原田曜平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1977年東京出身の博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーによる現代日本若者論。著者には他に『ヤンキー経済』(幻冬舎、2014年)などの現代日本若者論が存在するが(「マイルドヤンキー」という言葉を生み出したのも著者である)、本書も「パリピ」(パーティーピープル)という切り口からの現代日本若者論となっている。
と言っても、本書は既に4年前の本なので、本書のパリピ像と現代のパリピ像はかなり異なっているだろう。それを承知の上でまとめると、パリピとは、「インターネットの発展によりマスメディアや広告代理店を通さずに、直接流行の発信者(フィクサー)に連なり、流行を最前線で享受する層」ということになりそうである。
“ 1970年代から90年代にかけての若者のトレンドは、ヒット曲しかりファッションしかり、テレビ番組や雑誌や広告といった「マスメディア=プロの大人」が仕掛けて作り出すものでした。もしくはプロの大人たちがトレンディーな若者たちとつながり、そこから流行を作り出していきました。前世紀までよく聞かれた「広告代理店の人と知り合いの大学生」が、一定の地位を確保していたのはそのせいです。
しかし現在、若者のトレンドのかなりの部分はこのような大人が作ったシステムの外で生まれ、場合によっては、大人たちに知られることのないまま、拡散していきます。
その立役者として中心的に機能しているのがパリピです。ハロウィンのように、パリピが流行らせたものが老若男女をも巻き込んだ国民的なイベントに発展していく可能性も、あわせて留意しておきたいところでしょう。”(本書17-18頁より引用)
“ パリピは既に巷で流行っているものをミーハーに追いかけるのではなく、海外セレブや国内の一部で流行っているものをいち早く見つけ出す嗅覚を持ち、それを自分のものにしてマスに対して伝道する役割を持っています。”(本書22頁より引用)
興味深いことに、2016年刊行(ということは本書に出てくるようなパリピ像がリアルだったのはさらにその数年前)の本書には、パリピが飛び付く上流の文化の発信源として、韓国の存在が挙げられている(48-51頁)。インターネットやSNS上での反韓国的言説(というのも嫌になるようなヘイト表現)を目にする機会を思うに、流行に最初に飛び付く位置にいるパリピの親韓国的な感覚と、流行を後追いする側にいそうな人々の反韓国的な感覚のズレがまさかここまで大きかったとは。2010年代半ばには日本は韓国からオシャレなものを学び、取り入れなければならない立場になっていたのだ。
ただ、統計その他のデータ面で弱い気がする。極端な話、全部著者の目に入った特殊な人々の話であって、「パリピ」という言葉でまとめて一般化して語れる存在ではないのでは?というような疑問も成り立たないではない。しかし、にもかかわらず、やはり著者の身の回りには、このような人びとの世界があるのだろう。パリピの特徴の一つとして著者は、「家の裕福な人が多い」(63-64頁)ことを挙げているが、現代日本の格差社会の上層部にいる若者達はこんな風になっているのだと改めて思った。1920年代の日本の富裕層の若者達が「モボ」とか「モガ」とか言われながら外国の文化に被れている最中で、そんなことはどこ吹く風と極右や極左が勢力を伸ばしていた構図と、なんとなく被る気がしないでもない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前半の事例はあっさりしていて、
もう少し掘り下げて欲しいなぁと思うところも。
後半のインタビューの極意部分がおもしろかった!
