坂野潤治のレビュー一覧

  • 昭和史の決定的瞬間

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    昭和11から12年にかけて生じた日本近代史における危機ないし転換点の実態を明らかにしている本です。

    昭和11年の二・二六事件以来、軍によるファシズムが支配的となり、民主主義が押しつぶされて日中戦争へ突入していくことになったという見かたがひろく流布していますが、著者はそのような歴史像が誤りであることを論証しようとしています。たとえば、マルクス主義経済学者の大森義太郎による人民戦線論が発表されており、そのなかで彼が選挙を通じて国政を変えていくことをひろく国民に訴えかけていたことからも、言論の自由が完全にうしなわれていたわけではないと著者は主張します。

    その一方で、大森の国民戦線論は、まったくべ

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    2023年08月05日
  • 昭和史の決定的瞬間

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    昭和11年2月20日第19回総選挙から、昭和12年7月7日盧溝橋事件までの1年5ヶ月に絞って書かれた本。
    ポイントは宇垣内閣の失敗にあるとみた。

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    2023年03月07日
  • 日本近代史

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    ネタバレ

    2度目の挑戦にして読破。
    日本の近代史を丁寧にまとめてある。
    近世以降の人物
    たとえば板垣退助や原敬のイメージが変わった

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    2022年08月13日
  • 明治憲法史

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     明治、大正、昭和戦前期の政治史を理解するためには明治憲法の構造と機能を知る必要がある。本書は、政治史を、憲法史として再構成しようとするものである、とはじめに本書の狙いが示されている。 
     以下、気になった点。

     第二章「明治憲法体制の出発」の章は、初期議会における予算審議権を巡っての「富国強兵」と「経費節減」の争いを整理している。
     藩閥政府は、概して政党に否定的であったが、美濃部達吉の天皇機関説が、「解釈改憲」により政党内閣の正当性を結論付けた、その論証を丁寧にあとづける。この辺りは、なるほどと思わされた。

     そして、憲法11条の統帥大権、12条の編成大権に関し、ロンドン海軍軍縮条約締

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    2020年09月25日
  • 明治維新 1858-1881

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    維新150年だし「西郷どん」だしで再読。
    明治維新を実現した薩長土肥等雄藩の「柔構造」分析が面白い。
    「グローバル化した世界の中で異なる民族、宗教、思想が何とか共存して生きうる世界を築くためには、いい加減な生き方もまったく役に立たないとはいえまい(p179)」
    日本人の特性である「翻訳的適応」を今こそ発揮すべきだと感じた。

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    2018年05月13日
  • 明治維新 1858-1881

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    ネタバレ

    明治維新を柔構造という視点で見つめなおし、新たな評価をするという内容。視点は非常に面白いのだが、歴史を題材にしているという点では、あまりその背景には深く入っていないため、正直、良く分からなかった。おそらくある程度の知識を持っている前提で読むと面白いのだろうが。。。
    何よりも「なぜ、そのような構造になったか」という点に対しての深堀りができていなかったことが、期待値から外れていたというのもあるかもしれない
    正直、これらの事象は「偶然が積み重なった結果」ではないだろうか。事実、この柔構造は国家の目的や成し遂げるスコープが明確になった時点で、硬化してしまっている。
    また、この著書では漱石の嘆きを悲観的

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    2017年10月09日
  • 日本近代史

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    変革の時代を知りたいが故に始めた日本近代史についての読書。本書の言う改革や革命の時代は、司馬氏の作品を通じ知識を仕入れていたから、スイスイと読めた。建設や再編の時代は、翔ぶが如くのおかげで、改革や革命の時代には及ばないが割と理解できた。

    しかし、それ以降はさっぱり。大正から昭和にかけての知識不足。読んでいて何となくわかったのは、この時期に生まれた政治制度の原型は現代にも強く引き継がれていること。政治に関心が湧きにくいのは、同時期の理解に乏しいことに原因があるかもしれない。これからは、建設の時代以降の知識を補完すべく読書を進めていこう。

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    2014年02月22日
  • 未完の明治維新

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    大久保利通=産業殖産による「富国」、西郷隆盛=外征のための「強兵」
    、木戸孝允=国民統治の「憲法」、板垣退助=自由民権の「議会」と、維新の立役者たちが目指した政治的方向性は微妙に異なっており、タイミング毎に離合集散を繰り返して日本の国づくりが進められていった。

    「富国強兵」とは一緒くたにされることが多いが、方向性としては富国=内治であり、強兵=侵略であるため、実は対立構図にある。指導者であった大久保と西郷は薩摩での盟友であったために、2人の間でこの対立が表面化することはなかったが、新政府の官僚機構と幕藩体制の旧秩序における士族階級による西南戦争をもたらした。

    明治10年までの台湾出兵や西南

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    2014年01月28日
  • 西郷隆盛と明治維新

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    歴史学者の坂野潤治さんの本。
    西郷隆盛の生涯を史書をもとに描く。

    特に新しい発見も納得もなかったな。
    それ以上でもそれ以下でもない。
    それでいて史書の現代訳がないのでわかりにくい。

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    2025年08月23日
  • 近代日本とアジア ──明治・思想の実像

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    著者は「日本自身が持つ固有の価値で日本の朝鮮や満州への進出を肯定することができないとすれば、その膨張の肯定は欧米の動向、中国の動向、朝鮮および満州自身の動向、という日本の外部の動向、およびその動向を正当化する「言葉」によってしかなしえない。」と結論付けている。現在のアジアを眺めれば、多くの国の主張や動向は、そのような他国のことにはお構いなしに、先ずは自国の内情に大きく影響されているように思うのであるが、いかがか。いや、やはり当該問題に関係する国々の動向に大きく影響されるし、国によって内情も異なるか。

