八木荘司のレビュー一覧
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ネタバレ大海人皇子と大友皇子の皇位争いの壬申の乱。面白さはない。歴史的解釈は面白い。蘇我家の陰謀の最後のあがきである。
これまでの大和シリーズが冒険譚なところがあって胸熱い面白さがあったから、期待と違って、自分勝手につまらなく読んでしまった。
でも、その大和シリーズの続きであるこの壬申の乱についての本は絶対読みたかったので、満足である。
壬申の乱は天智天皇の跡継ぎを弟と息子のどっちが継ぐかを争ったものだと思っていた。教科書にはそうとしか書いていなかった。
しかし、そうじゃなかった。という見解。
すごい納得がいった。天皇というのは神輿として担がれるだけの存在だからね。その背後にい -
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ネタバレ良い。実感の湧かない飛鳥・奈良時代を躍動感あふれる描き方をしている。高向玄理らが主人公というのがポイントだね。この時代はつい聖徳太子に目が行きがちだけれど、彼らに焦点を合わせることによって当時の国際問題も取り上げられているし、当時の面白い所を漏らすことなく描けている。
本当、もれなく面白い。
日本史の授業ででてくる影の薄い、高向玄理や旻や南淵請安ら渡海学生たちについて知りたくて読み始めたのだけれど、大当たりだった。まだ先は長くて飽きる人が多いみたいだけれど、今はそれを感じない。隋に対する革命の要素があって、適度なバトル物だから胸熱。
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p16 高向玄理の出自
河内の高向の -
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全2巻。
「遥かなる大和」「大和燃ゆ」と合わせて三部作。
二作目。
中大兄皇子と中臣鎌足による大化の改新。
そして半島・大陸に対する大和の外交政策の物語。
これはよいのでは。
三部作で一番。
大化の改新っが最初はテーマになってて、
メジャーな事件ってこともあって結構引き込まれる。
が。
上巻で大化の改新は終わってしまう。
後半どうするつもりかなと思ってたら
前作「遥かなる大和」で活躍した留学生・玄理が中心として
大陸に対する外交戦が繰り広げられる。
前半の大化の改新では、
友情との葛藤や、ミステリーのような計画性、
後半の外交では、
友情の尊さやハラハラする政争など、
結構読みどころも -
購入済み
む~ん
書評に導かれて読みました。期待しすぎたのか、この時代に興味を持っていたことから色々と雑ながら知見をあることが邪魔したのか正直に言って、私には面白く読めませんでした。最後が、「えっ! そんなこと」でした。
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ネタバレ李淵が唐を建国し、聖徳太子が死に、高向玄理らの留学生が帰ってきた。次の「青雲の大和」シリーズに続く。楽しみ。
風呂敷広げすぎな感じはあるけれど、それほど当時の社会が国際的に複雑に絡み合っていたということで、面白い。
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p52 唐の軍団のすごいところ
李淵・李世民の率いる唐軍は非常に統率のとれた軍団だった。それに倫理的にもとても統制が取れていて驚きだった。唐軍は略奪をしなかった。それがどれだけすごいことか。
略奪は戦傷者の当然権利と思われていたし、そもそも食糧とかギリギリの中で戦争に臨んでいるため、略奪をしなければ食っていけないことがほとんどである。もし略奪をしないで済むと -
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全3巻。
「青雲の大和」「大和燃ゆ」へ続く、
著者古代史三部作の1作目。
聖徳太子のもとで、
日本を新しい国家へと生まれ変わらせようと奮闘する
遣隋使・小野妹子と、
旧体制の権化とも言うべき蘇我馬子の政争を、
大陸、朝鮮半島の事件を絡めて描くスケールの大きな物語。
先に読んでしまった「大和燃ゆ」にくらべ、
日本語の変な言い回しや忘れ去られるキャラが少なく、
登場人物のメジャーさもあって結構引き込まれる。
が。
物語は前半・中盤・後半と、
焦点の当たっている事件が移り行くのだけど、
中盤は完全に中国の物語になってしまっている。
それが必要だったとはいえ、
ちょっと深入りしすぎな気がした。 -
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全2巻。
古代史。
蘇我入鹿と中大兄皇子の時代、
中国・唐による朝鮮半島侵攻と
それに対する日本の動き。
「こんな面白い古代史は読んだことがない」的な
帯の文句につられて読んでみる。
が。
ワクワクしたのは上巻の前半まで。
意図的なのか、違和感のある日本語のセリフ回しや、
メインで活躍してた登場人物がいつのまにか居なくなるとか、
物語として気になる部分が段々増えていって
あまり引き込まれなかった。
でも古代史読むと、
昔の日本はグローバルだったんだなあとつくづく思う。
王朝と大陸の間の歴史が、まだ遡れる時代だからか。
そしていつの時代も中国は中国で、
女は女だなあと思った。
なんだか -
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西暦404年、高句麗の英雄・好太王談徳は、百済北部から自国へ侵攻してきた倭軍と対峙していた。
百済と同盟関係にあった日本は大規模な出兵をたびたび起こし、『広開土王』とも呼ばれる彼の圧力をはねかえして、ついには副都・平壌付近まで迫ったのだ。
………その数十年前。日本書紀が伝えるところによる仲哀9年、天皇は突然謎の死をとげる。
「処女の眉のように、海のむこうに見える国がある」
神の意を受けた皇后・息長足姫は、天才的な直感でいまこそ新時代へ向けて、国家運営の舵を切り替えねばならないと決意する。
男装の姿をあらわした息長足姫は、全将兵の前で激をとばす。
日本民族が雄飛するときがきた! -
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壬申の乱後,藤原不比等が政権を握り,大宝律令や貨幣経済を日本に定着させていくまでを描いている。
法の整備と貨幣の流通により日本を国として成立させることを理想としてかかげ,その手腕はまさに驚愕させられるほどである。
持等,文武,聖武天皇も不比等を評価し,高位に上げようとするが,不比等は度々固辞する。それは,父である鎌足が終生,政権トップに立つのではなく,天智天皇の言わば秘書役として政権を動かしていたことに由来するのかもしれない。不比等は,理想の国家の建設が自分の権勢欲によって実効されていると思われたくなかったのだろう。言いかえれば,それだけプライドが高いということにもなる。真に能力ある者は,権力