今後の取材に活かしたい。
〜メモ〜
定量調査=数値で集計できるもの
定性調査=調査対象者の発言や行動を収集するもの
グループインタビュー
デプスインタビュー=対象者一対一で行うインタビュー
参与観察=被観察者の行動を観察するもの
20代男性の8割は化粧水を使っているが、そのうちの9割が母親からの勧め
ビーンボール法
あえてKYな発言をぶつけて相手の本音をあぶり出す
ラポール形成法
信頼感を築くため本題と離れても様々な種類の質問を投げかける。
それでも心が開けないうちは自分の話をする。 -
Posted by ブクログ
とある課題の参考資料として読んだ。
読む前は、若者を投票に行かせるには、なだめすかして、、、よりも、ビシッとガツンと一喝して目を覚まさせるのが解決法じゃないかと、カツテの若者である私は思っていたが、読んだら考えが変わった。
若者も政治に興味ない訳じゃないんやね。興味あるけど自分が投票なんておこがましい的な考えを持っていたのね。サトリ世代とか書かれてたけど。
私なんて、なーんも分かってないけど、投票直前に慌てて選挙公報みて、ザザッと投票してくる、て感じだけどね。
でも、私も若者の頃は行かなかったな。民主党に政権交代した、あの異様に盛り上がった選挙から、やっと投票するようになったんよね。
政治的になんかすっごい盛り上がるイベントがないと、やっぱ選挙そのものに興味持ちづらいよなー。
まあ、無理か、なんてことに私の考えは落ち着きましたよ。 -
Posted by ブクログ
5年前の本だけれども、今も通用するのかしら。
正直、私は著者と同じロスジェネ世代でかつ、地元を出てしまっている人間なので、マイルドヤンキーと呼ばれる人たちの気持ちは理解できなくもないが、共感はできない。
著者はリテラシーとコミュニケーション能力と言う軸で、若者を「エリート」「オタク」「ギャルサー」「マイルドヤンキー」に分けるけれどもその比率ってどんなもんなんだろう?
地元に属さない私にはマイルドヤンキーはレアな存在に感じてしまう。EXILEは確かに売れていたが、購買層にマイルドヤンキーを含んだだけで、マイルドヤンキーでEXILEが売れたと言えるのだろうか。とかマイルドヤンキーへの訴求ってのが本当に魅力的なの?と言うあたりに多少の疑問が残る。 -
Posted by ブクログ
あれ?この表紙岩波新書?と一瞬思ってしまうが、幻冬社新書である。
昔、不良と言えば私の中では、横浜銀蝿と風雲たけし城に出てくる的場浩司率いる「バックれんなよ」のイメージだったのだが、おばさんになり勤めはじめた中学の俗に言うワルな子たちはエグザイルみたいでなんかホストみたい?かつてのあの不良たちは?この30年ほどに何が?と、経済の部分はさて置きその変遷がとても気になっていたのだが、本書を読んで大人の世情や経済的要因が、多感な時期の子どもに与える影響も垣間見えた。
子どもの頃、深夜、ヴーンヴーンという騒音が遠くから聞こえて目が覚めることがしばしばあり、あれは近くの産業道路を爆走する暴走族の爆音だったのだ、と随分後になって気がついたのだが、今はその暴走族もほぼ姿を消した。
本書の中の対談で、筆者の友人の元暴走族のK君が「変な言い方だけど、暴走族がいると悪いことが減るんだよ。暴走族が一軍だとすると、二軍、三軍の不良は、一軍が怖いからそこまで悪いことができなかった。今は一軍の暴走族がいないから、二軍、三軍が遠慮なく悪いことをしちゃってる。」と言っているのが印象に残った。
筆者がちょっと上から目線で書いている気がして、そこが引っかかる。2019.1.20 -
Posted by ブクログ
広告作りとは、インサイトを表現化すること。インサイトとは、消費者の心のツボ、消費者の潜在ニーズのことをいい、顕在化していれば、思わず口をついて出る「そう、それ」。「そう、それ」をいかに喚起するかが本書のキーワード。インサイトを導き出すのがマーケティングの仕事であり、表現するのがクリエイティブの仕事。表面的でトレンディ―なキーワードだけではもはや若者は騙されなくなっている。本物のインサイトをつくことが肝要。インサイトをついている商品は皆、魅力的な「実は」を持っている。表現の面白さや突飛さのみを求める今の風潮。あらためて公告のあり方を改めて考え直させられた。