羽海野チカのレビュー一覧
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名人を倒すため、過去の自分を乗り越えるため、若獅子神宮寺の挑戦は続きます。
居飛車穴熊・泥沼流で名人へと挑む準備を始めた神宮寺の下へ訪れたのは、真剣師の小山直毅。名人と同じく振り飛車を操る棋士です。
プロ棋士とは戦いの舞台は違えど、実力は折り紙付きの真剣師。花山八段の紹介でもあります。神宮寺のレベルアップに一肌脱ごうなんて親切心だけではないですが、そこはありがたく頂戴して高みへと昇るだけです。
彼との戦いで得た一手が、名人への一撃となりますか。時代を変える一手となりますか。再戦待つばかりです。
小山の真剣師としての実力さることながら、ヒモとしてのたらしっぷりにドン引きしちゃいました。 -
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神宮寺復活ロードの始まり。相手は兄弟子の山南八段。将棋以外でもマルチな才能発揮している芸能人です。
将棋の世界の頂を我武者羅に目指す弟弟子神宮寺。一度地獄を見て、奈落へ叩き落されても頂点をあきらめずに狂ったように突き進むその姿勢。
名人との実力差に将棋から目を背けていた山南八段。頂点を目指すでもなく、将棋から離れるでもなく、ふらふらとしていた中身のない棋士としての自分を突き付けられます。
これは、お互いにそうであったかもしれない自分を映したもの同士の戦い。
圧倒的な実力を見せつけられ、虚勢を張ることで戦いから逃げ出した山南。
どん底からでもあきらめずに、這い上がってきた神宮寺。
なにかのかけ -
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神宮寺をどん底へ突き落したあの対局の前半と、その相手である化物・田中名人の過去の後半の2巻。
調子に乗りに乗っていた若獅子を、これ以上ない程叩きのめして擂り潰して、奈落へと泥沼へと送り込んだ対局。棋士として男として人間として、神宮寺が持っていた、作り上げてきたもの全てを、粉々に打ち砕いた田中名人。いや、怖いわ。戦争経験とか、将棋に掛ける情念とかでなく、一個の人としてあの人怖い。
傲慢も過信も虚勢も、すべてわかった上で容赦なくひねりつぶす強さ。
どうやって、あの人に勝つの?這い上がってきたところで、まだスタートラインにも立ってないんじゃないの?だから、名前も憶えられていない、ってことか。 -
Posted by ブクログ
「3月のライオン」で『あんなだけど、昔は強かったんだぜ』と褒めてるんだか貶されてるんだかわからないフォローされていた神宮寺会長。彼の若かりし頃、昭和30年代のお話です。
将棋への向き合い方が、なんだかダークサイドへまっしぐらのハチマキのような追い込みっぷり。彼にとってのタナベとなるんでしょうかね、香織さんが。
そして、神宮寺をそこまで追い詰めた昭和の化物って、どれだけのものさ。
つーか、朔ちゃんこと後の柳原棋匠ですが…あんな爽やか好青年って嘘だ。
託されたタスキの重さが、ああいう風にしてしまったのか。恐るべし。
それを『捨てちゃいけねぇもんだ』とがっしり掴み取る柳原棋匠。やっぱり心打たれま