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    2013年11月02日
  • 昭和史の決定的瞬間

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    ネタバレ

    史学雑誌の論文を読んでいるようで、新書としては読みづらい。内容的に面白い題材だっただけに、もう少し読みやすく書いていただけたら、もっと楽しめたのに…。残念。
    でも、日中戦争突入前には、反ファッショだとか反戦だとかが国会や論壇でまだ自由に話せていたということには驚き。

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    2013年08月09日
  • 日本近代史

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    日本という国が最も激しく揺れ動いた1857(安政4)年から1937(昭和12)年間での80年間を「改革」「革命」建設」「運用」「再編」「危機」という六つの時代に区分し、筆者独特の歴史観に基づき、通観されたものである。

    3.11という国難に際し、小物の政治家しかいない現状の日本と、「危機」の時代を比較し、「危機」の時代から「崩壊」へと進んでしまった日本の歴史を憂慮されている。

    資料を精緻に読むことにより得られる重要な史実。

    今後の日本の未来を作り上げていくうえで、示唆に富む著作であった。

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    2013年07月30日
  • 西郷隆盛と明治維新

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    西郷隆盛=征韓論という「虚像」が大いなる誤解に基づくものである、というポイントは理解できた。右翼にも左翼にもその「虚像」が利用されがちな人物だけに、彼らを論破する武器としても有用だ。最期に西南戦争に至ったのも、著者自身その目的は不明としながら、最終的にそうなってしまった理由は推測できる気がした。

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    2013年07月11日
  • 日本近代史

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    坂野潤治著の日本近代史。1857年から1937年の80年間を、「改革」「革命」「建設」「運用」「再編」「危機」という6つの時代に区分して、通観する

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    2013年07月07日
  • 西郷隆盛と明治維新

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    西郷隆盛は「攘夷」論にあまり関心を持たない「国民議会」論者であり、特に「征韓論者」として名を馳せているのだが、明治8年9月の江華島事件を朝鮮を弱国と侮って、長年の両国間の交流を無視した卑劣な挑発と非難しているのである。幕末から明治維新にかけてわれわれが漠然と抱いてきた西郷像はまったくの虚像だったのである。本書では実像に迫るのだが、私には渡辺京二著『維新の夢』で語られている西郷像のほうがおもしろく感じられた。

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    2013年05月18日
  • 西郷隆盛と明治維新

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    著者の「日本近代史」が、時代の分類など、うまく整理がされている良著だったこともあり本著も読むことに。
    西郷隆盛に焦点を当てているとはいえ、基本的には「日本近代史」での論説に沿うもの。
    ・西郷は攘夷を唱えたことはなく、合従連衡により幕府に代わる新体制構築を考えていた。
    ・藩兵の合従連衡が先行し、武力のトップとしての存在が大きくなり、士族の不満を一手に引き受けざるを得なくなってしまった。
    ・西郷は必ずしも「征韓論」を唱えてたわけではない。

    司馬遼太郎曰く、「西郷隆盛ほど説明が難しい人物はない。それは、この時代でしか登場し得ない人物であるから」。
    本著を読んでも本当の「西郷隆盛」が明らかになるわけ

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    2013年05月06日
  • 西郷隆盛と明治維新

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    去年、日本近代史を読んで面白かったので・・・
    坂野さん2冊目・・・

    今回は明治維新の元勲筆頭、西郷隆盛・・・
    西郷隆盛のイメージっちゅーと・・・
    まずは上野公園か江戸城無血開城、征韓論、西南戦争あたりでしょうか?
    チョイと込み入ると、征韓論と西南戦争から軍部独裁やアジア侵略の元祖とか、士族反乱の中心人物ちゅー感じになってるみたいです・・・
    そこで・・・
    坂野さんが意義有り!ちょっとそれは違うんじゃない?と出したのがこの本・・・

    征韓論とは言うけれど・・・
    征韓の急先鋒は板垣退助で、西郷は征韓ではなく、朝鮮への使節派遣を求めたまでで、むしろそれによって急先鋒の板垣を説得、制することにしたまで

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    2013年05月01日
  • 未完の明治維新

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     普段から「明治維新」というのはわかりにくいと思っていた。
     「尊王攘夷」で政権を奪取した政治勢力が、すぐに「開国」をしたり、「征韓論」に反対した勢力が反対派を政権から追い落としたあとに「台湾出兵」を行うなど、歴史上の出来事は分かっていても、なぜそのようなことになったのかの「政治路線」と「現実政治」の関係がどうもよくわからない。
     本書は、明治初期の政治勢力を「大久保利通(殖産興業)」「西郷隆盛(外征)」「板垣退助(議会設立)」「木戸孝允(憲法制定)」と分類し考察している。なるほど、このように解釈すれば当時の状況はある程度わかる。
     しかし、同時にちょっと議論が荒いようにも思えた。本書で扱って

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    2013年01月03日
  • 日本政治「失敗」の研究

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    戦前の日本の民主主義の話。よく知らない時代だが、もっと学ぶべきかも。ロンドン軍縮協定の攻防、天皇側近の敗北と国際連盟脱退、社会大衆党の躍進あたりはわかりやすい。吉野作造の民本主義、広義国防、人民戦線論はまだわからない。 
    なぜ軍を抑えきれなかったについて、議会(政党)は反軍だったが親資本家過ぎたために国民の信頼が得られず軍に負けた、との説明はなるほど。

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    2012年11月14日
  • 明治維新 1858-1881

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    歴史小説ばかりで新書はあまり読まなかったのですが、ちゃんと学び直すつもりで読んでみた。
    藩毎の考察は興味深かった。薩摩のことにもう少し詳しくなりたい。

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    2012年05月12日