佐藤直樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
なぜ自殺者が多く、生きづらい世の中なのかが
よく分かる一冊だった
読み出したら止まらなく
あっという間に読み切ってしまった
なぜLINEの既読無視をすると
ハブられてしまうのか
コロナにかかってしまった人が
謝罪をしなければならないのかが
少し分かった気がする
日本人はいかに小さな世間の中で
生きているのかが分かったのと同時に
自分も社会には目を向けられていないと感じた
個人が個人として尊重される社会がない日本
知らずしらずのうちに同調圧力にやられていた
関係のある人たちで成り立っているのが世間
何も関係がない人たちがいる世界が社会
世間という強力な敵をよく知った上で
社会とつなが -
Posted by ブクログ
佐藤先生の解説で本の中の作品を鑑賞できる。
退屈で違いのわからなかった古代から印象派以前の芸術が初めて楽しめた。
前書きに「時代順に作品をならべていく通史的な見方をとらない本書は、私の興味に「偏った」作品選択がなされています。バランスよく作品を知るより、個々の作品に対する具体的なアプローチを学んだほうが、実は芸術鑑賞のコツを得るには手っ取り早いのです。(中略)つまり本書は、西洋美術鑑賞の実践のためのテキストブックなのです。」と書かれていたけれど、まさにその通りでした。
長い歴史が凝縮されていて予備知識がない私には充分に読み込めなかったので星4つとしましたが、2022最初のガッツリ読書で良い -
Posted by ブクログ
ネタバレ死ぬまでに見ておきたい
1.モナリザ、2.システィーナ礼拝堂壁画
3.ファン・エイク兄弟「ヘント祭壇図」 ベルギー シントバーフ教会 15C
額縁も柱としての絵画の一部 現実と絵画の橋渡し
レンブラント「聖家族」最初からカーテンが描き込まれているだまし絵 17C
ルネサンス 理想の美 現実世界と分けるカーテン 16C
バロック 現実世界のリアル カーテンは画面の奥に カラヴァッジョ 16C末
ファンシーピクチャー 英国 18C レノルズ
ナザレ派 ドイツからローマへ 19C
光学機器 カメラ・ルチダを使って視覚像をトレース ラインハルト
ラファエル前派 わざとらしさ ラファエッロ -
Posted by ブクログ
ネタバレ西洋美術を横断的に捉えた本。ナザレ派、ラファエル前派など、美術に詳しい人でないと知らない単語が盛りだくさん。
それでも私には、とても面白かった。出来れば、取り上げた絵画、建築、写真を別冊資料集にして欲しいくらい。
特に印象的だったのはダ・ヴィンチの「ウィトルウィウス的人体」をデューラー自身も作成していたこと。デューラーはダ・ヴィンチと交流がなく、イタリアの工房では秘密にされていたもの。デューラーは古代の参考になる彫像なく、独学で理想的人体比を研究していたことになる。分野は違うが、「収斂進化」という言葉が頭に浮かんだ。
ルネサンスが明るく開放的なイメージとはかけはなれたものであったことも驚き -
Posted by ブクログ
タイトルにある「西洋美術の見方」からは、印象派をはじめとする、誰もが知る画家や作品をとりあげてその見方を開設する本だろうと思うのが通常だと思うが(私もそう思っていた)、本書では印象派については一切出てこず、誰もが知る作品としては「モナリザ」のみ。
古代ギリシャの彫刻から中世の西洋美術がどのような影響を受けたのか、とかそこから発生したルネサンスが切り開いた表現の方法、古典主義とロマン主義を経てモダニズムまでの流れ等々を、ジョット、ファン・エイク、ラファエッロ、デューラー、ダビンチ、レノルズ、ミレイ他、一般的には無名か、あるいはあまり有名でない作者の作品を取り上げながら、時には相互の関連も含め体 -
Posted by ブクログ
ネタバレかの大震災で世界から賞賛された略奪の起きない平和な日本は「世間」による犯罪抑止力により成し遂げられた。そのように、本書はいう。
「世間」とは何かを示し(1)時間の共有(2)互酬関係(3)身分制(4)呪術性、これらを改めおさらいするとともに、そこに現れる犯罪とその犯罪者に対する罪と罰を独特の「ケガレ」と「ゆるし」の概念で説明する。また、この「世間」の圧力には裁判所ですら独立性を保てることはなく、「世間」の論理に従った、「ゆるし」の発動や、厳罰化などの対応をしてしまう。
さらには、異常なパッシングや、一見無関係と思える有名人の行為にすら強い共感あるいは嫌悪を覚える理由として「世間」における共感過剰