【感想・ネタバレ】東京藝大で教わる西洋美術の見かた 基礎から身につく「大人の教養」のレビュー

あらすじ

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本書は、東京藝術大学で実際に行われている講義に基づいて作られた西洋美術の入門書です。通史的に作品を概説するのではなく、著者の視点で選んだ個々の作品について、そこに込められたメッセージをわかりやすく読み解きます。クローズアップや補助線の導入など、読者の理解を助けるビジュアルも多用。楽しみながら、知らず知らずのうちに鑑賞眼が鍛えられることを意図しています。カルチャー・センターなどでは学べない作品も多数掲載。

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Posted by ブクログ

いわゆる西洋美術史の通史として扱うには変化球気味なので、西洋美術史をざっくり知りたい一冊目に選ぶのはおすすめしない。他方で、西洋美術史って印象派とかのアレでしょ、といった向きにはこちらはオススメ。印象派は基本的に扱われていないが、西洋美術の作品をどう見るか、という見方は汎用的・多角的に取り扱われていると思った。西洋美術史入門の2歩目あたりに適切と思う。

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2024年07月15日

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学生時代「美術館でぇと」を断ってしまった後悔から、上野が徒歩圏であることもあり美術館通いを始めて数十年。
この本では初見の先品も多くなく、自分にとって興味の対象外である印象派が全く、近代現代がほとんど取り上げられていないことも幸いして「藝大の講義」全15講が楽しく読めた。
西洋美術を見る・理解するには背景となる歴史や宗教、他の時代や他の作家との関連、等々広い知識があるほど楽しめる。
この本は参照先の頁表記や画像の他頁再掲載など親切で、参考文献や掲載作品リストも付いていてとても良い。
絵の大きさが書かれていたら更に良かった。
通史ではないと断っているが章立ては時代順だから結果、美術史としてとらえる事が出来る。
ただ、帯の「これが藝大の美術史だ」はちょっと煽りすぎ。

1.古典古代と中世の西洋美術
2.ジョット
3.ロベルト・カルピン
4.ファン・エイク兄弟
5.ラファエッロ
6.デューラー
7.レオナルド
8.カラヴァッジョ
9.ピーテル・ブリューゲル父
10.ゲインズバラとレノルズ
11.ナザレ派 プフォルとオーヴァーベック
12.アングル
13.ラファエル前派
14.シャルフベックとハマスホイ
15.ヴァン・デ・ヴェルデ

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2024年05月19日

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絵とか芸術って感性で見るもんでしょ、とこの本を読むまでは思っていた。
だから、感性がないとどうしようないんだと。
この本を読んでから、美術を見るのってこんなにおもしろいのか、と驚いている。
とりあえず、もっといろいろと知って、美術館へ行ったり、画集を見たりしたくなった。

この本ではルネサンスを土台として、美術史も踏まえながら、タイトルのとおり西洋美術の見かたを教えてくれる。
絵画が多く扱われているのだけれど、絵画にしても何にしても、芸術作品は単体で見てもその真価はわからないんだと思った。
1つの作品が出来上がった背景には、作家が参照している作品や人間関係、歴史など、いろいろとわかっているからこそ見えてくるものがある。
作品内のモチーフの見方など、丁寧に美術の見方を教えてくれる本になっていた。

自分にとっては、新しい世界を開いてくれる本になった。

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2024年01月10日

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自分の中では、今まで通り過ぎていた分野の観賞方法について面白く解説されていたので、今度美術館に行った時にはもっと注目してみようと思った。

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2023年01月03日

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絵をなんとなく見るのではなく、こういうところに注目すると面白いのか、という見方が広がる本。

一冊読んだくらいでは身につかないけれど、画家が絵に込めた企みが分かると確かに面白い。
ここをとっかかりに色々調べてみても面白そうと思えた一冊。

突然ポンと名作が生まれる訳もなく、誰かの絵があってそれを真似し真似されて作られていくんだな、と当たり前のことだけど意識してなかったので新鮮。

時代背景や流行もあって、そういうものから超然として描くわけではないのだから、やはり何らかの影響が見て取れるのは当たり前。
知っていれば絵を見るのがもっと面白くなるということはたくさんあるのだろう。

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2025年10月13日

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本書にある
「美術史を時代順にやっても意味がない」を
体感する“本書”。
と言いながらも時代順に並んではいる。
そのため、内容がスッと頭に入ってくる。

