玉木俊明のレビュー一覧
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書店で見かけて気になって買った一冊。中身の大部分に繰り返しが多いのは少し微妙だが、学問的見地よりも少しゆるく語られる序章、終章、あとがきあたりが面白い。
オランダ、イギリス、アメリカと覇権国家が移っていくグローバリゼーションの歴史が語られる。なぜ覇権を握ったのがポルトガル、スペイン、フランスでなくオランダやイギリスだったのか、その理由が分析される。明治維新で日本人が最も学んだのはイギリスだったが、この時代のイギリスがいかに世界を牛耳っていたか、その感覚がよくわかる。例えば20世紀に入る頃には、イギリスが世界中と電信で情報交換できるようになっていたというのには驚くほかない。
終章では近代ヨーロッ -
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世界史を語る上で、食・味の歴史は欠かせないと日頃から感じていたので、読んでみた。
香辛料、砂糖の観点から見た世界史であり、そこに物流だけでなく、世界の覇権の動きが凝集されているように思えた。
大航海時代前はあくまでムスリム商人経由で入ってきた少量の香辛料をヨーロッパ内部で流通させていただけだったが、大航海時代からはヨーロッパ人が自ら「取りに」行くようになった事(自己完結・自己調達型の輸送システムの誕生)、近世,17世紀に入ると「砂糖革命」がおこり、新世界での大規模プランテーションでの大量生産がなされ、奴隷制や資本主義経済の成立にも大きく影響した事、植民地と宗主国の従属関係には、工業国かどうかで -
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冒頭の方は面白かった。特に、先史時代に太平洋に移民をしつつネットワークを広げて行った話、遊牧民の移動によって日本もヨーロッパも同時代に影響を受けていた話、ヴァイキングのネットワーク、アルメニア人のネットワークやアラブ人のネットワークと琉球のネットワークが接続していた話など。
他方、徐々に西欧を否定するようなトーンが目立ち始める。西欧が誇っていることは既に他民族が構築していたもの、という主張をギリシャ、アレクサンダー、ローマ、中世、大航海時代と延々と続いていって次第に食傷気味になる。また最後の第一次大戦から現代に続く話は誰でも知っている話で何で書いたのかなと。
ということで、短く簡単に読める -
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香辛料、砂糖、化学調味料と味覚に直結する調味料の変遷でどのように歴史が動いていったかを書いた本。
古代や中世はフェニキアとかアラブアルメニアとかが香辛料を扱っていたが近世になると味強すぎて食えないから素材の味をという好みになり砂糖のほうが良くなったと。そして輸入だけでなく自分で作ろうとのことで南米なりを植民地化してという話。そしてものだけでなくその流通ルートを押さえたイギリスすごいよね、でも第2次産業革命で化学が発達したから化学調味料になると後塵を拝したねというオチかと。そして味の素とかがある日本も少し出てくる。
それはそれでいいが、あとがきでヨーロッパもアジアによる味覚がないとなりたたなくな -
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「迫害された移民の経済史」ではあるが、
重点は迫害ではなく経済にあって、
迫害されながらも、なおそれによって離散していることを
強みとして生き抜いてきた人々の一つの歴史である。
ディアスポラというと、ユダヤ系のイメージが強く
本書でもその系統であるアシュケナジムや、セファルディムはしっかりと紙幅がとられている。
とはいえ、ほかにもユグノーであったり、
スコットランド移民であったりの話があり、
多様な形の移民がある。
もっともそれでも西側に偏っているのは東洋からは
経済圏としての勢力を持つようなまとまった移民がなかったからであろうか。
宗教的な理由、政治的理由、 -
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ネタバレ<目次>
序章 「世界史」はいかにしてはじまったのか
第1章 大航海時代~グルーバル交易ネットワークの誕生
第2章 世界史から見た「宗教改革」
第3章 宣教集団にして死の商人~イエズス会の世界戦略
第4章 科学革命とキリスト教
第5章 カール5世とスレイマン1世~16世紀前半の世界
第6章 フェリペ2世vs主権国家~16世紀後半の世界
第7章 世界史に組み入れられた戦国日本
まとめ
<内容>
教養新書としては、ざっくりな内容かもしれない。帯に「歴史総合」を学ぶ人必読!の怪しい文字も…(つられて買った私も…)。専門は16~18世紀のバルト海貿易だそうで、まあ、タコつぼの専門を