嶋田洋一のレビュー一覧
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生まれつき障害を持って生まれた少女ヘルヴァが、サイボーグとして宇宙船の頭脳になり成長していくSF連作短編集。
少女の成長、機械と人の愛、未知の宇宙への冒険、出会いと別れ。自分の好きな要素が詰まってる素敵な物語だった。特にラストの『船は還った』を読み終えた時、物語終わりとその先に再び広がる宇宙の旅を思って涙が滲んでしまった。
人生って、喪失と克服の繰り返しで進んでく、そういうものだったよねって実感できたし、自分も前向きに頑張ろうと思える。
SFはちょっと…と毛嫌いしがちな人でも、堅苦しい専門用語が並び続けるわけではないので読みやすいと思う。
東京創元社の文庫なので、ページに文字がぎゅっと詰まっていてその上500P近いが、すぐに読んでしまった。 -
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SFってやっぱ面白い、と思わせてくれる16編と盛りだくさんの短編集。文庫も物価高騰のあおりを受けてこんなに高くなったか・・・と思いつつ買ったが、元は取れたと思う。
どの作品も味わい深いのだが、意識を持ったAIは物理的につながりさえできれば、ハード(シャーシ)を乗り換えていけるって設定が興味深い。人間が求めてやまない不死不老をAIなら実現できるという夢。
究極は「罪喰い」の世界で、人間はみな仮想空間(天国)に旅立ち、荒廃した地上にはロボットだけが残る。遺していく記憶を選べるってとこが業だ。
一方で、製品が成長したり、メンターがいたり、ロボット同士のいじめがあったりって世界の作品もあって、自意識を持つようになって社会のなかで生きていこうとすると、AIも人間も変わらないのはそうだよなと思う。
生存権をはじめAIの権利が認められる日が来るのだろうか? -
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2082年、異星人の65536個のプローブが地球を走査。プローブの交信先、太陽系の辺縁、木星の10倍の質量を持つ暗い天体ビッグ・ベンの周回軌道にある構造物ロールシャッハに調査に赴く宇宙船〈テーセウス〉。『ブラインドサイト』はそんな話だったが、これはその続編。またもや神経学の用語がタイトル。自閉症などで相手の動作を鏡像のようにまねる反響動作。
この時代、工学的な方法で脳の機能を拡大した人間がいるほか、遺伝工学によって蘇った、古代の人類亜種・吸血鬼などがいる。特に拡張を施していない人間をベースラインという。
舞台は地球に戻る。寄生虫学者ダニエル・ブリュクスはベースラインだが、オレゴンの砂漠でフィールドワークしていて、集合意識を構築するカルト集団・両球派への敵対勢力の攻撃に巻き込まれる。両球派に、研究施設から軍用ゾンビを引き連れて脱走した吸血鬼ヴァレリーが合流した混成チームと同道し、消息を絶った〈テーセウス〉からの通信を傍受したと思われる、太陽近傍のイカルスまで到達する。
ブリュクスには、遙かに高い知能を持った両球派や吸血鬼とはほとんどコンタクトできないが、両球派のスポークスマン的存在であるウイルス神学者リアンナ・ラッターロッド、雇われ操縦士ラクシ・センブプタ、そして同行する軍人ムーア大佐が話し相手だ。
そしてムーア大佐は『ブラインドサイト』の語り手シリ・キートンの父である。
知性にとって意識は邪魔なだけではないかというテーゼを提出した前作に対して、続編では自由意志、そして神が俎上に載せられるようだ。 -
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ネタバレわずか二日で読み終わってしまった。前作の設定をそのまま持ってきながら、はるかに凝ったストーリーで一気読み。
前作ではマフィアファミリーの内紛だったのが、今度はマフィア同士の戦いに巻き込まれつつ、シリアルキラーとの戦い、実娘の保護、とまさに三つ巴?の戦い。
新たにマフィアの生き残りの泥棒志向の娘、カメレオンのように正体を変える殺人鬼、娘を殺されたバイオリニスト、が登場し、アイリーン、ブルースという
脇役も健在。キャラの作りが上手く魅力的なうえ、主人公の鋼のようなキャラもますます強烈。
そして一番上手いのが話しの進め方。一体どのようなオチになるのか、果たして誰が真の敵になるのかわからないままラストで一気に収斂する様は見事。堪能した。
途中、パーカーのスペンサーシリーズを揶揄するようなアイリーンとクルツの会話には笑えた。
広範な小説を読んでいることもうかがわせる。 -
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海外現代SFは初めて読んだので、えらいとっつきにくいなーみんなこんな感じなの?と思ってたら、わざと機械から人間の感情まで繋げてるのかってなってホホゥってなった
最初から最後まで読まないとおもしろさがわからないやつだった
なんでこの本買ったのか全く覚えてなくてなんかあったから読み始めたんだけどなかなか良かったかも
最後の話とスターバックスでおばあちゃんが爆発した話おもしろかった
でも虐待された人とかを過酷なとこに送るやつはダメだった メンタルは筋肉みたいに傷ついて治ったら前より強くなるなんてことはないと思う 壊れるだけじゃないのかな サイヤ人じゃないんだから
本能を蜥蜴って呼ぶのも前の作品読んでないと意味不明だし あれだけ読んだら蜥蜴だと思ってたらいつのまにか女性になっててパニックだと思う -
ネタバレ
アメリカ人の考える未来か
エコープラクシアと最初の攻殻機動隊を比べると興味深い
どちらも脳を人工的に加工して高機能化しているがエコープラクシアではまさに有機コンピューターだが攻殻ではゴーストが存在する
最後は攻殻では人形遣いと素子が融合して、エコープラクシアではブリュクスとポルティアが融合して新しい人類の進化型となる
それにしても歪曲表現が多いので難解です。ラノベしか知らない人はたぶん読み進めることもできないのではないかな
短編の「大佐」は普通の表現で読みやすいから意図的な演出なのだろうけど -
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AIが普及した近未来にAIと人間の関係を考えさせる16編。海外の作家でケンリュウ以外知らない作家だが、面白かった作品も多い。日本のロボットはお友達SFに比べてダークなものが多かった。
エンドレス サード・Z・フセイン 個別のAIにも経済的な浮き沈みがある設定が楽しい
アイドル ケン・リュウ 自分とそっくりのAIをつくるということを三井住友中島社長は実現してる?
