小島寛之のレビュー一覧
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数学をわかる。
塾で数学を教えていた経験に基づいて、思い切り噛み砕いて数学を説明している本。
実例を挙げて、抽象から具体へと変換する事でイメージが掴みやすくなっている。
導関数など”そうやって算出するもの”としか覚えていなかったが、直近するeという考え方は⊿を使って導関数を導いた微分の最初を思い出した。
学習時は問題を解く事に一生懸命で勿体無かったな、と今なら(だから?)言える一言。
自分メモ
・(負の数)×(負の数)=(正の数)は時間の逆戻り
・定理は公理を使って証明される
・不完全性定理:公理系の内部ではその命題を証明する事もその否定を証明する事も出来ない
・「全体が部分より大きい」と -
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『文系のための数学入門』の著者。
数学嫌い、苦手というひとも楽しめるハートフルで素敵な問題を収録している。
学校教育においての数学は他人との競争であり、いかに早く正確に答えを出すか、ということが評価につながる。
でも、(ありきたりなパターンとして)それを真っ向から批判しないところが妙に心地良い。
途中にはさまれているコラムも読みやすくて良い。
とくに「ひらめき」のとこは生徒に読んでほしいかも。
中高生向けかなー、とか思ったけど、読んでみて自分も楽しめた。
ただこの人は多分「生徒は数学の有用性やファンタスティックな面を知ることで数学嫌いを克服できる」という立場に立って -
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数理論理のifの構文「AならばB」という分は「Aが真であってBが偽であるときに限って偽となりあとは真となるように決められている。
したがってこの論理であれば「構造改革なくして景気回復無し」で「構造改革したけど、景気回復しない」っていうのも真となってしまう。
論理を扱う立場には二つあり、一つは論理分を構成する個々の文の真偽に立ち入って考える立場で、「セマンティックス」(Semantics)、それに反して、文の内容や真偽と無関係に、形式的な推論の仕方だけに注目する立場を「シンタックス」(Syntax)といいます。セマンティックス的な教育を日本では受けてきましたが、現在不明なことを議論するには「シン -
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[ 内容 ]
なぜ資本主義は不安定で、金融市場は混乱するのか。
鋭い洞察力でその「謎」を暴いた、ケインズ理論の「騙されない」読み方。
[ 目次 ]
1 公共事業はなぜ効かないのか―「一般理論」の先見と誤謬(そもそも不況とはどういうことか;どうしてモノや人が余るのか;ケインズは貨幣に注目していた ほか)
2 バブルの何がまずいのか―不確実性と均衡(確率論が通じないサブプライムの泥沼;アブナイとワカラナイは違う―「ナイトの不確実性理論」;人は最も悪い可能性を気にする―「エルスバーグのパラドックス」 ほか)
3 人はどのように「誘惑」されるのか―選好と意思決定のメカニズム(経済活動は「推論」と「決 -
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ケインズというより、作者の話や考えが多く感じるが、けっこう面白いしわかりやすい。
入門編のうちの一冊としては悪くないと思う。
「不安定に上下するのは価格や賃金のほうでなく、むしろ、生産量や雇用量のほうになるはずだ」
「投資需要が決まったことによって、会計部門の貯蓄の総額がその投資と同じ額にきまってしまう」
「プロの経済学者と一般人の最も大きな違いは、貨幣をはさまずにものを考えることができるかどうか」
「(二兆円の公共事業を行ったとすると)納税前の所得は確かに二兆円増える。しかし、これを税金として収めてしまえば、国民の手元に残る可処分所得は前と同じ水準であり、そういう意味で国民の私的な経 -
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仕事で統計学的知識の必要性を感じ、超文系の私でも読めそうな本はないかと探してみたところ、『完全独習統計学入門』というのがなかなか好評。いまだ購入していないけれど。で、その著者である小島寛之さんの本「容疑者ケインズ」が日経新聞の書評でおすすめされていたので読んでみた次第。
ふだん読まない種類の本なので、何かと新鮮で、さらには小島先生の平易な語り口には非常に好感を持ちましたが、、。算数ができない自分が悔やまれる。
で、なんでタイトルは「容疑者ケインズ」なんだろう?「謎ときケインズ」とか「超ケインズ」とか、そんな感じのタイトルの方が中身にフィットするのではないかと思ったり。