• 東京藝大で教わる西洋美術の見かた 基礎から身につく「大人の教養」
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    入門編にはおすすめしません

     完全にタイトル詐欺です。この本を読んでも西洋美術の鑑賞法や歴史は学べません。藝大の大先生が自分の好きな芸術家について散漫に語るだけです。
     藝大ならではの着眼点とやらも平凡で、特に新鮮味はありませんでした。藝大ってこんな講義に税金使ってるんですか?

     最低でもゴンブリッチ卿の「美術の物語」を読了していないと内容も論点もサッパリだと思います。

     各章の繋がりも希薄であり、講義というより随筆集という感じ。特に、(本書では)ちょろっと関連性のあるだけのバウハウスに至っては蛇足感が否めません。

    「藝大生なら美術史の概要ぐらい知っている」と御高説を宣っていますが、こんな適当な講義で済ませて体系だった美術史観を教えられないから、藝大出身者が大衆に西洋美術を啓蒙できていないのだと思います。

     ただ、前提となる知識があるならオルタナティブ美術史としてそこそこ面白いのでお金に余裕のある方はどうぞ。

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    2021年10月02日
  • 現代アートとは何か
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    文量に比して情報が少ない。

     「現代アートとは何か」を標榜しながら、蓋を開ければwikipedia からコピペしたような人名の羅列に終始し、紹介される作品も大半が画像の掲載がないため、何がなんだかさっぱりです。
     文章構成が滅茶苦茶(本題なのに、後述するが~が多い)で読みづらいことに加え、筆者の自己陶酔とエリーティズム溢れた文章は読んでいて不快ですらあります。
     肝心の観賞法についてもフワッとしたものであり全く役に立ちません。タイトルとは裏腹に、市民の感受性を啓蒙しようとする意思は全く感じられませんでした。
     逆に、筆者自体がアート業界(自分)を特別視し、民衆は黙って口を開けていろという本心は端々から透けて見えます。芸術家でもない分際で滑稽ですね。

     同じ内容なら「教養としてのアート 投資としてのアート」の方が遥かに短く理路整然としているので、そちらをおすすめします。

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    2019年10月11日
  • 神と仏の出逢う国
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    出来の悪いエッセイ。

    この本を読んでも、神仏習合について何もわかりません。

     文章は散漫、論理的構成に欠ける上に、不要な引用(しかも長い)が多く脱線ばかりで本筋に関わる説明が殆どありません。
     本文中には「神神習合」や「吉田神道」など目を引くキーワードはなんども出てきますが、その度に話が逸れるのでイライラします。
    ただ単に、自分が語りたいことを書き連ねているだけであり、居酒屋でおっさんの長話を聴いているようです。

     同じページでも内容が重複している文章が散見され、とても推敲したとは思えません。締め切り前に書きなぐった学生の期末レポート以下です。まさに、論文の教科書で語られる駄目な学生論文の典型でした。
     
     他の方のレビューでは、後半は雑学的な内容になる、とありましたが、その価値すらありませんでした。急に、好きな小説の話を始めたときは正気を疑いました。単なるエッセイを買ってしまった私が悪いのですが、ここまでとりとめもないと、読んでて不快になるレベルです。

     断っておきますが、決して神道自体が学術的な記述にそぐわないのではありません。私は依然、春日大社の大権宮から神道に纏わる講話を聴いたことがありますが、内容は論理的かつ精神世界に関する深い洞察に満ちていました。

     そもそも筆者自体が「徳川幕府がキリスト教を弾圧したのは、その思想が体制を揺るがしかねないため」などという中学生向けの方便を真顔で語るレベルの見識なので、真面目に知識を深めたい方には無用の書物です。

    知識を深めるためのキーワード集めとしては役に立ちましたが、正直損した気分です。

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    2016年12月12日