石渡嶺司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「就活」に関わる企業・大学・学生それぞれが演じている・演じざるをえない悲喜劇を描いたレポート。
★☆ ★☆ ★☆
4章欄外の「ハミダシ情報」。「学生の言いやすい、だけどダメな質問やひと言」と、それに対する「採用担当者の心の叫び」は抱腹絶倒。
「今日の私を見て、どんな感想を持ちましたか?」
答えずれえなあ。それとも、うちの会社の面接は練習か? こっちは大迷惑だ。
(p196)
「今後の就活の参考までに、なぜ落ちたのか教えてください」
教えられるわけないだろ。てめえで考えろ! そんな貴様が大嫌いだ!
(p197)
どちらの質問も自分のことしか考えていなくて、まわりの見えてなさが顕著。
こういう人たちはいても足手まといにしかならず、一緒に働きたくないタイプ、と面接官は判断するから、まず落ちるだろうな。
それにこの手の質問をする人たちって、自分の欠点になかなか気づかないタイプが多いような気がする。だから社員としての教育にも余計時間がかかるコスト高の人たち。
「あの、仕事は楽しいですか?」
あのさあ、どう答えろって言うんだよ。
そともなにか、楽しくないように見えたか?
(p198)
担当者の反応はわかるなあ(笑)
常識はずれの質問。
「御社の選考では、本当の自分と御社が求める自分、どっちを出すべきだと思いますか?」
そういう質問をするバカはいらん。
(p199)
「ぶっちゃけ、お給料はいくらですか?」
株式報告書見りゃ一発だろ。彼女にも明かしていない秘密を聞くんじゃねえ。
(p200)
「夏休みはどう過ごすべきですか?」
知らないよ、そんなの。一夏かけて、そのセコい発想を変える努力をしてくれよ。
(p206)
「大学院に行こうかどうか悩んでいます」
勝手に悩め。ここは職員室でも家族会議の場でもないし、神父の小部屋でもない。
(p207)
「転勤とかありますか?」
あるに決まってんだろ! 転勤がイヤなら転勤のない職種か契約社員にでもなりな。あと、「とか」って日本語やめろ!
(p215)
「営業ってつらいですか?」
つらいに決まってんだろ! 営業にかぎらず、どんな仕事でもつらいときがあるのはあたりまえじゃ、ボケ!
(p216)
「私はクリエイティブな仕事が向いていると思います」
どの仕事もクリエイティブだよ。広報や企画の仕事をクリエイティブと決めつける感性は貧しすぎるだろ。
(p219)
だいぶ創作も入っていると思うけれども、こんな質問がほんとうにたくさんあるとすると、採用担当者はけっこう大変だ。
企業が求めている最低限のラインは、社会人としてオトナであることだろう。
上記の質問はどれもこれもコドモの質問。
私は採用面接はしたことがないけれども、ここに書いてある採用担当者の反応は、会社の人間としてはどれもこれも標準的なものだ。
もしこんな質問をする新人を部下として配属するがどうかといわれたら、みんな断るだろうな。私もご免こうむりたい。コドモのお守りはしたくない。忙しいし時間の無駄。そりゃあ本当にこんな質問されたらニコニコして愛想良く答えるけれどもね。でもアッチにいってもらいたい。
こういった質問がオカシイかどうかに気づくのは社会人としての常識があるかどうかということなんだろうけど、本書でも言われているように、新卒学生はそれまで親や同年代との交流しかなくて、急に一般社会と接するわけだから、こういう未熟で甘ったるい質問が出てくるのも、ある意味当然なのかもしれない。
だから、常時社会人と交流がある慶応の学生や、親戚づきあいをしている学生が「就活」の場でも評価が高いのはそのとおりだろうと思う。社会でのつきあい方をすでに経験してきているわけだ。
当然のことなんだけど、頭の良さ努力も熱意も、会社で一緒に働ける人材であってはじめて意味を持つわけで、そういうベースが感じられなければ、いくら美辞麗句を並べたって「就活」は成功しないだろうな。
