ヨーロッパ覇権史

ヨーロッパ覇権史

ビジネス・実用
836円 (税込)

4pt

3.9

ヨーロッパは他地域に対し、ずっと優位にあり、覇権を握っていたように思われてきた。しかし、それはたかだか一九世紀に達成されたことにすぎない。本書は、オランダ、ポルトガル、イギリスなど近代ヨーロッパ諸国が勢力を拡大し、世界を一変させた過程を追う一冊である。「軍事革命」で他の地域に優る軍事力を手にし、近代国家のシステムを発明。その後、大西洋貿易で力をつけ、アジアへ――。現在の世界は、どのように形成されたのか。そして、どこに向かっているのか。現代世界を考える上でも必読の一冊。

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ヨーロッパ覇権史 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    近代以降の世界の権力史を、ヨーロッパを中心にまとめたもの。オランダ、イギリス、アメリカといったヘゲモニー国家をはじめ、スペイン、ポルトガルといった海洋国家、オスマン帝国や中国、マニラなどの記述もあり、広く覇権国家について理解できた。学術的だし論理的で読みやすい。
    「現在のアラブ世界の問題のいくらかは、ヨーロッパ諸国が勝手に国家なるものをアラブ世界につくったがために起こっている」p24
    「ポルトガル海洋帝国が育てた果実を取っていったのがイギリスであった」p27
    「火器を最初に使用したのはヨーロッパ人ではなく中国人であったが、その使用をもっとも積極的に行ったのはヨーロッパ人であった。そのために、やがて世界中の戦争で勝ち、植民地を獲得することができたのである」p33
    「火器をどのように受容するかで、この当時の国の運命が決まったといって過言ではない。この点で、ヨーロッパは最も進んでいた。そして、それに次いだのは、おそらく日本であった」p34
    「イギリスとフランスを単純に比較するなら、国土はフランスの方がずっと広く、人口も2~4倍多かった。にもかかわらず、実際に勝利をえたのは、イギリスであった。巨額の借金をしながらも、イギリスはフランスとの戦争に勝ち、ナポレオン戦争が終わった1815年には、ヘゲモニー国家となったのである」p50
    「近世のヨーロッパで生まれたグローバリゼーションだけが、政治的な統一体である世界帝国を形成せず、経済競争を行う世界経済となった。競争の単位は主権国家であり、各国が飽くことなく利潤を求めて競争した」p61
    「一般に、オランダは貿易によって繁栄したとされるが、それは正確な見方ではない。オランダは、海運業によって繁栄を謳歌したのである」p75
    「国家が戦争状態にあれば、敵国に対する憎悪感が増していく。そのため、ナショナリズムが高揚することになる」p80
    「(13世紀)ヨーロッパの軍隊は弱く、イスラームやモンゴルと戦争をすると、ほぼ壊滅状態に至った。つまり、ヨーロッパが、陸上ルートによって東へと出ていくことは考えられなかったのだ。だからこそヨーロッパは、アフリカ大陸を南に下り、喜望峰を経て、インドに行くほかなかったのである」p92
    「ルイ14世が死去した1715年からフランス革命が勃発した1789年まで、フランスは国際貿易で主導的役割を果たした。その中核となったのがボルドーであった」p113
    「(14世紀~)大西洋貿易で最も重要な商品は砂糖であった」p132
    「産業革命とは、どちらかといえば劣勢に立たされていたヨーロッパ経済が、アジア経済に追いつき、追い越す過程を表す」p174
    「さまざまな学問の共通語は英語であり、理系の場合、英語以外に国際的な雑誌はないというのが現状である」p185
    「アメリカは、自国に都合の良いことが正義であると無邪気に信じているところがある」p189
    「こんにちの世界では、ごく一部の企業のトップを除くなら、賃金を上昇させる誘引はない。このような世界の出現は、結局、近代世界システムが世界を覆いつくした結果だということに尽きよう」p197
    「会社はまさに株主の所有物であり、そこで働く人々の幸福は考えない」p198