もっと大事なこと サラ・ピンスカ― AIによる殺人? よくある設定だが実際におこると怖い
人形芝居 アレステア・レナルズ 乗組員ほぼ全員死亡した宇宙船でAIが右往左往
翻訳者 アナリー・ニューイッツ AIの言葉を人間にわかるように翻訳する職業?は不滅です
赤字の明暗法 スザンヌ・パーマー ロボットのために貧乏オーナーが活躍するいい話。 -
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カナダの作家「ピーター・ワッツ」の短篇SF作品集『巨星 ピーター・ワッツ傑作選(原題:The Island and The Other Stories)』を読みました。
海外のSF作品が続いています
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ヒューゴー賞受賞作収録。
『ブラインドサイト』の星雲賞受賞作家が放つ日本初短編集。
直径2億㎞の異種知性と人類の邂逅を描く『島』意識を得た軍用ドローンの進化『天使』など11編。
地球を発って十億年以上、もはや故郷の存続も定かでないまま銀河系にワームホール網を構築し続けている恒星船と、宇宙空間に生息する直径2億km の巨大生命体との数奇な邂逅を描くヒューゴー賞受賞作『島』、かの有名な物語が驚愕の一人称で語られるシャーリイ・ジャクスン賞受賞作『遊星からの物体Xの回想』、戦争犯罪低減のため意識を与えられた軍用ドローンの進化の果てをAIの視点で描く『天使』――『ブラインドサイト』で星雲賞など全世界7冠を受賞した稀代のハードSF作家「ピーター・ワッツ」の傑作11編を厳選。
日本オリジナル短編集。
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1994年(平成6年)から2014年(平成26年)に発表された以下の11篇が収録されている短篇集です。
■天使(原題:Malak" (2010))
■遊星からの物体Xの回想(原題:The Things" (2010) )※シャーリイ・ジャクスン賞受賞
■神の目(原題:The Eyes of God" (2008))
■乱雲(原題:Nimbus" (1994))
■肉の言葉(原題:Flesh Made Word" (1994))
■帰郷(原題:Home" (1999))
■炎のブランド(原題:Firebrand" (2014))
■付随的被害(原題:Collateral" (2014))
■ホットショット(原題:Hotshot" (2014))
■巨星(原題:Giants" (2013))
■島(原題:The Island" (2009)) ※ヒューゴー賞中編部門受賞
■解説=高島雄哉
着想が素晴らしいと思える作品が多かったのですが、専門用語が多かったり、あまりにもスケールの大きな作品の一部だったりと… 軟派なSFファンにとってはちょっと難しい感じでしたね、、、
各作品の前に1ページずつの簡単な解説が付けてあるので、それがないと理解不能な作品も多かったと思います… そんな中で、作品の世界に入り込めて愉しめた作品は『天使』、『神の目』、『乱雲』、『帰郷』、『付随的被害』の5作品かな。
そのうちの3作品『天使』、『神の目』、『付随的被害』は、AIを搭載した軍用ドローンによる被害や、空港の保安検査に導入された騒音ボックスによる乗客の検査・判定、装着者の脳神経系に流れる情報をキャッチして意識に上がるよりも早く判断を下して肉体を動かす装置を装着したサイボーグ兵士による民間人殺害等、機械によって人間が支配される世界が描かれていました… 軍事用ロボットによる戦闘、戦争が現実味を帯びている中、恐ろしいことですが、リアルさを感じざるを得ませんでしたね、、、
『乱雲』は雲が知性を持つ物語で、『帰郷』は深海底で行われる計画のために深海でも生きられるよう肉体や脳神経系を改造された人間の物語で、着想が面白くて愉しめました。
『ホットショット』、『巨星』、『島』は、銀河系に超光速移動用のワームホール・ネットワークを建設する使命を帯びて地球を出発した小惑星宇宙船の活動を描いた物語で『Sunflowers cycle』と呼ばれる連作らしいのですが、、、
スケールが大きすぎて… ちょーっと、ついていけなかったなぁ、なんせ10億年単位での時間の流れが描かれていますからね。