八木荘司のレビュー一覧

  • 古代からの伝言 壬申の乱

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    天智,鎌足が亡くなり,舞台は近江朝対吉野朝の様相を見せる。本巻は副題が示すとおり天智の子の大友皇子と天智の弟の大海人皇子の争いである壬申の乱に進む。壬申の乱では,大海人皇子の舎人の活躍が大きいと思うが,本小説ではその辺りはあまり記述されていない。主には,壬申の乱の戦いの経路が日本書紀に示されているように淡々と話は進む。
    大友皇子は蘇我赤兄,中臣金らの守旧派に担ぎ上げられた感があり,大友も釆女と天智の子ということで引け目があり,その才からあわよくば天皇の座にという思いがあったと思うが,大友の最期は赤兄,金らは遁走し,2,3の舎人のみとなったようである。それだけを見ると哀れでならないが,大友も自分

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    2009年10月07日
  • 古代からの伝言 水漬くかばね

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    中大兄皇子と中臣鎌足が大化の改新を経て白村江の戦いに挑むまでの話。
    本巻では蘇我蝦夷,入鹿は登場するが,その人となりは描かれておらず,大化の改新までは皇子と鎌足の話で進む。
    大化の改新後は,古人大兄皇子や蘇我倉山田麻呂など新しい国作りに邪魔となる者を倒し,公地公民と中央集権を広めようと躍起になるが,朝鮮半島の動きが激しく,嫌が応にも半島有事に関わらざるを得なくなる。
    白村江の戦いにおいては,日本に人質となっていた百済の皇子の豊璋を百済王に立てるべく秦田来津を参謀として豊璋に付けて朝鮮へ送る。古人大兄皇子謀反に加担したとされる秦田来津を鎌足は抜擢し,田来津は鎌足のため必死に戦う。ところが,百済王

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    2009年10月07日
  • 古代からの伝言 日出づる国

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    蘇我馬子と聖徳太子に関する話。朝鮮半島の情勢とリンクする形で話が展開し,馬子による崇峻帝弑逆や聖徳太子との政略の食い違い等内政部分の記述は少ない。
    遣隋使小野妹子による日出づる国・・・の国書については,当時,太子の師であった高句麗僧の慧慈が草稿を練ったとも言われているらしく,わざと,隋王朝を怒らし,倭国との仲を悪くしようという高句麗のたくらみでもという説もあるが,そのような話などは語られていなく,淡々と日本書紀の内容を小説仕立てにしているような感じである。私としては,そのような背景なども記述されているほうが,楽しく読めるが,これはこれで史実に忠実ということで,良いかと納得した。

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    2009年10月07日
  • 古代からの伝言 悠久の大和

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    雄略以降,清寧,顕宗,仁賢,武烈と応神王朝いわゆるワケ王朝が続いたが,雄略による皇位争いの影響もあり,武烈の後継者がおらず,大王家存続が危ぶまれていた。これを救ったのが大伴金村である。金村は遠く越の国から応神の子孫にあたる継体を担ぎ出し大王として迎えた。
    本巻はこれまでの日本書紀や古事記,三国史記の解説といった書かれ方ではなく,物語風に変わっていく。
    継体以降は大伴,物部,蘇我の大連,大臣が政治舞台に登場し,より一層物語りは躍動感を増していく。
    継体の次は,安閑,宣化と続き,次に欽明が登場する。欽明は宣化の娘の石姫との間に次の敏達を生み,更に欽明は稲目の娘の堅塩姫を妃にし,用明,推古(炊屋姫)

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    2009年10月07日
  • 古代からの伝言 民族の雄飛

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    息長足姫(神功皇后)と武内宿禰による倭国軍の朝鮮出兵について,朝鮮の歴史書の三国史記と高句麗の好太王碑,日本の記紀を比べながら辿っていく。
    神功皇后は言うまでもなく,景行大王の孫でかつ日本武尊の子の仲哀大王の后であり,応神大王の母である。
    応神大王は武内宿禰の国内充実策を煙たがり,遠ざけ,高句麗,新羅の征討にうってでる。その際は,武内の子供の葛城襲津彦を将軍として派遣するのである。
    その後,応神の子仁徳の話となる。仁徳はその名のとおり,度重なる朝鮮出兵で疲弊し貧困している状況を踏まえ,3年間の労役と税を免除した。
    その後,仁徳の子の履中,反正,允恭,安康,雄略と倭の五王時代を描く。
    五王の記述

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    2009年10月07日
  • 古代からの伝言 日本建国

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    邪馬台国と大和朝廷の関わりやエピソードを解説。ヤマトタケルが九州を平定し,更に東国に行った帰りに倒れるまで解説。
    物語ではなく,解説を中心として書かれている。
    古事記,日本書紀,三国志の記載から読み解いていく。

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    2009年10月07日