勉強の仕方でその効果が変わることがわかったら、だれもがその方法を知り、そして実践したいと思うだろう。
この本で行っているのは効果が高い勉強法は復習をすること。そして自分自身の理解を確認するテストをする事。
また復習や自己テストを実施する感覚によっても効果が違う事などを各種の実験の結果をもとに紹介し
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本書は主に4つのパートからできており。
・脳細胞がどのように形成され、新しい情報をどう保存すかの説明
・情報を保持する力を高めるテクニックの紹介
・問題解決力の向上にいかせるテクニック
・テクニックの効果を高めるために無意識を活用する方法
特に2つ目の情報を保持するテクニックの紹介は今後自分や子供の学習に取り入れたいと思った。
分散学習:一気に集中して勉強するのと、勉強時間を分散するのとでは、覚える量は同じでも脳にとどまる時間はずっと長くなる。
試験までの期間によって最適な学習間隔は違うが、学習した翌日と1週間後に復習すると脳の情報保持の効果が高い事が理解できた。
そして切羽詰まった時の一夜漬けは、翌日の試験当日の記憶という点では分散学習と効果は同じだが、その記憶は長くとどまらないので長い目で見ると効果的な方法とは言えないことが理解できた。
流暢性:情報が最適に素早く処理し出力する能力の事。
その時言えた公式などは翌日以降も思い出せると信じてしまうが、人は忘れるという事実を忘れてしまい、これ以上勉強する必要はないと思い込む。
記憶は、受動的に繰り返されたことよりも、受動的に繰り返したことの方が強く脳に刻まれる。
例えば、何かを暗記しようとしてほぼ覚えたとき、時間をおいてから記憶をたどって思い出す方が、もう一度本を開くよりも効果が高い。
覚える時間と練習する時間(暗唱する時間)の理想的な比率は1:3
テストという形で勉強したことをすぐに思い返すことは、学んだことを記憶にとどめ易くするために効果的。
問題解決の4つのプロセス
1.準備:論理的思考または創造性が必要となる問題に奮闘している時間
2.孵化(インキュベーション):問題を一時的にわきに置いたときにはじまる。無意識な知的活動。問題そのものを一度構成する要素まで分解し再度組み立てるなど。
3.ひらめき:アハ体験を得る瞬間。解決策が突如現れる。
4.検証:ひらめいた問題が本当に問題解決に繋がるかを確かめる。
学習効果を高めるQ&A(興味があったものを抜粋)P336
・勉強のルールを設ける必要はあるのか?(勉強する場所を決めるなど)
決める必要はない
・勉強や練習に適量は存在するのか
どれくらい勉強するかよりも、どのように勉強時間を配分するかの方が重要
・詰め込みはいけないのか
必ずしもそうとは限らないが、詰め込みで覚えたことはあとから思い出すことが難しいという事を理解する必要がある。
・自分で自分にテストをすることは役に立つのか?
非常に役に立つ。自分の理解を試す自己テストは最も効果の高い学習テクニックの1つ
・授業で取ったノートの復習はどれくらい役に立つのか
復習の仕方によって変わる。ただノートを見返す受動的な方法ではなく、自己テストを実施するなど能動的な方法を実施する。