夏井睦のレビュー一覧

  • 傷はぜったい消毒するな~生態系としての皮膚の科学~

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    湿潤治療を確立した医師による、旧態然とした医学会への挑戦状。
    読者として、火傷・アトピー性皮膚炎へ役立つ。
    人間と共存する常在菌の大切さも勉強になった。
    医学だけでなく全てにおいてパラダイム転換の重要性を学んだ。
    素晴らしい本。

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    2013年03月21日
  • 傷はぜったい消毒するな~生態系としての皮膚の科学~

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     著者が提唱する湿潤治療。具体的な処置法だけでなく思想的背景まで踏み込んだ記述。
    「この湿潤治療は基本的に、私が独力で作り上げ、理論化したようなもの」「消毒薬は現代医療の根幹に食い込んでいる」「EBMの発想自体は悪くないのだが」というような物言いにはちょっと構えてしまうけど,「消毒文化」の歴史,傷が治るメカニズム,人体と細菌の関係,創傷治療の専門家不在や創傷治療軽視の風潮等からしっかり論じられていてなかなか説得力がある。

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    2013年03月10日
  • 傷はぜったい消毒するな~生態系としての皮膚の科学~

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     以前に科学の歴史の本を読んでいて「パラダイムシフト」について、考えさせられることがあった。
     知れば自明のことなのに、過去の知識の積み重ねや、世間の常識などに捕らわれ、なかなか新しいことを認められない。意地ではなくて、人の本能や脳のシステム上、どうしようもないことであると思う。(簡単に言いえば、コロコロ代わると拠り所となる根幹が確立できない、ということ)

     そして、社会システムが過去の成功の積み重ねを評価するのが安全である場合(そらそうだ)、新しい技術をすぐに認めるのは難しい。
     だからこそ科学者ではなくて、一般人が「新しい技術」を知ることを怠ってはいけないと思うんだよね。新しい技術を知る

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    2012年12月28日
  • 傷はぜったい消毒するな~生態系としての皮膚の科学~

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    ネタバレ

    この夏井先生はお医者さまだが、今を生きる人生論までこの本は書いてある。
    なぜ消毒してはいけないかの解説にまで天動説や地動説、さらには地球上で繰り広げられている歴史まで書かれている。

    「パラダイムシフト」は今ある通説のあたらな逆説が大きな原動力となるとまで記載されている。
    我が三男がアトピーを書き壊し、おそろしいほどの浸潤液が出でいた頃、この浸潤療法を試してみたら3日であたらしい皮膚がよみがえってきた。いままで2年間悩んでいた??ものは

    というくらいの快挙ある方法。ぜひ一読あれ。

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    2012年12月12日
  • 傷はぜったい消毒するな~生態系としての皮膚の科学~

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    長らくお決まりとなっている、傷(切り傷擦り傷やけどなどの外傷)は消毒し、乾燥させる治療は間違いで、湿度を保って空気にさらされないようにすることで早く綺麗に痛みもなく治るという湿潤治療に関して、なぜそうなるのかも素人にもわかりやすく解説してある本。
    近頃巷でよく聞く「キズパワーパッド」などがその湿潤治療に当たる。

    実例、実績もあるのに、なぜ湿潤治療がまだ然程普及していないのか、主たる原因である医学界の構造についても面白い例えを交えつつ辛辣に批判し、最後の章は皮膚や神経構造の進化についてSF並に(言い過ぎか)面白い仮定を披露して終わる。

    後半部分はともかく、湿潤治療や、なぜ従来の治療法がダメな

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    2012年07月31日
  • 傷はぜったい消毒するな~生態系としての皮膚の科学~

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    医学は生物学の中でこそ生きてくる。傷ややけどが驚くほど簡単、きれいに治る方法は人間の体からのメッセージに素直だった著者だからこそ発見できたことなのでしょう。個人的に好きなのは化粧(やシャンプーなど)が皮膚に及ぼす影響のところ。美しくありたいというのはだれしも思うところだから。それからぜひ薄毛とか脱毛についても考察してほしいです。

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    2012年09月13日
  • 傷はぜったい消毒するな~生態系としての皮膚の科学~

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     この本はすごいぞ!
     
