【感想・ネタバレ】東京藝大で教わる西洋美術の見かた 基礎から身につく「大人の教養」のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

死ぬまでに見ておきたい
 1.モナリザ、2.システィーナ礼拝堂壁画
 3.ファン・エイク兄弟「ヘント祭壇図」 ベルギー シントバーフ教会 15C
  額縁も柱としての絵画の一部 現実と絵画の橋渡し

レンブラント「聖家族」最初からカーテンが描き込まれているだまし絵 17C
ルネサンス 理想の美 現実世界と分けるカーテン 16C
バロック 現実世界のリアル カーテンは画面の奥に カラヴァッジョ 16C末

ファンシーピクチャー 英国 18C レノルズ
ナザレ派 ドイツからローマへ 19C
光学機器 カメラ・ルチダを使って視覚像をトレース ラインハルト

ラファエル前派 わざとらしさ ラファエッロ批判
 オフィーリア 死体モチーフ
不安
 ミレイ「目覚め」「快復期」 ムンク「思春期」「病める子」
 ハマスホイ「室内、ストランゲーゼ30番地」「白い扉、あるいは開いた扉」

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2022年01月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

西洋美術を横断的に捉えた本。ナザレ派、ラファエル前派など、美術に詳しい人でないと知らない単語が盛りだくさん。

それでも私には、とても面白かった。出来れば、取り上げた絵画、建築、写真を別冊資料集にして欲しいくらい。

特に印象的だったのはダ・ヴィンチの「ウィトルウィウス的人体」をデューラー自身も作成していたこと。デューラーはダ・ヴィンチと交流がなく、イタリアの工房では秘密にされていたもの。デューラーは古代の参考になる彫像なく、独学で理想的人体比を研究していたことになる。分野は違うが、「収斂進化」という言葉が頭に浮かんだ。
ルネサンスが明るく開放的なイメージとはかけはなれたものであったことも驚き。

またブリューゲル(父)の絵画の視点の定まりにくさを「染み」が散らばることで定まりにくさを理論的に説明したゼードルマイアの研究には至極納得。「イコノグラフィー研究」(描かれているモチーフひとつひとつの意味を研究する)なんて、なんて楽しそう❗ブリューゲルは、その研究では最高では?

イギリス絵画の「ファンシー・ピクチャー」も楽しい。可愛らしいものがいっぱい。でも腕の開きかたで性的な意味を込めている、と断じるのは何故?もうグルーズさんは、そのような絵しか描かないと思われていたのだろうか。

フェルメールが使っていたと言われるカメラ・オブスクラ。18,19世紀には明るい部屋でも使えるカメラ・ルチダが販売され、それを使う英国人が揶揄されている。新しい機器が出現した時は古いほうに肩入れする人が一定数いる。なんだか現代でもありそう…

本当に勉強になる本だった。来月は絵を見に行こう。

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2021年11月27日

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