坂野潤治のレビュー一覧

  • 日本近代史

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    幕末から第二次世界大戦直前までの政治史についての本。

    高校で世界史を選択した上に、もともと日本史をよく知らないので、本書の理解がほとんどできていない。基礎的な知識がある前提で書かれているので、ある程度の予習が必要だと思う。当時の日記などもかなり引用されているけれど、文体が今と違うので、余計にハードルが高い。

    それでも、幕末から第二次世界大戦までの国内事情の大きな流れは把握できる。
    江戸の身分制度から脱却と、立憲主義・議会制民主主義の建設と運用、崩壊が、1つの流れとして理解できる(ただし崩壊は入口までしか描かれていない)。
    選挙投票率の低下が話題だけれど、今の仕組みを作るまでにどんな試行錯誤

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    2013年01月11日
  • 昭和史の決定的瞬間

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    選挙結果という名の民意から昭和30年代の政治を読み解こうとしているのが面白い。
    社会大衆党の支持が日中戦争の前に厚くなったのは、民主主義への支持というよりも社会主義的な体制への支持や、反既成政党という意思表示だったのだと思う。
    そして民意が求める社会主義的な体制は、総力戦体制を求める軍部と極めて親和性が高かったのだろうと思う。そのシンクロ度合いが軍部をして、戦線の開設と拡大を後押ししたのかなという想像ができる。

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    2012年12月25日
  • 日本近代史

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    薩長同盟、大政奉還などから、日中戦争までの近代史80年間を通して読むことができる。政体の変遷がダイナミックに感じられる。

    議会制民主主義がどのように、この国で育っていったのか。日本の民主主義は、戦後米国という外力によって与えられたものだから、日本人は有権者の意識が低い、という議論を耳にしたことがある。この著作を読む限り、戦前の日本にも、民主主義の獲得、浸透の課程には、それなりのいきさつがあったのだ。

    政権交代に沸いた前回の衆議院議員選挙から一転、今回は投票率が下がり、地域、地元を固めた自民党が、小選挙区で軒並み勝利し、結果として圧勝するという結果であった。確かに民主党に失望したものの、投票

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    2012年12月18日
  • 日本近代史

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    明治維新から第二次世界大戦直前までを六つの時代構成に分けて論じている。様々な登場人物とイデオロギーが浮かんでは消え、近代化から崩壊への80年間の怒涛のような様相をよく表している。日本史の授業中も寝てたから、ようやく歴史を歴史として認識できるようになった。十分、理解できたわけではないが。あとがきには、震災後の現代を戦後直後や明治維新前夜と同じように論じる風潮に対し、筆者は「日中戦争が勃発したころ」に類似していると反論する。その理由は本書をずっと読んでいればわかる。政治が四分五裂している状況は、まさに日中戦争時代の政友会、民政党、社会大衆党、軍部と様々な指導者がいた状況と酷似しているという主張は深

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    2012年11月08日
  • 日本近代史

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    日本近代史の1850年から1940年の90年を、6期(改革期、革命期、建設期、運用期、再編期、危機期、崩壊期)にわけて、通史として述べた本。

    日本史の特に近代史を知っている人にとっては、きっといろいろな史実が関係し、1つの歴史の流れを作っていることに興味がわくとは思うが、自分があまり日本近代史に詳しくなく、新しく知った史実が多すぎて消化不良だった。

    ただし、最後の最近の日本の大地震を1945年の終戦に次ぐ復興と考える人も多いようだが、著者は政治家が小物化した危機期の方が近いのではないかと考えている。「智者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」の言葉のように、歴史をもう少し勉強するべきなのではと感

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    2012年11月05日
  • 日本近代史

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    明治維新から盧溝橋事件までの政治史。一読しただけでは全体の理解に至らなかったので、年表と様々な補足資料を用意して再読しようと思います。

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    2012年11月03日
  • 日本近代史

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    ネタバレ

    1857年から1937年までの日本の歴史分析であるが、実は私はこの時代の歴史を本格的に勉強したことがない。中学では駆け足で通過。高校の日本史の授業はこの時代まで至らなかったのだ。
    とはいえ、登場人物に対するイメージは何となく持っているのだが、本書の分析ではそれらのイメージがことごとく覆されてしまった。特にひどかったのは板垣退助と原敬だ。どちらも偉人に近いイメージを持っていたが、本書によれば、政局で動く今日の「政治屋さん」に近い。まあ、原敬については、日本の鉄道(特に国鉄)の歴史に深く関係する人物であり、イメージの違いは何となく感じてはいたのだが。
    いずれにせよ、政治家とはどのように発想し、どの