     こんな画期的な治療方法を普及させないのは、なにより患者にとって良くない。
     
     しかし医学界の旧態依然とした体質にはあきれるしかない。
     
     脚気治療にオリザニンを発見しながらの森鴎外みたいなお馬鹿医師に邪魔された鈴木梅太郎や、学歴がなかったばかりに学閥に縛られた日本を出るしかなかった野口英世の悲劇は遠い昔の話ではないようだ。
     
     幸いな事にこの治療法は個人でも簡単にできてしまう。一家に一冊の必需品だ。

     擦傷や軽度な火傷で医者(特に大病院)に行くのは止めたほうがいい。傷痕が後々まで残るだけだ。



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    2017年08月15日
  • 炭水化物が人類を滅ぼす~糖質制限からみた生命の科学~

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    もともと自身のダイエット経験から糖質制限には肯定的であった。
    肌が綺麗になる、胃痛がなくなった、朝スッキリ起きれる、むくみがなくなる、二日酔いしない、というのは糖質制限以降、実体験として感じておりこのおかげだったのかと腑に落ちた。
    しかし、フルーツは摂っても害があるようには感じられない。肌が綺麗になるし食物繊維や水分が多いため砂糖の使われたおやつを食べるくらいならフルーツをたくさん食べるのが良いと思う。
    糖質制限をし、脂質を多く摂るとお腹が空きにくくなるため結局はダイエットは続けられることが大切なので我慢しないダイエットとしては最高だと思う。
    多少偏りはあると感じたが、糖質制限について網羅され

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    2023年11月23日
  • 炭水化物が人類を滅ぼす【最終解答編】~植物vs.ヒトの全人類史~

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    炭水化物が人類にとって悪影響を及ぼすことを記した本の続編。

    例によって後半は人類と糖質の歴史で、そっちの方が面白かった。

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    2023年01月22日
  • 傷はぜったい消毒するな~生態系としての皮膚の科学~

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    ・2009年発行。著者は医者。
    ・消毒せず乾かさないと傷が治る(外傷の湿潤治療)。キズパワーパッド。白色ワセリンを塗ってラップする。
    ・傷のじゅくじゅくは最強の治療薬。浸出液(=細胞成長因子)を外に逃さない。
    ・情報は共有されてこそ価値がある。
    ・消毒薬はどうやって細菌を殺しているか。破壊のターゲットはタンパク質。人間の細胞膜蛋白も破壊する。
    ・根拠はないのにその時代の誰もが信じていることをパラダイムという。
    ・臨床医学はパラダイムだらけ。なぜなら人間の体はブラックボックスだから。
    ・ひとつのパラダイムから次のパラダイムに置き換わる現象をパラダイムシフトといい、科学の歴史には何度もパラダイムシ

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    2021年12月30日
  • 炭水化物が人類を滅ぼす【最終解答編】~植物vs.ヒトの全人類史~

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    糖質制限とかロカボとか、よく耳にするけれど、いまひとつ何のことか理解していなかった。火傷をきっかけに著者の本を手に取り、立て続けに読んで、人間の身体のことについて、いろいろと考えるに至った。自然環境も社会環境が、これほど短期間で激変する時代が来るとは、誰が想像しただろうか。狩猟採集から定住、そしてその先にあったのは労働と搾取。皮肉にも富は糖質を多く摂取することと似て非なるものになってしまった。そして、今貧困層が口にできるものが「糖質」の塊みたいな食事に成り果ててしまったという歴史を踏まえて、私たちが気をつけなければならないことが、わかりやすく端的に書かれている。

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    2021年05月07日
  • 傷はぜったい消毒するな~生態系としての皮膚の科学~

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    火傷をして悶絶しながら、なんとかこの痛みから脱したいと思い、この本を手に取った。そういえば、10年以上前に、赤十字の講習を受講した際に、湿潤療法のことを教わった。それがこの著者のサイトだったのだ。サイトは見たが著書は読んだことがなかった。いろいろ納得できたので、最新刊は購入することにした。
    火傷の治療、今かかっている医師を否定するわけではないが、あまりに痛すぎるのである。そして患部に残った正常な部位がどんどん爛れてきているではないか。我慢、我慢、忍耐、忍耐、気合いで治すのが熱傷なのか?!