「勉強型」の学生はそういうのは苦手かもしれん。
でもこれも要は慣れなんだけどね。
学生時代にたくさんの社会人とつきあうことだと思うね。
相手は男女を問わず。 -
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<目次>
プロローグ
第1章 夢が就活を振り回す
第2章 「大学名差別」の正体
第3章 無名校と普通の学生の逆襲
第4章 企業は何を見ているのか
第5章 ブラック企業と優良企業のあいだ
付録 日本人なら知っておいてもいい企業300
<内容>
大学生の就活問題をズバッと斬っていく著者の最新刊。今回も核心を突いている。就職に(働くことに)「夢」って必要なのか?(夢の定義は「専門的職業に就く人」と「一般的な職業の人」では違う)。就活に大学差別があるのか?(「学力不問」だが「実力不問」ではない)。企業の面接やエントリーシートで見ているところ(「志望動機」はありきたりになるのでなるので参考にしないが、本人の経験は重視する。結局は「社会人慣れ」していれば、就活は上手くいく)。ブラック企業、優良企業って何?(視点によってキリンビールもワタミもどちらにもなる。結局は社員の仕事への納得度。)。最後にいかに学生は(我々も)社会を知らないかが、企業300のリストからわかる(でも、自分でしっかりと企業研究をしないといけない!)。 -
Posted by ブクログ
<目次>
まえがき
第1章 世間の空気で騙される
第2章 親で騙される
第3章 大学で騙される
第4章 就活産業で騙される
第5章 企業で騙される
<内容>
就活や大学入試の周りの話題をうまくまとめる著者。今回は女子大生にしぼって(貧困系ではなく、常識の範囲の女子大生)、就活周りでの苦労を調査し、まとめています。私の周りにも近い将来就活をする者たちが多くいますが、結局は「柔軟な思考ができ、新聞購読を含めて、社会勉強をしっかりとした」学生になることが大事!ということですね。親や大学という、障害物もありますが、自己がしっかりとしていて、親離れができていれば、就活はうまくいくのだと思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作「就活のバカヤロー」が2008年の発行だという。
そのころ、俺はと言えば大学4年生だった。
東大から原子力工学の講師で来ていたK教授が「日経を読みなさい。経済は大変なことになる」としきりに言っていたことを覚えている。
実際、リーマンショックが起き、買い手市場となった就活戦線において、内定を着実に手にする仲間の中で失敗し続けることになった。
30社以上にエントリーシートを出し続け、エントリーシートも玉切れして、二次募集の企業を必死こいて探しまくっていたあの頃。
「東京出身なのに、どうして長野県にしたの?」
って聞かれて「山が好きだからです!」って言ってるけど実際のところは
「ここしか内定をもらえなかったからです」
と今でも言えない。
という俺の就職活動、二度と思い出したくないトラウマである。
良かったことと言えば、元々は読書など全くしなかった俺だが就活本を読み漁るようになり、いつの間にか読書好きになっていたことかな。
さて、あのころ読んだ就活ルポ「就活のバカヤロー」の続編「就活のコノヤロー」が本屋に並んでいるのを見て懐かしさで買ってしまった。
最近の就活って、さらに大変だよね。
選考時期はさらに後ろにずれ込んで、卒研の力の入れ時に就活が重なるわ、
俺みたいに内定が決まらずにズルズル後ろにずれ込むと9月10月になっちゃうでしょ。
それじゃ卒研、卒論には手が付けられないよね。
みんな一斉に就活なんて無くして、自分が就職したいと思ったときに就職する。
それこそ、大学一年から採用してもいいと思う。
働きたい奴が働けばいいんじゃない?