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    2012年09月16日
  • 日本近代史

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    幕末から日中戦争の80年を改革・革命・建設・運用・再編・危機の6つに区分して描く。この後「崩壊」の時代が到来する。危機的な現状を「明治維新前夜」と何の根拠もなく騒ぐ風潮を否定し、「昭和維新・崩壊前夜」では、との危機感を呈示する。良い通史書と思う。

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    2012年08月29日
  • 日本政治「失敗」の研究

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    ネタバレ

    【書評】
     筆者は、「平和」「民主主義」「社会民主主義」は戦後60年の日本の浅い「伝統」ではなく、明治維新以来140年日本の「伝統」であることを主張する。本書は、1930年代日本が戦争へ向かう暗黒の時代と描かれる時代を、言わば「敗け組」史観にたって新たに説明する。
     30年代の選挙と社会民主主義勢力の躍進を通して分かるのは、日本の民主主義が発展し、政党政治を通して軍部に抵抗していた事実である。従来の近代日本史では注目されなかった、2.26事件から日中戦争に至る1年半に見られた「不幸な忘却」を解き明かし、日本の「民主主義の伝統化」を目指した書。

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    2012年06月19日
  • 明治国家の終焉 ──一九〇〇年体制の崩壊

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    本著は日露戦争後の桂園時代から大正の政変を経て第二次大隈内閣までの政治の動きを著したもの。
    いわゆる、大正デモクラシー、本格的政党内閣である原内閣までの明治から大正の狭間の時期。藩閥vs政党、薩閥(海軍)vs長閥(陸軍)、対官僚、予算を巡っての権力闘争、駆け引きが詳細に描かれており、興味深い。
    ある意味で幕末時の勢力図をそのまま引きずっているともいえ、本著のタイトルである「明治国家の終焉」へ繋がってくる。

    大正デモクラシー、昭和へ向かう時代の狭間で、なかなか理解し難い時期ではあるが、本著を読むことで、その時代の閉塞感、大正維新への期待感が、新たな時代を切り開くことへの起爆剤になっていたことが

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    2012年05月03日
  • 明治国家の終焉 ──一九〇〇年体制の崩壊

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    日露戦争終了から第一次世界大戦勃発まで9年間の日本の議会と内閣の揺らぎの状況が、まさに昨日の記事を読むような印象を与える硬質な雰囲気で記述されていく。日露戦争に勝利した日本は、さらに軍備をはじめ、種々国家インフラを整備するために財政が膨れる傾向にあった。にもかかわらず、日露戦争の戦費を支えるために税を厳しくしていた反動で増税は政治的に極めて困難な状況だった。今までと同じような成長軌道を見出すことが困難になった日本は、藩閥政府の体制からデモクラシーの方向へ、明治から大正へと秤動していく。今、現在と何か似ているではないか。

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    2018年10月20日
  • 明治維新 1858-1881

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    [ 内容 ]
    西郷隆盛、大久保利通、木戸孝允、板垣退助―途上国を一等国に導いた指導者を分析する。

    [ 目次 ]
    第1部 明治維新の柔構造(明治維新というモデル;柔構造の多重性;明治維新の指導者たち;政策と政局のダイナミズム)
    第2部 改革諸藩を比較する(越前藩の柔構造;土佐藩の柔構造;長州藩の柔構造;西南戦争と柔構造;薩摩藩改革派の多様性と団結;薩摩武士の同志的結合;柔構造の近現代)
    第3部 江戸社会―飛躍への準備(日本社会の累積的発展;近代化の前提条件;幕末期の政治競争とナショナリズム)
    「富国強兵」「公議輿論」という複数の国家目標はなぜ実現できたか?途上国ニッポンを一等国に導いた指導者を

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    2010年11月26日
  • 昭和史の決定的瞬間

