佐藤直樹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ佐藤先生の新作だ!
今作も相変わらず面白いなー。平易な語りから奥深い考察が見えて満足。
特に面白かったのは「イメージはどう伝播するのか?」かな。
例え事実と異なっても、人にそれを真実と思わせるだけの力。
例え作者の思い描いた形でなくても、モノクロ写真からのみ得られるイメージ。
こういった部分は(おそらく)作者の想定した作品の受け取り方ではないんだけど、そんな「勘違い」から新たな”美”が生まれる不可思議さ。
私たちはどのように作品から”美”を受け取るべきなのか?という問いを突き付けられているようだね。
まぁ話の本筋はあくまで西洋美術史なので、誰が誰からどのように影響を受けたのか、というのが主 -
Posted by ブクログ
絵をなんとなく見るのではなく、こういうところに注目すると面白いのか、という見方が広がる本。
一冊読んだくらいでは身につかないけれど、画家が絵に込めた企みが分かると確かに面白い。
ここをとっかかりに色々調べてみても面白そうと思えた一冊。
突然ポンと名作が生まれる訳もなく、誰かの絵があってそれを真似し真似されて作られていくんだな、と当たり前のことだけど意識してなかったので新鮮。
時代背景や流行もあって、そういうものから超然として描くわけではないのだから、やはり何らかの影響が見て取れるのは当たり前。
知っていれば絵を見るのがもっと面白くなるということはたくさんあるのだろう。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ内容は専門的で少し難しいが、カラーの資料も充実していてとても楽しく読める。
全てのものがそうだか、歴史が連綿と受け継がれていることを改めて実感。
今まで専門的には学んでこなかった領域であり、もっと早く知りたかったなぁと思いつつも、これからもっと深めて行きたいと思う。
特に興味深かった作品。
デューラー 毛皮の自画像
瞳の中まで光を書き込んだことにゾッとした。
カラバッジョ 病めるバッカス
病んでいるのに笑っているような見ていても不安になる
ゲインズバラ ブルーボーイ
思わず声がでた、かっこよ…と。
ミレイ オフィーリア
迫り来る死の気配に背筋が凍る
レノルズ
ペネロピーブーズビー
かわいいけど -
Posted by ブクログ
COURRIER JAPON
著名人の本棚
石倉洋子さんの推薦図書より
「いろんな「世間」とつながるということ。〈世間‐間‐存在〉を意識して、少しでも「世間」に風穴をあけてほしい。そうなれば、もう少し自由闊達に生きることができるんじゃないかと思います。」
これは窒息しそうなくらい息苦しい日本に生きていて、
中学生くらいの時からずっと考えていた、私の人生の指針である。
なぜ、いじめやひきこもりや自殺が起こるのか、
なぜ、異様に偉そうに振る舞われ、理不尽な関係を要求されるのか、
どうすれば防げるのか、をずっと考えていて、到達した答え。
的確な言語化に感謝したい。
複数の集団やコミュニティに属 -
Posted by ブクログ
阿部謹也さんを読んできて、
鴻上尚史さんを読んできて、
そのままの流れで
本書にたどり着いている
第四章からの
ー(「世間教」の弊害に)気付いたみなさん!
なんとか生き延びていこうではありませんか
とりあえず 自分の周りから!
と勝手に要約してしまいましたが
佐藤直樹さんの言葉に
はげしく頷いている方は
第五章の「世間教」とうまくやっていく
方法のいくつかを 既にされておられる方たちで
しょうが
ぜひ 次の人にも
伝えていきたいものですね
今でも マスクをしたまま 犬の散歩を
しておられる人たちの多さに驚く
今日このごろに 思うことです