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「人の流れ」がわかれば、世界史が驚くほどよくわかる! 文明の興亡は、人類・民族の大移動がきっかけだった? 大航海時代・産業革命期を制した真の勝者は? ヨーロッパをはじめとする先進国が、難民を排除できないのはなぜ? いま、世界中で議論の的となっている「移民」をキーワードに、経済史研究の俊英が世界史をすっきり明快に読み解く一冊。 第1部 人類・民族の「大移動」とは何だったか 第2部 世界の「交易」はいかに結びついたか 第3部 ヨーロッパ繁栄は「移民」がもたらしたか
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Posted by ブクログ
移民と世界の発展の関係を述べた書。移民を言葉の通り移動する民族と捉え、遊牧民・ヴァイキング・黒人などの多種多様な民族にスポットライトをあてている。この本を読めば現代文明に移民が欠かせないことが分かるはずだ。 私は現代社会において、移民がネガティブな印象を持たれている状況に疑問を抱いている。市民は...続きを読む移民が雇用や治安を悪化させてるという偏見を抱きがちで、本当に移民が与えている影響を考慮しようとはしていない。そのため私は移民が社会、特に政治体制にどう影響を持つかより深く研究したいと思っている。本著はこの考えに対して、歴史の面から多大な見識を与えてくれたため深く感謝している。
世界史を「移民」の観点から記した本書。 昔から現在に至るまで、人の移動というのは妨げる事はできないと思わせる。 特に、北欧ヴァイキングの項は気になった。略奪者としてのイメージが強いが、その本質は商人の比重が強い「移民」という観点は面白い。 一種の武装商人であり、流通に欠かせない存在であ...続きを読むる。
このような大きなテーマを新書で、かつ、この分量で描くのは難しいですよね。どの章も今ひとつもの足りませんでした。時代を絞るとか、視点を統一するとかした方が読み易い気がしました。
歴史を暗記で覚えようとしていた過去の自分にこう言いたい。歴史は流れで覚えろと。おかげで、こういう本を読むときは毎回苦労するハメになります…… 内容としては、古代の移民から、中世の商人たち、奴隷貿易から現代の難民まで、様々な「移民」について各章ごとに、簡潔にまとめられている印象です。なので読みやすい...続きを読むことは読みやすいのですが、自分みたいに基礎知識が抜けていると、言葉がサラサラと流れていってしまうこともしばしば…… やっぱり印象的なのは、現代に近い話かなあ。イギリスとスコットランドの問題、難民の問題、EUの問題、それの元を辿っていくと、ヨーロッパ諸国の帝国主義的な拡大や、領土の勝手な分割による民族問題などがあります。そのあたりが割とわかりやすく解説されていたので、今後その関連のニュースを見るときは、もうちょっと身近に考えられそう。 アメリカの拡大と移民の話も、個人的に面白かった。国を拡大していくにつれ、人口も増え格差が表われ、その不満を覆い隠すために、アメリカに移民を渡らせたヨーロッパの国々。そして、国の労働力不足を補え、また広大な土地を持っていたため、大量の移民を受け入れることができたアメリカ。 結果、アメリカは押しも押されぬ大国になったわけですが、こういう流れがあったと分かると、別に英雄が出てこない歴史も、それはそれで面白いなあ、と思えるわけです。 様々な名も分からない人たちの流れがあって、今の世界があると思うとロマンチックな気もするのですが、その負の遺産も一方であるわけで……日本も移民をめぐって揺れている時期でもあるので、そんなことも考えないといけないなあ、とも思いました。
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