好きな時代はあるのだが、
その他の時代も好きになる“本書”だった。

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2025年07月17日

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ネタバレ

内容は専門的で少し難しいが、カラーの資料も充実していてとても楽しく読める。
全てのものがそうだか、歴史が連綿と受け継がれていることを改めて実感。
今まで専門的には学んでこなかった領域であり、もっと早く知りたかったなぁと思いつつも、これからもっと深めて行きたいと思う。
特に興味深かった作品。
デューラー 毛皮の自画像
瞳の中まで光を書き込んだことにゾッとした。
カラバッジョ 病めるバッカス
病んでいるのに笑っているような見ていても不安になる
ゲインズバラ ブルーボーイ
思わず声がでた、かっこよ…と。
ミレイ オフィーリア
迫り来る死の気配に背筋が凍る
レノルズ
ペネロピーブーズビー
かわいいけど、それを書き写す画家の視線が冷たく感じられる
シャルフベック 快復期の子
植物が生命力を象徴している
ハマスホイ 陽光習作
1番ホラー ドアノブのないドア怖い

いろんな人がいろんなものに影響し合って新しい芸術は作られる。その流れみたいなものは決して予測できない。どからこそ面白いのかな。

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2025年01月19日

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背景や見方を知ると美術は楽しめると言われているので手に取ってみた。内容がコンパクトで、類書よりも写真が多いので、とっつきやすいと思う。

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2024年07月02日

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イタリア、ドイツ、北欧中心の美術。モチーフ、画面構成、色使い、光の当て方が過去の作品を基に、真似ながらも変化していった様子がよく分かります。美術の進化論みたい。新しくなりながらも、ある時点ではその反動で古きに戻る。ファッションですね。絵も綺麗で見やすく、説明も分かりやすい良書でした。

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2024年04月10日

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タイトル通りで、西洋美術の見かたを、わかりやすく教えてもらえる。それぞれの作品に過去や同時代の画家の引用を見出し、それらを、具体的な図版を本当に見やすく丁寧に提示しながら、解説してくれている。中世的な絵画観とルネサンス的な絵画観のせめぎ合いとか北欧絵画とかに興味がわいた。

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2024年02月21日

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知った気になれて、良い気分です。
思い違いでしょうか?

国内だけでなく、国外の美術館に足を運ぶことが好きなものの、特に美術史の教養もないので、これまで漠然と鑑賞していた。
この本は難解な表現がなく、とても読みやすい。
また大学の授業のように15回分の構成であること、時代順ではない美術史というのも読み進めるのに効果的。

少しでも美術の教養が身についたことで、今後の美術鑑賞がより面白くなりそう。

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2023年01月09日

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MET展、行く前にある程度読んでいて良かったですわ。。。
昔の絵には現在で言うところのあらゆるメディアの役割を担っているもんだから、その読み方には詰まるところ鑑賞者の知性が問われる訳でして、当方、こっそり見るしか致し方なく。でも、思いましたもん、シスレーが幼稚に見えたもんです。。。ちょっとびっくりしました、正直。
美術の見方についてはもっと習得すべきこと満載、ニートには持ってこいです。

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2022年04月16日

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点と点でしかなかった作品たちを結びつけることで
新しい考え方、見方が立ち現れて来る瞬間があってびっくりした
紹介される作品にはポピュラーな作品は少ないですが、
だからこそ0の状態から作品に向き合うことができます

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2022年01月19日

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解説を聞きながら絵画鑑賞していると、作品と作品の関連性に気付かされる、という感じ。
またゆっくり読みたい。

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2022年01月15日

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佐藤先生の解説で本の中の作品を鑑賞できる。
退屈で違いのわからなかった古代から印象派以前の芸術が初めて楽しめた。

前書きに「時代順に作品をならべていく通史的な見方をとらない本書は、私の興味に「偏った」作品選択がなされています。バランスよく作品を知るより、個々の作品に対する具体的なアプローチを学んだほうが、実は芸術鑑賞のコツを得るには手っ取り早いのです。(中略)つまり本書は、西洋美術鑑賞の実践のためのテキストブックなのです。」と書かれていたけれど、まさにその通りでした。

長い歴史が凝縮されていて予備知識がない私には充分に読み込めなかったので星4つとしましたが、2022最初のガッツリ読書で良い本に巡り会えました。

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2022年01月10日

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ネタバレ

死ぬまでに見ておきたい
 1.モナリザ、2.システィーナ礼拝堂壁画
 3.ファン・エイク兄弟「ヘント祭壇図」 ベルギー シントバーフ教会 15C
  額縁も柱としての絵画の一部 現実と絵画の橋渡し

