原田曜平のレビュー一覧
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渋谷のセンター街、女子高生が何人か行動に座り込み、めいめいケータイ片手にマスカラ塗にいそしんでいる。あたりの迷惑も顧みず、大声で喋り続ける彼女ら。
だが、メンバーのうちの一人がしゃべり始めると、ケータイやマスカラをいじる手はそのままに、ほかのメンバーたちは黙って聞いている、と仲間内で高度に「空気を読んだ」コミュニケーションをとっている。
近ごろの若者(10代後半-20代前半)のコミュニケーションの形態は、30代と明らかに違っている。
コミュニケーション能力が向上しお互いに高度に「空気を読」みあっている。
彼らの特徴は「ケータイ」依存。PCではなく、ケータイであることがキモだ。
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Posted by ブクログ
若者論といえば、的存在になりつつある原田氏の著作。情報病という本で原田氏の存在を知り、チェックしていたので著者名一本買う。
この本を読んで
「近頃の若い者はダメだ」
とは言えないあたりに、著者の皮肉が効いている。
携帯世代(ケータイネイティブ)と新村社会の関係性。新村社会の性質とそこに中に存在することの意味。
これらがメインのテーマである。
実際の若者の言葉から、その関係性が部外者にもおぼろげにつかめるあたりは、力作と言えるのではないか。
構成としては、まずネガティブな性質を洗い出しつつも、後半はポジティブな可能性と、そこに潜む問題を明らかにしていく。
はっきりと言えるのは、人間関係 -
Posted by ブクログ
さとり世代である大学生へのインタビューをまとめたもの。最後の章は、バブル時代に大学生だったバブル世代と現大学生の対談は面白かった。特に、通信手段の発展によって人間関係が変化したことを改めて思い知らされた。著者曰く、
「ケータイとソーシャルメディアが普及する中、小さい頃から彼らががんじがらめにつながった人間関係の中を生きてきたことを指しています。だから彼らはかつての若者のように、無性に目立ちたがったり、ビッグマウスになることはありません。それよりも、ソーシャルメディア村社会の中で、出る杭にならないことを好み、周りの村人から『イタイ』と思われないように、強い同調志向を持つようになっています。
こ -
Posted by ブクログ
時代が懸念していたのとは逆の保守的な層があるというような話なのだけれど。時代の衣を着てはいるが突飛な話に思えなかった。割とオーソドックスな日本人論に見える。見立てや括りとしては面白い幸福度が高いであろう点も見逃せない。あとはそれでいいのか? というような疑問を適切に持てるかどうかだと思う。幸福を感じつつ、それを脅かす資本家サイドの横暴にどう抵抗し、良識ある生活を意識できるかただ、トレンドがそれを証明しているように見えるがそれ故に、風船のような軽さを感じるのが微妙な所。博報堂の人らしいマーケティング分析はこんな風に分析しているのかという感じだった。こういう世帯、世代が増えるのかわからないけれどい