【感想・ネタバレ】金融化の世界史 ──大衆消費社会からGAFAの時代へのレビュー

あらすじ

現在も世界で大きくなり続ける所得格差。富める者は富み、そうではないものは貧しくなっていく。どうしてそんな社会になってしまったのか? 本書は、ヨーロッパとアメリカを中心に近世から現在に至る歴史を見なおし、大衆消費社会から金融社会への変化と所得格差拡大の関連を見ていく。大衆消費社会により縮まった格差は、社会の「金融化」により拡大し、現在の構造ができあがった。大航海時代からタックスヘイヴン、GAFAの時代までを見通す一冊。

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Posted by ブクログ

当方は新卒で保険会社に入社し、現在は総合商社系の保険ブローカーとして勤務する人間であり、金融業界に携わっている。改めて金融業について世界史的な位置付けを見直すきっかけとなったので、以下に流れをまとめる。

アジアにおける海運の発達を経て、ヨーロッパ船が世界中の交易に利用されるようになって来た。その過程でヨーロッパ内のディストリビューターとしてのイタリア船、独自海運ルートを作ったポルトガル船の後、世界を支配したのはイギリス船であった。海上保険業の発達と、銀行の無利子収益の増大を経て、世界は一度工業化の恩恵で享受したミドルクラスの恩恵を捨て、金融の不可逆的な増大を迎え、トマピケティが指摘するような、格差の再拡大を経験しているのである。

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2025年01月24日

Posted by ブクログ

ヨーロッパとアメリカを中心に近世から現在に至る歴史を見なおし、消費社会から金融社会への変遷と所得格差拡大の関連を説いた本です。
ただし、解決の方向性が示されてないので注意が必要です。

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2023年05月07日

Posted by ブクログ

 題名が世界史なのでもう少し歴史に比重を置いたものかと思ったら、「金融」や「経済」の比重が高かった。以前からルクセンブルクやアイルランドの一人当たりのGDPがなぜあんなに高いのか、その理由を知りたかったのが、この本でよく理解できた。
 タックスヘイブンについてもよくわかった。やはり何事も歴史と背景がわからないと理解できないものなのだ。
 現代経済の本質的な問題を考えるには良書だと思う

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2021年11月21日

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