レンブラント「聖家族」最初からカーテンが描き込まれているだまし絵 17C
ルネサンス 理想の美 現実世界と分けるカーテン 16C
バロック 現実世界のリアル カーテンは画面の奥に カラヴァッジョ 16C末

ファンシーピクチャー 英国 18C レノルズ
ナザレ派 ドイツからローマへ 19C
光学機器 カメラ・ルチダを使って視覚像をトレース ラインハルト

ラファエル前派 わざとらしさ ラファエッロ批判
 オフィーリア 死体モチーフ
不安
 ミレイ「目覚め」「快復期」 ムンク「思春期」「病める子」
 ハマスホイ「室内、ストランゲーゼ30番地」「白い扉、あるいは開いた扉」

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2022年01月03日

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ネタバレ

西洋美術を横断的に捉えた本。ナザレ派、ラファエル前派など、美術に詳しい人でないと知らない単語が盛りだくさん。

それでも私には、とても面白かった。出来れば、取り上げた絵画、建築、写真を別冊資料集にして欲しいくらい。

特に印象的だったのはダ・ヴィンチの「ウィトルウィウス的人体」をデューラー自身も作成していたこと。デューラーはダ・ヴィンチと交流がなく、イタリアの工房では秘密にされていたもの。デューラーは古代の参考になる彫像なく、独学で理想的人体比を研究していたことになる。分野は違うが、「収斂進化」という言葉が頭に浮かんだ。
ルネサンスが明るく開放的なイメージとはかけはなれたものであったことも驚き。

またブリューゲル(父)の絵画の視点の定まりにくさを「染み」が散らばることで定まりにくさを理論的に説明したゼードルマイアの研究には至極納得。「イコノグラフィー研究」(描かれているモチーフひとつひとつの意味を研究する)なんて、なんて楽しそう❗ブリューゲルは、その研究では最高では?

イギリス絵画の「ファンシー・ピクチャー」も楽しい。可愛らしいものがいっぱい。でも腕の開きかたで性的な意味を込めている、と断じるのは何故?もうグルーズさんは、そのような絵しか描かないと思われていたのだろうか。

フェルメールが使っていたと言われるカメラ・オブスクラ。18,19世紀には明るい部屋でも使えるカメラ・ルチダが販売され、それを使う英国人が揶揄されている。新しい機器が出現した時は古いほうに肩入れする人が一定数いる。なんだか現代でもありそう…

本当に勉強になる本だった。来月は絵を見に行こう。

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2021年11月27日

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入門書となっていますが、芸術について造詣のない身としては少々難しいです。

通常の作品を紹介する本とは違い、作家同士の繋がりや影響、人生的なところまで、確かに講義だなぁと思います。

ゲインズバラ、レノルズ、ロセッティ、ミレイは興味深く読み返しました。

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2021年10月13日

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作品を見ながら、作家間の影響を紐解いてくれるのでとても興味深い。同じ絵を部分アップを含めて、複数ページに掲載してくれるのもとても親切で、指を挟んで前のページに行かなくて済む(笑)

このタッチで、印象派など今回取り上げなかったジャンルの続編に期待。

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2021年09月11日

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タイトルにある「西洋美術の見方」からは、印象派をはじめとする、誰もが知る画家や作品をとりあげてその見方を開設する本だろうと思うのが通常だと思うが(私もそう思っていた)、本書では印象派については一切出てこず、誰もが知る作品としては「モナリザ」のみ。

古代ギリシャの彫刻から中世の西洋美術がどのような影響を受けたのか、とかそこから発生したルネサンスが切り開いた表現の方法、古典主義とロマン主義を経てモダニズムまでの流れ等々を、ジョット、ファン・エイク、ラファエッロ、デューラー、ダビンチ、レノルズ、ミレイ他、一般的には無名か、あるいはあまり有名でない作者の作品を取り上げながら、時には相互の関連も含め体系的に紹介している。

作品の写真も豊富で、注目ポイントも拡大したり、あるいは矢印や丸で囲う等、わかりやすくかつ見やすく配置されている。
加えて本文中で別章で紹介されている作品に言及する際には、それが掲載されているページ数も記してあるので、すぐに探せるところも配慮が行き届いている。

世に多くある西洋美術の見方については、それはそれで重要かつ有用なものであることは間違いないが、本書のようなそれらとは異なる独自の視点で、他作家からの影響にも言及した解説も併せて知ることで、両者が相互補完的な働きをし、西洋美術の見方がより立体的になるのでは、と思った。

