坂野潤治のレビュー一覧
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1864年の勝海舟・西郷隆盛会談を始点とし、1880年の地租米納議論を終点とする幕末維新期政治構想小史。「富国(殖産興業)」「強兵(外征)」「立憲制」「議会制」の4つの構想をめぐる抗争と挫折を描く。先行研究を比較的軽視していること、伝記史料を多用していることが特色。個別の論点・論証には疑問あり。特に1880年を終点としているため、翌年の「明治14年政変」への見通しを全く欠いているのは問題である(本書では大久保利通や大隈重信ら「富国」派は立憲制導入に消極・批判的であったと評されるが、その「富国」派の大隈がなぜ立憲論で急進化して政変を引き起こしたのか不明)。
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Posted by ブクログ
・明治革命は、複数の目標、「富国強兵」と「広議輿論」の二項目、の並列的競合、リーダー間の合従連衡およびリーダーだちによる目標の優先順位の自由な変更を通じて達成された。東アジア型開発独裁のスタイル、つまりカリスマ的リーダーは上意下達するスタイルではない。
また、リーダーグループ間の柔軟な連携の組み換えが特徴であるとする。
・「翻訳的対応」:明治日本の国際統合が成功した理由は、それが国際社会への受動的な「組み込まれ」ではなく、能動的な「翻訳的適応」として実行されたからである。つまり、自国の主体性、社会の連続性、国民の自尊心、および民族のアイデンティティの持続を確保しなければならないのである。
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