玉木俊明のレビュー一覧
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ジャレドダイヤモンドやユヴァルノアハラリを彷彿とさせるようなスケール感で、タイムトリップしたかのような読書。勉強になる。ただ、タイトルの手数料とか物流とかの話を切り口にしているかというと必ずしもそうではなく、基本的には経済史である。ただ、それが良かった。
プラットフォームとは、言い換えると構造的権...続きを読むPosted by ブクログ -
物流から見た近世ヨーロッパ史。教科書で習ったのとは、かなり違う。目から鱗とはこのことかしらん。物流が歴史を進ませる本流なのかと思わされる。軽い題の印象より内容は深いと思う。Posted by ブクログ
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思い返すと赤面してしまふ。
世界史を選択したことを後悔しながら
己の至らなさを言い訳にして
こういう形での世界史の解釈は実にエキサイティングです。
情報・物流・経済・消費・・・
もっと引き出しをお持ちの先生だと思います。Posted by ブクログ -
経済学者が書いた世界史で、政治上のできごとに金融経済が絡めてある。
カタカナの人物や事件の羅列が頭に入らず、世界史の教科書が苦手だった自分でも、
身近な暮らしに近いこと(食生活や貨幣、物流)の流れを追っているので、理解しやすい。
中国ふくめアジア圏を世界経済の最初の覇者と捉えた視点が面白く。
現代...続きを読むPosted by ブクログ -
西洋史を専門とする経済学教授による、ヨーロッパから見た帝国の興隆を海運・貿易の視点から読み解いたもの。ローマからポルトガル、オランダ、イギリスへと派遣が移る歴史をバルト海、北海の海運が影響していること、奴隷制による砂糖の生産よりも綿花栽培に着目したイギリスが産業革命をもたらしたこと、電信が覇権確立に...続きを読むPosted by ブクログ
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欧州の中心がいつの間にか南から北へ移っていたこととか、米国がいつの間にか大きな商船団を持っていたこととか、ようやく合点がいった。あと、大英帝国を大英帝国ならしめたバルト海地域の重要性やらポルトガル海洋帝国は滅んでも、ポルトガル商人は滅びず!とか。ちょーおもしろかった。Posted by ブクログ
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非常に面白く感じました。
気になりましたのは筆者の誠実すぎる引用なんです。
「ウォーラステインでは・・」
きちんと引用先示して反対意見も筆者なりにNOと書いている訳ですよ。
引用先や資料先より知識を体得し血なり肉なりにしていらっしゃるにも
関わらず、いちいちこまめに書くと読んでるこちらが
なんという...続きを読むPosted by ブクログ -
今でこそ、パソコンでクリックすれば、本を初めてとして生活必需品が送られてくる便利な時代となりましたが、物流を整備・維持することが覇権を握るために必要な時代がありました。
ギリシアから始まって、イタリア、オランダ、イギリス、アメリカと多くの国が覇権を握ってきましたが、彼らに共通していたのは、その時代...続きを読むPosted by ブクログ -
今まで何冊か覇権を取った国(17世紀中頃のオランダ、19世紀末から1次大戦勃発までイギリス、アメリカ=ウォーラーステインによればこの3つ、アメリカは二次大戦後からベトナム戦争勃発まで、p22)の解説本を読んできました、それなりに納得してきましたが、イギリスやアメリカが世界の工場の地位をなぜ明け渡すこ...続きを読むPosted by ブクログ
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情報を切り口に、オランダから始まるヘゲモニー国家の経緯と、今後の展望について論じられております。
ドイツ発の印刷技術を起点に、広告戦略など情報の集約と拡散により、商業起点をアムステルダムに築き、世界の貿易を制したオランダ。
産業革命による機械化だけでなく、電信インフラを世界中に構築し、情報をいち早く...続きを読むPosted by ブクログ -
ヨーロッパとアメリカを中心に近世から現在に至る歴史を見なおし、消費社会から金融社会への変遷と所得格差拡大の関連を説いた本です。
ただし、解決の方向性が示されてないので注意が必要です。Posted by ブクログ -
ダイヤモンド投資に関心が出てきたので買ってみたが、
「ダイヤモンドの価値は蜃気楼と同様、現実をそのまま映し出してはいない。」
という衝撃の出だし。。。
これは面白そうだwPosted by ブクログ -
「はじめに」に記載のある通り、本書は、経済史をベースとして、経済的覇権(=ヘゲモニー)の変遷を軸に、世界の変貌を叙述した教養書である。
一言でいうと、とても面白かった。
経済、物流、ネットワーク、それらを構築した人々の動きに焦点を当てて叙述し、経済的な覇権を握ることがすなわち政治的な覇権に繋がって...続きを読むPosted by ブクログ -
題名が世界史なのでもう少し歴史に比重を置いたものかと思ったら、「金融」や「経済」の比重が高かった。以前からルクセンブルクやアイルランドの一人当たりのGDPがなぜあんなに高いのか、その理由を知りたかったのが、この本でよく理解できた。
タックスヘイブンについてもよくわかった。やはり何事も歴史と背景が...続きを読むPosted by ブクログ -
著者の「近代世界システムは工業国と資源国という構図だけで語られるべきものではなく、物流(海運、鉄道)・金融(電信決済・保険)をどこが握っていたかという視点が不可欠」「イギリスがヘゲモニー国家たり得たのはまさにそれらを同国が握っていたから」という視点からの19世紀ヨーロッパの諸相の描写。
同著者の著書...続きを読むPosted by ブクログ -
宗教改革・対抗宗教改革、宗教戦争・戦費調達・財政制度の近代化・課税・国境・主権国家の誕生、グーテンベルク革命、イエズス会・軍事革命・武器輸出、ユダヤ人の商業ネットワーク、科学革命、銀・ポルトガル商人・南米・マカオ・石見銀山、海運。
ほんと世界史は面白い。Posted by ブクログ -
ゴルゴ13でデビアスのダイヤの価格コントロールについて描かれた回があり、関心があったので読んでみた。
デビアスがイギリスの植民地政策とともに発展し、独占体制を築き上げた過程や、ロシアや合成ダイヤ等の台頭により、近年その地位が揺らいでいる様子を記していて興味深い。Posted by ブクログ -
経済や民族の動きから世界史を紐解くと面白い。
時代順や場所に沿って年表とかをつけながらこの視点で読み解く世界史の本を出してほしい!
そうすれば世界の歴史をもっと簡単に楽しく紐解けるはず。
各章の後に載っている参考文献もめちゃくちゃためになりそう。
入門編としてとても良い本だと思う。Posted by ブクログ