玉木俊明のレビュー一覧
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人間の営みである物流が、人間自身に及ぼしてきた影響を解説している一冊。
物流とは物の流れだけでなく、人や情報、科学技術や文化も運びます。
しかしそれらは素敵なものですが副産物に他ならず、根底には経済という原動力があります。
フェニキア人の地中海貿易からソ連崩壊までを扱い、人類の黎明と衰退に対する物流...続きを読むPosted by ブクログ -
移民と世界の発展の関係を述べた書。移民を言葉の通り移動する民族と捉え、遊牧民・ヴァイキング・黒人などの多種多様な民族にスポットライトをあてている。この本を読めば現代文明に移民が欠かせないことが分かるはずだ。
私は現代社会において、移民がネガティブな印象を持たれている状況に疑問を抱いている。市民は...続きを読むPosted by ブクログ -
タイトルにやや偽りあり。正しくは「経済からみた世界史」。
歴史の本には人物や政治を中心に語ったものが多いが、この本は経済の流れから、覇権の移り変わりを述べている。
「なぜ、歴史はこうなったのか」を考えたとき、やはり人物や政治体制よりも、経済による要因が大きいと実感する。
イギリスが産業革命により...続きを読むPosted by ブクログ -
世界史を「移民」の観点から記した本書。
昔から現在に至るまで、人の移動というのは妨げる事はできないと思わせる。
特に、北欧ヴァイキングの項は気になった。略奪者としてのイメージが強いが、その本質は商人の比重が強い「移民」という観点は面白い。
一種の武装商人であり、流通に欠かせない存在であ...続きを読むPosted by ブクログ -
面白い、とか面白くない、以前にもっと世界史を勉強しないと理解出来ないな……という部分が多い本でした。私の知識不足が問題でしたね。
解らないなりにも、ヴェネチアの森林伐採による資源不足の事や、教科書で名前くらいしか知らなかった東インド会社の事、スウェーデンの茶の輸出入の事は興味深かったです。Posted by ブクログ -
ちょっとおもしろそうなので手にとってみた。
今で言うところの情報産業を、まとめてソフトパワーとし、その切り口で過去の覇権国を見定めていくような感じの内容でした。
オランダ、イギリス、おメリカという3つの覇権国家が情報伝達の新しいテクノロジーをどう利用してその地位についたのか、というのはかなり興味深...続きを読むPosted by ブクログ -
情報に焦点を当て、ヘゲモニー国家の500年にわたる興亡について書いた本。著者によると今までヘゲモニー国家といえるのは、オランダ、イギリス、アメリカの3か国しかない。その3か国を情報の視点からみると、オランダは印刷機、イギリスは電信、アメリカは電話によって情報管理をしていた。ヨーロッパの歴史に詳しく、...続きを読むPosted by ブクログ
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近代ヨーロッパ経済史の専門家による、歴史研究とは何かを追求したもの。日本におけるヨーロッパ研究の経緯を述べ、それを題材に歴史研究とはどういうものかを明らかにしている。極めて学術的であり、面白い。
「誰の興味も引かず、学生がほとんど出席していないような科目が、ただそれが必要だったという学問に内在する...続きを読むPosted by ブクログ -
今年(2018)の読書の収穫の一つとして、ライバル多い欧州国のなかで、産業革命をイギリスがなぜ先んじて成功させられたのか、またイギリスが覇権を握れたのは、工業国として成功よりも、ライバルが成長しても自国にお金が落ちるシステムを作り上げたからだ、というこの本の著者の玉木氏の本を読んで、長年のもやもやが...続きを読むPosted by ブクログ
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日本以外を取り扱っているのが世界史ですが、古代から現代まで、主要国のみに絞っても範囲が広すぎます。どこから手を着けようかと思って、何年も月日が流れていたのが現状です。
そんな私にとって、玉木氏によるこの本は、自分が面白いと思うから、人に話したくなるというコンセプトで書かれた本であり、この本の編集者...続きを読むPosted by ブクログ -
歴史の楽しみ方は色々あります、どれが一番とかではなく、どれも面白いです。その1つが、歴史を通して眺めてみるものがあります。この本は、覇権争奪の歴史として5000年間を通して、覇権がどのように移ってきたのかが理解できるようになっています。
私が中学高校で習ってきた世界史は、西洋史が中心で、いかに欧州...続きを読むPosted by ブクログ -
情報という観点から世界のヘゲモニー国を見た歴史書。活版印刷で欧州の商業習慣が統一化されそれが世界に広まった、その情報が承認国家であるアムステルダムに集まりオランダのヘゲモニーが始まる。それを受け継いだイギリスは産業革命を実現したがその裏では電信を主要な航路や陸路に引いて情報を集約、またその手数料を稼...続きを読むPosted by ブクログ
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ユダヤの商法のような本かと思ったが世界史の流れがメイン
後半近現代史から英国や日本の商社などに触れつつビジネス要素も触れていた
これまでは陸上や海上の物流貿易ネットワークで商人は儲けていたが、電信の発明以降はコミッション(手数料)がメインとなった。現代ではIT企業がネットワーク手数料で稼いでおり租税...続きを読むPosted by ブクログ -
テーマによってはあまり興味がわかずに読み飛ばしたりもしたが、世界史の授業で習った話を、「あれはこーゆーことなんだよ」と習い直す感じで、なかなか面白かった。Posted by ブクログ
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このような大きなテーマを新書で、かつ、この分量で描くのは難しいですよね。どの章も今ひとつもの足りませんでした。時代を絞るとか、視点を統一するとかした方が読み易い気がしました。Posted by ブクログ
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「迫害された移民の経済史」ではあるが、
重点は迫害ではなく経済にあって、
迫害されながらも、なおそれによって離散していることを
強みとして生き抜いてきた人々の一つの歴史である。
ディアスポラというと、ユダヤ系のイメージが強く
本書でもその系統であるアシュケナジムや、セファルディムはし...続きを読むPosted by ブクログ -
一度読んだだけでは理解するのが難しい本でした。
数値的データが多くて、漢数字で書かれてるのが読みづらかったけど国家を超えた民族の活躍があり、物流が発展したことが興味深いなと思いました!Posted by ブクログ