あらすじ
世界は味で動いていた。香辛料(スパイス)から砂糖、そしてうま味調味料へといたる「味」の移り変わりは、資本主義が誕生し、ヨーロッパが覇権を握るプロセスと軌を一にする。本書では、ウォーラーステインの「近代世界システム」を参照し、さらにポメランツが提唱した「大分岐」論以降のさまざまの研究成果も踏まえつつ、「諸島」に焦点を当てることで、世界史の興亡を新しく描き直す。
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感情タグBEST3
Posted by ブクログ
香辛料、砂糖、缶詰瓶詰め、冷凍で止まらず現代まで到達してるのがすごい。トマト缶の話思い出しながら読んだ。加工食品化と食品添加物とうま味調味料の話をきちんとここまで 位置付けられたのは初めてじゃないだろうか。スパイスを産出して送り出す側ってどんなだったんだろう。古代のインド料理の本とかあったけれども繋がってるんだろうか。
Posted by ブクログ
私たちが今味わっているものにはどのような歴史があるのか。
香辛料、砂糖、うま味調味料、「味」という切り口から、ヨーロッパを中心とした世界史を概観する。教科書的な世界史の説明ではなく、身近なモノを通じて、人間がどのように歩んできたかを知ることができる。
さっくりと読めて、良い暇つぶしになりました。
Posted by ブクログ
香辛料と砂糖がどのようにして世界に伝播したか、それを引き起こした欧州の大航海時代に焦点を当てて追いかけた本。
もっと味覚にフォーカスした本だと思っていたけど、歴史学・経済学的な話だったので、ちょっと予想と違った。
Posted by ブクログ
香辛料、砂糖、化学調味料と味覚に直結する調味料の変遷でどのように歴史が動いていったかを書いた本。
古代や中世はフェニキアとかアラブアルメニアとかが香辛料を扱っていたが近世になると味強すぎて食えないから素材の味をという好みになり砂糖のほうが良くなったと。そして輸入だけでなく自分で作ろうとのことで南米なりを植民地化してという話。そしてものだけでなくその流通ルートを押さえたイギリスすごいよね、でも第2次産業革命で化学が発達したから化学調味料になると後塵を拝したねというオチかと。そして味の素とかがある日本も少し出てくる。
それはそれでいいが、あとがきでヨーロッパもアジアによる味覚がないとなりたたなくなっていることから西洋東洋の区別なく内外の区別なくとらえないといけないあり、移民が増えてるから彼らを内なるものとして扱わなければいけないみたいなこと書いてあったが、それは西洋がやるべきことであって日本がやることではない。移民と結びつけようとするのやめてほしい。黒人奴隷の話から移民は被害者であるかのような書き方が本編であるがそれは西洋対それ以外の時であって日本対アジアのような関係では対応しない。武力的な格差がないとホスト側による虐殺はなくむしろ浸透されて国が滅びる。『移民から読み解く世界史』を読んでほしい。