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2021年08月19日

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西洋美術の歴史と技法を大まかすぎず、細かすぎず解説している点が良かった。が、西洋の歴史とキリスト教の基礎知識がないとちんぷんかんぷんかもしれない。
イタリアに始まり、ネーデルランド、ドイツ、北欧、英国、フランスなどヨーロッパ広範囲を取り扱っているため、西洋美術を包括的に学べて良かった。

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2024年05月08日

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作品の意図を時代背景から合わせて説明されていてとても丁寧に解説されていると思う。が、美術の解説本をはじめて読み、歴史の知識も薄いわたしには少し難しかったです、、絵画って勉強してみると面白そう!とは思いました。

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2023年05月09日

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絵がたくさん挿入されているので、じっくり観ながら理解を深めることができた。
脈々とつながっていく様がわかって面白い。

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2023年02月20日

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2022.08.11 なかなかマニアックでやはり難しい。
これまであまり聞いたことのない画家が色々出てくる。北方ルネサンスとかイギリスとか北欧とか。勉強になりました。

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2022年08月11日

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レオナルドダヴィンチは天才であることを再認識。カラバッジョは死刑宣告を受け逃亡生活を送りながら、円熟期を迎えたのも印象的。

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2022年01月29日

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本書は「はじめに」でも記載されている通り、一般的な入門書では飽き足らない人を対象に、東京藝大の講義と同等レベルの内容となっている。
従って「美術史」と言っても時代順に流れを学べるような通史ではなく、作者の興味に偏った作品が選ばれており、それらの個々の作品jから美術鑑賞のコツを教示している。
とはいえ、作品間でどのような影響を与えたり、与えられたりしたのかまで解説されているので、作品単独の視点だけでなく、作品間の影響を鑑賞するコツにも触れている。
繰り返しになるが、通史ではないので美術史全体の流れを眺めるというよりも、各作品や作者がどのような影響を受けて、その作品が描かれたのかを鑑賞するための目を養うための教本である。

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2021年12月19日

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ルイスキャロルは、小児性愛者だったってことなんだろうか…。当時としては性的な表現も含まれているようなものも含めて、女の子の写真を沢山撮ってたの気持ち悪い。

何かしらの知識があれば、それを手がかりに絵を見れば面白くなるよってことなのかな。
絵の解説自体は、分かりにくかった。というか、あまり興味が湧かなかった。

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2021年11月26日

購入済み

具体から抽象におとせる

マニアックな事象から大まかな法則がわかる

#シュール #タメになる

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2021年10月12日

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初学者がいきなり興味本位で手に取って読んでみた。初見の名前、作品がガシガシ登場するので追いつくのが大変。本当に理解するためには5回くらい一言一句にかじりつく必要がありそう。

フルカラーで作品が載っていて、かつ解説ポイントも示されているので、それでもかなり分かりやすいと思う。

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2021年09月20日

Posted by ブクログ

芸大生ってこういう勉強をするのか。
知らない画家や作品に触れることができたのはこの本ならでは。

やっぱり目を奪われるのはカラヴァッジョ。
どの美術本を見ても変わらない!

あとデューラー。
デューラーの自画像は何で一度見たら忘れられない程印象に残るんだろうと思っていたが、それが少し分かったような気がする。

美術史やアカデミーなどの知識がほぼない私には高度な一冊だった。

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2021年08月09日

Posted by ブクログ

よくみる西洋画の「ストーリー」の解説を期待して読みましたが、「画法」の解説でかなり消化不良でした。藝大ってこういうこと教わるんだ…と異世界をみた気持ちになりました。

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2021年07月27日

購入済み

入門編にはおすすめしません

 完全にタイトル詐欺です。この本を読んでも西洋美術の鑑賞法や歴史は学べません。藝大の大先生が自分の好きな芸術家について散漫に語るだけです。
 藝大ならではの着眼点とやらも平凡で、特に新鮮味はありませんでした。藝大ってこんな講義に税金使ってるんですか?

 最低でもゴンブリッチ卿の「美術の物語」を読了していないと内容も論点もサッパリだと思います。

 各章の繋がりも希薄であり、講義というより随筆集という感じ。特に、(本書では)ちょろっと関連性のあるだけのバウハウスに至っては蛇足感が否めません。

「藝大生なら美術史の概要ぐらい知っている」と御高説を宣っていますが、こんな適当な講義で済ませて体系だった美術史観を教えられないから、藝大出身者が大衆に西洋美術を啓蒙できていないのだと思います。

 ただ、前提となる知識があるならオルタナティブ美術史としてそこそこ面白いのでお金に余裕のある方はどうぞ。

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2021年10月02日

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