みんなが就活するから就活しよう!なんて奴は落ち続けること必至ですよ(俺がそうだし)。
大学なんて卒業よりは入試突破した学校のレベルで学力はお察しでしょう。
まぁ、みんな同じが一番の日本では土台ムリですけどね。
さて、本書を読んでると就活なんていつの世も変わらないなぁ、なんて達観できるほどには会社人生に染まってしまっていますね。
本書はいわゆる就活本ではなく、就活ルポである。
学生にとっては、へぇこんなこともあるのか、
社会人にとっては、こんなこともあったなぁ。
と思えばそれでいいと思うよ。
まぁね、就職なんて会社に入ってみなければ、その企業のことなんて絶対にわかりゃしないよ。
就職も大変だけど、本当に力を入れなきゃいけないのは会社に入った後だからね。 -
Posted by ブクログ
私が経済学を教える大学教師になって25年以上になる。この間ずっと悩んできたことは学生に何を教えるか、という問題である。ほとんどの学生は企業に就職するわけで、その企業での仕事に直接、間接に役立つことを教えたいと思いながら、それが何かがよく分からないまま今に到るというのが現状である。そのことをより強く意識するようになったのはやはり1990年代以降の平成不況のもと、就職戦線が厳しくなってからである。1980年代にはあまり見られなかったが、1990年代後半になると、ゼミ生のうち2,3人の学生が内定をもらえないという状況になってきた。勢い、教師としても、「内定のもらえる学生さん」を育てなくてはダメだろうと思ってしまう。
さて、教師の目から見て「よく出来る学生さん」が必ずしも、いわゆる世間でいう一流企業から内定をもらう訳でもないことに早くから気づいていた。場合によっては1年生の基礎演習から教え、2年生の秋学期以降の2年半にわたるゼミを担当するので、その間、通常のゼミ以外にもディベートや合宿など色々な行事を通じて学生さんの性格などを把握している積もりだが、私の予想を裏切るケースも結構多い。採用は面接が主体で決まるため、どうしても人当たりの良さとか、表向きの快活さ・積極性が評価されてしまう嫌いがある。
いわゆる「就活」というものが、学生さんの能力やポテンシャルを正当に評価するものかどうかについて疑問を持っている。そういう中で日経新聞の広告で見つけたのが、標題の新書である。本書は就職活動に登場する、学生、大学、企業、就職情報会社の「イタイ」実態を暴いている。著者の言葉を引用すれば:
「自分を偽り、マニュアル通りのやり方をしてしまうイタい学生と、結局その学生を、表面的な「コミュニケーション能力」や「学歴」などで「優秀な学生」と判断してしまうイタい企業。そしてこのような学生と企業が存在することが、さらにまわりのイタい学生を増殖させていく―――。」
となで切りである。ついでに就職情報会社も企業と学生を相手に金を稼ぐ、悪者として描かれている。確かに同感できる面が多々あるものの、単にイタい実態を描いているだけで、あるべき就活というものが描かれていない点では大いに不満が残る本であった。
しかし、そんな理想が簡単に見つかるものでもなかろう。そう割り切れば、本書には就活の実際を、裏事情も含めてレポートしている点では、なかなか興味深い読み物ではある。たとえば第1章「就活生はイタすぎる」では、どのようなエントリーシートや面接がいけていないのか、具体例がたくさん紹介されており、反面教師として利用できる。第3章「企業の『採活』真相はこうだ」では企業の採用活動の実際が紹介されており、就活の学生さんが押さえるべきツボが分かるようになっている。第4章「インターンなんてやりたくない」ではたった1日のインターンは実は単なる会社セミナーに過ぎないことなど、インターンという言葉に踊らされることはないことなどが暴露されており、これから就活を迎える人たちには参考になる話が多いものと思われる。
全般にジャーナリスティックな書かれ方で、多くの学生や企業にアンケート調査するなどの実証的な方法は採られていない。エピソードの紹介に留まっている点でアカデミックではないが、それらのエピソードは「かなり、それらしい」話が多く、学生さんが読んで損になる本ではないようだ。
(執筆日:2008年11月8日 mixiへの投稿をコピーしました) -
Posted by ブクログ
教員採用試験の勝ち組はどういうことをする学生なのか、ということがコミカルに解説された本。試験そのものに加えて、教員という仕事について、試験を受けるまでの教職科目の取り方から教育実習のやり方、民間との併願の状況なども解説されている。
各章に「まとめ」があって、それが面白い。例えば「・都市部の教員は採用者数が多く倍率が低いです・都市部の教員は退職者数が多く残留率が低いです・都市部の教員採用は大量退職を見込んで大量採用します・大量退職を見込んで大量採用する民間企業を、世間では『ブラック企業』と呼びます」(p.30)という、笑える(?)オチがついている。ただこの本を読めば、きちんと普通に勉強して、社会人としての常識があれば受かるんじゃないか、という感じが強まった。神奈川県の合格最低点が公開されており、この本にデータが載っているが、専門教養とか5割切るような低い成績で合格させていいの、っていう感じで衝撃だった。教職大学院、民間人校長などの昨今の施策の現状についても紹介されており、いかにうまく機能していないかということが分かる。教員にすでになった人が読んでも、教員目線での愚痴っぽいことも多く書かれており、面白いと思う。(14/02/05)