケさんの日々がエッセイになりました。

    著者の博学ぶりにはいつも感心させられる。高校の国語の教科書のエピソードがよい。

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    2022年02月08日
  • 野呂邦暢 古本屋写真集

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    1980年に42歳で急逝した芥川賞作家野呂邦暢の撮った1970年代の東京などの古書店写真がメイン。それに編者の一人「古ツア」小山力也氏による現状との比較、野呂の古本エッセイ9編、さらに編者岡崎武志氏と小山氏の対談で構成されている。写真は私の大学生~卒業直後ぐらいのものなのでなつかしい。特に神保町は親戚の本屋もあり時々行っていたので確かにこんなだったなあと思う。(いまでも近いかな)
    野呂の文章もその時代を切り取った感があるし、編者二人の対談を含めた文章も古本屋とそれを愛した野呂への愛情が感じられる。

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    2022年01月26日
  • 野呂邦暢 古本屋写真集

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     2015年に盛林堂書房から刊行された元版に、新たな写真を加え、野呂のエッセイ、編者の対談を増補した一冊。
     野呂邦暢という作家の名前を知ったのは、2010年に『夕暮の緑の光』がみすず書房から刊行されたときで、それ以降も愛読者というまでには至らなかった。『愛についてのデッサン』も、野呂の書いたものだからというよりは、古本屋を舞台に、古本屋主人を主要登場人物にしている作品だということに興味を持ったからである。

     そこで本書。1976年頃の東京の古本屋を写した写真。当時は彼の地元の諫早から上京するのは大変だった時代。スマホで何百、何千枚でも手軽に撮れる現代とは違って、フィルムカメラで一所懸命に撮

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    2021年11月12日
  • 上京する文學 ──春樹から漱石まで

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    上京という視点から文豪たちの作品を見直してみる。全19名の作家たち。

    地方出身だからこそ描ける東京がある。川端康成や室生犀星などの描く東京は本質を捉えているように思う。

    村上春樹、寺山修司、松本清張、井上ひさし、五木寛之、向田邦子、太宰治、林芙美子、宮沢賢治、江戸川乱歩、菊池寛、山本周五郎、夏目漱石、石川啄木、山本有三、さいとうもきち、野呂邦暢。

    解説の重松清も上京者なのが実に良い。山口から上京するのにわざわざブルートレインを選んでいる。

    元はしんぶん赤旗の連載。一話ごとの分量が適切で読みやすい。

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    2020年06月27日
  • 上京する文學 ──春樹から漱石まで

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    本書は〈春樹から漱石まで〉という副題にあるように明治から現在に至るまで「東京を目指し、故郷を後にした作家になる前の作家たち」、「そんな若者たちを描いた作品を『上京者』という視点で読み解いた」文学案内。

    登場する作家は総勢18名。
    夏目漱石・斎藤茂吉・石川啄木・菊池寛・山本有三・室生犀星・江戸川乱歩・宮沢賢治・山本周五郎・川端康成・太宰治・林美智子・寺山修司・五木寛之・松本清張・井上ひさし・向田邦子・村上春樹…錚々たる面々。

    ただ「現在までの上京譚」と謳うも一番若いのが村上春樹で、上京したのは昭和43年(1968年)⁈全共闘華やかかりし、あの時代。東海道に新幹線が走り出してまだ4年で、「夢の

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    2019年11月23日
  • 古本で見る昭和の生活 ──ご家庭にあった本

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    古本収集家の著者が昭和初期の古本を通して
    当時の生活スタイルや
    著名人のルーツなどを読み取ります。

    全く知らない文化人も紹介されていますが、
    著者の古本から得る知識は、まさに一を知って
    十を知る力と言っていいと思います。

    そんな新たな知識を得るにはうってつけの一冊です。

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    2019年08月20日
  • 古本で見る昭和の生活 ──ご家庭にあった本

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    「ご家庭にあった本 古本で見る昭和の生活」(2012年)の文庫化。一冊の古書を取り上げたコラムをまとまたもので,その本が出版された当時の様子が分かりやすく描かれるとともに,関連書籍の情報,著者の蘊蓄も盛り込んでいて楽しく読める一冊。

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    2018年03月18日
  • 古本道入門 買うたのしみ、売るよろこび

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    古書についての初歩的教科書として分かりやすいかも。神保町界隈の話は分かるものが多いのですが,知らないことも多く不勉強を恥じます。

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    2017年10月15日
  • ここが私の東京

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    東京で暮らしはじめた時の、高揚と緊張は“私”を初心にかえらせる―古本めぐり40年、上京27年目の著者が、本と街を歩いて辿った作家たちの原点。上京する文學2―あの人の「上京&東京」物語。

    著者自身の東京物語が読ませる。

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    2016年05月30日
  • 野呂邦暢 古本屋写真集

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    写真が色あせていて、よりいっそう趣きが感じられました。

    私の住んでいる地域には、数えるほどしか古本屋がありません。いつか神保町のような古書店街に行ってみたいと思いました。

    「均一」で掘り出し物を発掘するのも楽しそうで惹かれます。

    女性の店主も増えているそうなので、そちらにも興味を持ちました。

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    2025年07月24日
  • 古本道入門 買うたのしみ、売るよろこび

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    普段行く神保町に関連した本だったので読んでみた

    まぁ普通かな。読んだ時点で7年前でした。最新版を読みたいかも

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    2024年03月17日
  • 上京する文學 ──春樹から漱石まで

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    若い頃東京に憧れ、青雲之志を抱いて出てきた作家たちの評伝。初出はなんと「赤旗」! 意外な感じもするし、いかにも赤旗な連載とも感じる。「浅草は、川端が東京のなかで見つけた『大阪』だった」(p150)、「東京という近代都市に『ふるさと』を発見したことこそ、詩人・室生犀星の手柄であった」(p185)など、各作家の作風に上京が与えている影響をさらっと指摘している。それをふまえてもう一回、じっくり読み直してみたいなあ、と思ったのは、山本周五郎と斎藤茂吉。

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    2024年02月08日
  • ここが私の東京

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    ネタバレ

     「司修の赤羽モンマルトル」「庄野潤三 石神井、そして生田」「藤子不二雄A まんが道とトキワ荘」などが収録されています。 岡崎武志「ここが私の東京」、2016.4発行。

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    2023年10月24日
  • 野呂邦暢 古本屋写真集

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    諫早出身の芥川賞作家が、都内の古本屋を写した100枚以上の写真をもとに、古本屋ラバーの野呂邦暢とその仲間が語るエッセイ集と対談。
    古本屋への愛が満ちている。昭和40~50年代のかおり。

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    2023年09月07日
  • 野呂邦暢 古本屋写真集

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    恥ずかしながら芥川賞作家である野呂邦暢という作家を全く知らなかったが、その野呂邦暢が70年代に撮影した主に東京の古本屋の写真集。素人だから写真自体は決して巧くない。ピントの合ってない写真も多い。それが味かというなんとも微妙。
    東京に住んでいる人間なら懐かしいという感じなのかもしれないが、地方在住の人間からすると時代を感じさせる写真だなぁで終わってしまうのが悲しいところ。

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    2021年11月30日