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    [ 内容 ]
    民政党議員だった斎藤隆夫の「粛軍演説」は、軍部批判・戦争批判の演説として有名である。
    つまり、輸出依存の資本家を支持層に持つ民政党は、一貫して平和を重視していたが、本来は平和勢力であるべき労働者の社会改良の要求には冷淡だった。
    その結果、「戦争か平和か」という争点は「市場原理派か福祉重視か」という対立と交錯しながら、昭和11・12年の分岐点になだれ込んでいく。
    従来の通説である「一五年戦争史観」を越えて、「戦前」を新たな視点から見直す。

    [ 目次 ]
    プロローグ―「昭和」の二つの危機
    第1章 反乱は総選挙の直後に起こった(前史としてのエリートの二極分裂 総選挙と二・二六事件)

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    2014年10月27日
  • 明治維新 1858-1881

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    明治維新に関するおススメ本として友人に教えて貰ったもの。
    なぜ明治維新は成功したのか、他の後進国の開発独裁型統治とは何が違うのか、という視点から雄藩間のやりとり、方針転換などの有様を分析し、この革命(?)の「柔構造」を解読する。
    専門外の本ながらわくわくして読んだ。明治維新はひとりの人間の力で成るものではなかった。しかしその一方で確かにひとりひとりの人間の行動が近代日本を作ったのだなぁと思う。

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    2010年08月02日
  • 未完の明治維新

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    [ 内容 ]
    明治維新は尊王攘夷と佐幕開国の対立が一転して尊王開国になり、大政奉還の後に王政復古と討幕がやってくるという、激しく揺れ動いた革命だった。
    そのために維新が成就した後、大久保利通の殖産興業による富国、西郷隆盛の強兵を用いた外征、木戸孝允の憲法政治への移行、板垣退助の民撰議院の設立の四つの目標がせめぎあい、極度に不安定な国家運営を迫られることになった。
    様々な史料を新しい視点で読みとき、「武士の革命」の意外な実像を描き出す。

    [ 目次 ]
    第1章 明治維新の基本構想
    第2章 幕府か薩長か
    第3章 大蔵官僚の誕生
    第4章 三つの「官軍」と「征韓論」
    第5章 木戸孝允と板垣退助の対立

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    2014年10月27日
  • 未完の明治維新

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    今まであまり読んだことのないジャンルで、そこそこ面白かった。明治の群像を主張別にカテゴライズして、そのバランス推移をたどる手法は、明快。

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    2018年10月14日
  • 未完の明治維新

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    真新しい情報がありました。補助に入っている資料の相関図の西郷、大久保、木戸、板垣の関係が面白いです。

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    2009年10月04日
  • 日本近代史

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    日本近代(1857-1937)をおよそ10〜20年ごとの区切りで6段階に分けて通史で描いた本です。著者は政治史を専門にしており、歴史的な事件をやや政局的に(人物同士の対立や構図化して)捉えるのが得意です。
    ポイントでは評価に首を傾げる点も見られましたが、主要な近代政治史的な論点を掴める一冊と思います。

    本書の重要な論点は「明治維新」もあったけど「昭和維新」もあったというところです。しかしそれは政治体制の危機に対して「革命」より「崩壊」を迎え、日中戦争と第二次世界大戦の敗北へ至りました。何か国難が起これば自動的に明治維新や戦後改革が起きるみたいなことは歴史上ないんだ、と帯にある通りです。

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    2024年09月23日
  • 明治憲法史

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    84ページの高橋是清の提案内容には驚いた。
    戦前では私たちが日本史の授業で学ぶ印象より自由主義についても議論されていた。
    国民が自由主義とデモクラシーを自発的に放棄したという小見出しが印象的だった。

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    2024年07月25日
  • 明治憲法史

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    本書は日本近代政治史の泰斗で昨年逝去された坂野潤治氏の遺著であり、辛口の批評は忍びないのだが、学ぶところは多々あるものの、全体としてはかなり一面的な書物と言わざるを得ない。

    著者は二大政党制を前提とする所謂「ウェストミンスター型議院内閣制」をかなり美化しているようだが、近年の比較政治制度論の成果を全くふまえない、相当古臭い政党システム理解である。二大政党制を採用しない国はいくらでもあるが、こうした国々では立憲主義が機能してないとでも言うのだろうか?我が邦でも、小沢一郎が主導した政治改革(=小選挙区制)によって実現した周回遅れの二大政党制がどんな結末をもたらしたかを見れば、思い半ばに過ぎるだろ

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    2023年12月31日