佐藤直樹のレビュー一覧
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めちゃめちゃわかりやすい、そして面白い。
東京藝大の美術学部の佐藤教授の
西洋美術史概説Ⅲの講義の半分ぐらいの内容だそうだ。
以前読んだ『東京藝大で教わる西洋美術の見かた』の続き。
おもろいっ
古典主義の誕生、ヴィンケルマン古代受容、
アポロ主義、ラファエッロ主義、メンケス
版画、アルブレヒト・デューラー、
ウィルヘルム・ハマスホイ
ヘレン・シャルフベック
「アウラ」
西洋美術の革新と退廃
ディレッタント
カスパー・ダーウィド・フリードリヒ
ペーター・コルネリウス
オスカー・ココシュカ
日本と西洋
アンリ・ヴァン・デ・ヴェルデ
ヘレン・シャルフベック
アビ・ヴァールブルク世界美術史 -
Posted by ブクログ
学生時代「美術館でぇと」を断ってしまった後悔から、上野が徒歩圏であることもあり美術館通いを始めて数十年。
この本では初見の先品も多くなく、自分にとって興味の対象外である印象派が全く、近代現代がほとんど取り上げられていないことも幸いして「藝大の講義」全15講が楽しく読めた。
西洋美術を見る・理解するには背景となる歴史や宗教、他の時代や他の作家との関連、等々広い知識があるほど楽しめる。
この本は参照先の頁表記や画像の他頁再掲載など親切で、参考文献や掲載作品リストも付いていてとても良い。
絵の大きさが書かれていたら更に良かった。
通史ではないと断っているが章立ては時代順だから結果、美術史としてとらえ -
Posted by ブクログ
絵とか芸術って感性で見るもんでしょ、とこの本を読むまでは思っていた。
だから、感性がないとどうしようないんだと。
この本を読んでから、美術を見るのってこんなにおもしろいのか、と驚いている。
とりあえず、もっといろいろと知って、美術館へ行ったり、画集を見たりしたくなった。
この本ではルネサンスを土台として、美術史も踏まえながら、タイトルのとおり西洋美術の見かたを教えてくれる。
絵画が多く扱われているのだけれど、絵画にしても何にしても、芸術作品は単体で見てもその真価はわからないんだと思った。
1つの作品が出来上がった背景には、作家が参照している作品や人間関係、歴史など、いろいろとわかっているから -
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日本社会には「社会」というものはなく、過剰に忖度し自主規制するシステムである「世間」しか存在しない。キリスト教という一神教(→イスラム教も一神教である)が社会の下地にあり、「個人」というものが確立している欧米社会では「社会」が存在するが、「個人」というものを認めず「世間」というものが同調圧力によって人々を支配する日本社会には欧米社会でいうところの「社会」が存在しない。
本書は日本社会(←世の中という意味での社会)において新型コロナ下でさらなる息苦しさを感じている全ての人々に知見を与える内容の一冊です。
本書の記載内容にも関連しますが、先日一年間延期された東京五輪が何とか開催され、日本人選手から -
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先日、不本意ながら謝るという出来事があった。そこから学んだことも多かったんだけど、そもそも謝る、謝罪って何なのだろうと思い、タイトルに「謝る」という言葉が入っているこの本を見つけた。
日本の独特な「世間」のことを書いている。日本には欧米的な「個人」や「社会」がなく、その代わりに「世間」があると。そこでは絶対的な基準がうやむやにされている。謝れば許すのが日本の「世間」であり、それは言い換えれば、謝らなければ村八分になるということ。だから、空気を読んでとりあえず謝れば罪がないことになったり減刑される。読んだことはないのだが、日本に「甘え」の構造を見出した名著があったけど、それと同じようなことを言っ -
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世間の「ゆるし」に腹が立ちつつも自分はどこか甘えている。
都合よく期待している。「起訴便宜主義」
はずされたくないから擦り寄る気持ち悪さ。暗黙の了解。
おかしいとは思いつつも世間とはそんなものと割り切れる日本人。
著者のいう「世間-内-存在」による「ゆるし」、「世間-内-存在」が
「はずし」たら「世間-外-存在」で孤立して生きていけない日本。
IT世間、10代、学生にSNSが浸透する理由、自殺者が減らない
こと。
世間が我がことのように論評し、世論を形成すること。
「共通の時間意識」から生じる同情と共感。
「謝罪」というおまじない。呪術。
「世間に流されないようにしないといけない」とは誰が言