夏井睦のレビュー一覧
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正義感や使命感をもった素晴らしい医者であり、誠実さが本からも滲み出てくるようだ。著者が主張する、傷の湿潤療法は、傷口を消毒して乾燥させるのではなく、傷口を水道水で洗い流し、湿らせた状態のまま治すものとして、最近では最早市民権を得ている治療法だと思う。お値段高めのキズパワーパッドなども売られている。
本書では、そのメカニズムや実際の治療法や効果を説明するだけでなく、従来の方法からのパラダイムシフトに関しても多くのページを割く。痔や口内、内臓の傷では殺菌消毒ができない。でも、化膿することは稀である。
ー 浅い傷の場合には毛穴(および汗管)から皮膚が再生する。傷が深い場合にはまず肉芽が傷を覆い、 -
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今受けている熱傷治療に疑問を持つ人は読むべき。きっと納得できるはずです。
熱湯による火傷から今日で11日目。自身で応急処置、翌日近所の皮膚科を受診。しかし、そこは火傷は専門外だったらしく美容系。スタッフの手際の悪さに呆れて、翌日「やけど」の文字があった皮膚科を受診。ここは医師の診断も素早く、看護師の処置も手際よく俊敏だったので、ひとまず安心した。しかし、負傷3日目にして化膿そして高熱が出た。幸い、処方された抗生物質が効いたのか4日目朝には解熱。患部にはクリーム状抗生物質をガーゼ塗布。ここから激痛との戦いが始まった。当初は疑わずにいたが、3回目の診療にて疑問を持つ。そして、この本を読んで逃げる -
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炭水化物を減らす食事の、効能を様々な研究結果からまとめたものである。
この本では、
・カロリーは等価ではないこと
・同じカロリーでも脂肪になるものとならないものがある
などといった話をまとめている。
参考論文も丁寧に引用しており、大変勉強になった。
●目次
落とし穴1 食事制限によるダイエットはうまくいかない
落とし穴2 カロリー制限は減量を失速させる
落とし穴3 カロリー制限は病気にかかりやすくなる
落とし穴4 低脂肪食は減量に効果なし
落とし穴5 体重はカロリーの数値だけでは決まらない
落とし穴6 炭水化物で満腹感は得られない
落とし穴7 肥満の原因は「頭のなか」にある
落とし穴 -
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■インスリンは脂肪調達係
・野生動物や先史時代の人で「血糖値は下がることはあっても上がることがなかった」のであれば,「血糖値を上げるホルモンが5種類なのに下げるホルモンは1種類(インスリン)だけ」というのは不思議でもなんでもなくなる。それどころか血糖降下専用ホルモンは生物には全く必要なかった。
・インスリンの本来の機能は何か。
・インスリンの作用。
①グルコース輸送(筋細胞や脂肪細胞でのグルコースの取り込み促進)
②糖代謝(グリコーゲン合成・解糖促進,糖新生抑制)
③脂質代謝(脂肪合成促進,分解抑制)
④成長促進(タンパク質合成促進,分解抑制)
・要するにインスリンは「タンパク質合成とそれに必 -
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表題通り、この本を読むと以下に、傷に対して間違った対応をしていたのか分かる。この本に従えば、これまで痛かった傷もすぐに痛みがとれ、かなりひどい傷でも、綺麗に治る。
しかし、この本の価値はそれに留まらず、医学が科学になるヒントが含まれていると思った。生物学や化学の知識をベースに治療が検討されるようになったとき、医学はこれまでの常識を脱ぎ去り、金儲けの技術から、患者を助ける技術に昇華するであろう。
以下注目点
・消毒薬は傷を深くする。接触性皮膚炎や、アナフィラキシーショックの元になる。消毒すればするほど、傷は深くなり、化膿する可能性が高まる。
・傷をなめると痛くなくなるのは、濡らすから。乾かすと -
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この本はタイトルにある通り「最終解答編」となっている通り、前作は私の読書記録によれば、2013年10月頃に読んだことになっています。今から四年程前、脂肪やカロリー過多が肥満の原因になると思っていた私は大いに衝撃を受けたことを記憶しています。特に私の大好きな、麺類・パン・果物に糖質が含まれていて、摂取制限リストに入っていたのは、その情報が正しいと頭では理解できたにも拘わらず大いにショックを受けました。
それ以来、それらをキッパリと止めていれば、今頃スリムな体型に変身できたのかもしれませんが、相変わらず、パスタ・近所の美味しいパン屋さんのパン・月一で楽しみにしているフルーツは続けています。これら -
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うーむ。本人も「大胆な仮説」と書いてあるからあれっちゃあれだけど。
とはいえ、ただの妄想では?って思うし、仮設間の矛盾も多いし(進化は何万年の時間がかかるとかいいつつ、パンダは1週間で変わるとか、、)
そもそも、炭水化物はやっぱり必要だと思う。
どこまでが真実かはわかりませんが、非常に面白かった。
よくある、血糖値が高くなるのを抑えてインスリンが分泌、しぼうを増やす、という話はもちろん、脳の唯一のエネルギーがブドウ糖であり、そのための糖新生が脂肪を減らす?という話も非常に細かくかかれている。
頭を使いすぎると痩せる、というのもあながちなくはないハナシではないのではと思った。
それだけにとどま -
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いいねぇ。題名が。
このパワフルな 題名こそが 意味があるのかもしれない。
『糖質制限』というより 『糖質 ノー』と言う感じ。
なぜ 糖質制限しなければならないかを
外科医である 著者が 自ら実践し、
スマートになり、二日酔いがなくなり、よくねむれる。
そこから
糖質制限とは どんな意味があり、
なぜ間違った糖質への理解があるのかを追求する。
糖質は 栄養素ではなく まさに嗜好品だとさえ言い切ってしまう。
バランスのとれた食事とは 平均値から生み出された経験値であり
科学的根拠があるわけではないと言い切ってしまう。
現在の 栄養学会 カロリーの考え方 糖尿病患者への対処
などを 徹底的に た -
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けがややけどは消毒して傷薬を塗るのではなく、きれいに洗った後、白色ワセリンを塗ったラップで覆って自然治癒力に任せた方が、痛くなく、早く、きれいになおるという、びっくりするような主張の本。
一見「トンデモ医療」の本のように見えてしまいますが、読むと宗教がかった思い込みのものとは正反対で、著者は形成外科の経験のある医師であり、生物学的な現象の機序を明らかにしており、自分自身の体での実験も行っているとしていることで、ものすごく説得力を感じました。
とはいえ、あまりにもこれまでの常識とかけ離れているので、直ちに実践するには相当勇気がいりますが、次回自分自身のけががあったときには、必ず念頭に置いておきた