    0
    2018年10月23日

    Posted by ブクログ

    予想以上に面白い…興味深い本でした。
    ヨーロッパ覇権史という書名ですが、内容は世界経済システム史の概説であり、個人的になるほどと思ったのは、工業国と資源供給国という単純化した従属関係ではなく、そこに「輸送(海運)」という確かに言われてみれば非常に重要なファクターを明示的に加えていることと、「決済」というこれまた当然ながら重要なファクターについては、それを成し得るための「電信」の重要性についても強調している点。
    昨今の「資本主義の限界」についての議論の前提となる世界経済システム史についての理解を深めるための良書と思います。著者の他の著書も読んでみたくなりました。

    0
    2021年06月01日

    Posted by ブクログ

    なぜ,現在の「世界のルール」を決めたのが西洋だったのか。軍事力に裏付けされた経済という視点から,ヨーロッパ擡頭の世界史を眺める。歴史部分は良かった。でも今後を占う終章には反グローバル的な何か妙な偏りを感じた。
    "日本はモノづくりを維持し、アングロサクソンとは違う資本主義を目指すことが、世界経済にもっとも大きく貢献することになると信じる"
    "近代世界システムの特徴は、「飽くなき利潤追求」にある。それには「未開拓の土地」が必要とされるが、もはやそれが存在しなくなった現在、世界は労働者の賃金に「未開拓の土地」を求めていると考えている"p.204

    0
    2015年12月17日

    Posted by ブクログ

    新書でこのテーマはちょっと大きすぎたのではないか。
    ほとんど上辺だけの咄になってしまい、もう少し深化した内容であって欲しかった。
    ウォーラーステインの世界システム論、懐かしかったなぁ。大学で勉強したの、30年以上前だもんなぁ…。

    0
    2015年11月02日

    Posted by ブクログ

    書店で見かけて気になって買った一冊。中身の大部分に繰り返しが多いのは少し微妙だが、学問的見地よりも少しゆるく語られる序章、終章、あとがきあたりが面白い。
    オランダ、イギリス、アメリカと覇権国家が移っていくグローバリゼーションの歴史が語られる。なぜ覇権を握ったのがポルトガル、スペイン、フランスでなくオランダやイギリスだったのか、その理由が分析される。明治維新で日本人が最も学んだのはイギリスだったが、この時代のイギリスがいかに世界を牛耳っていたか、その感覚がよくわかる。例えば20世紀に入る頃には、イギリスが世界中と電信で情報交換できるようになっていたというのには驚くほかない。
    終章では近代ヨーロッパシステムの終わりが予兆される。そこでは格差問題などにも触れられ、次のシステムが現れる予感を指摘するが、その時代の転換期を私は見ることができるのか、それを死ぬ前までに感じたいな、と思った。
    他に軍事と商業の繋がりや、貿易における海運というファクターの影響力、商品連鎖の考え方など経済史の面白さを感じる一冊だった。

    0
    2015年10月11日

    Posted by ブクログ

    現在でもヨーロッパ覇権の残滓は世界中に存在する。長い歴史の中のわずか19世紀以後のヨーロッパの覇権だったにもかかわらず。

    オランダ、ポルトガル、イギリスと続くヘゲモニー国家の世界進出の歴史を読み解いていく。

    0
    2017年04月13日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    論旨の軸足がブレておらず落ち着いて読めるヨーロッパの覇権争いを興味深く執筆
    なされております。
    上級の高校生の副読本として教養高めるのに適しています。或いは、大学機関に
    於ける教養課程から専門課程ですら、使えるような幅広さや深みを持ち合わせてる
    良書だと思います。
    ただし、筆者は左ですから。その辺り差し引かないと思想に取り込まれるでしょう。
    読み始めて「あれ」と。間もなく「ああ・・そうだろうな」トドメが「あとがき」。


     資本主義と帝国主義・重商主義といった発展段階は、これらの要因に依存しながら
    (こういう言葉?表現出てくる時点でアレなんだろうなと)
     かたや、
      1).国民国家の野望を遂げるため。
        積極的な政策的介入に乗り、護送船団方式的かつ英国中央集権な
       <管理貿易>の道を選ぶのか。
      2).コスモポリタン・世界市民的商人による自主性に委ねる、自由市場の放任。
        まさしくボーダレス的世界を先駆けで商いを臨む、グローバリズムの先駆   け的な商人たちの非公式ネットワークによる市場開拓。時代の求められる要素    は存外国民性や国民気質に依存しておるのかもしれませんね。

    0
    2018年11月19日

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