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    2021年04月04日
  • 傷はぜったい消毒するな~生態系としての皮膚の科学~

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    ネタバレ

    え、消毒って、過去の産物なの?
    確かに口内炎って消毒しないけど、化膿したことない。
    筆者は門前仲町の「なついキズとやけどのクリニック」院長であり、創傷被覆材「プラスモイスト」の開発者でもあり、超絶技巧的ピアノ弾きでもあるそうな。
    ワセリン愛好家としてはウンウンと納得できる話多し。
    あと、第11章の「脳は皮膚から作られた⁉︎」仮説が特に面白かった。神経伝達物質が元々は創傷治癒物質で、その特性がそのまま神経質伝達物質として適用されたってんである。あ、鎮痛剤が火傷の痛みに効かないってのも知らなかった。何気に重要よね?

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    2019年12月08日
  • 炭水化物が人類を滅ぼす~糖質制限からみた生命の科学~

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    糖質と労働の関係、腸管と共生細菌、食性適応のための形態変化…まではともかく、チューブワームまで出てきた。個人的には面白かったが、化学合成生態系を持ち出すと、話が拡散し過ぎでは…?

    そして、エネルギー源の変化と地球上生命体の進化を考察するVII章は、もう完全に別の話。
    水素仮説を知らなくても、糖質制限はできる!きっと(笑)

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    2019年10月29日
  • 傷はぜったい消毒するな~生態系としての皮膚の科学~

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    【要約】
    ・傷口は消毒して乾燥、というこれまでの医学界の常識は誤っている、傷口は消毒せず、湿潤状態で治癒する。

    【ノート】
    ・blog not foundでの紹介
    ・傷に対するケアとして湿潤治療の存在を知るだけでも随分と役に立つが、その理屈に至った著者の過程を教えてもらうのが、また面白い。さらに、細菌と、その存在意義についても理解が深まった。
    ・人間と細菌の共存関係。皮膚常在菌と黄色ブドウ球菌、「人食いバクテリア」ことレンサ球菌。「きれいずき」で石鹸で洗い過ぎると皮膚常在菌が減少して、他の悪玉細菌を呼びこむ余地を作ってします。
    ・脳と皮膚は源が同じ、という仮説。

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    2018年10月28日
  • 炭水化物が人類を滅ぼす【最終解答編】~植物vs.ヒトの全人類史~

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    「糖質制限」について医学的に解説する前半より、その生物のメカニズムから「生命史・人類史」を紐解く後半の方が面白いし、本著の主題である。特に、本来遊動生活をする生物がどのような経緯で定住するようになったかや、ボノボやヒトの性行為が他の哺乳類と異なる意味を持つなど興味深い。

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    2018年06月19日
  • 炭水化物が人類を滅ぼす~糖質制限からみた生命の科学~

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    バランスの良い食事のいかに根拠のないことか、カロリー表示によるダイエット効果の嘘、わたしたちが日ごろ感じる空腹とは、糖分を欲している身体の禁断症状(麻薬が切れると同じこと)である。などなど・・・実に耳新しいことのオンパレード、久びりに読書の醍醐味を味わった本書である。読書の醍醐味とは:知らない知識を吸収すること

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    2018年03月18日
  • 炭水化物が人類を滅ぼす~糖質制限からみた生命の科学~

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    ただのダイエット本かと思いきや、後半怒涛の人類歴史ものになってとても面白く読めた。
    科学ものをもっと読まなければいけないですねー

    あとがきで、もちろん仮説ではあるが、と著者は言っているが「コムギの甘さに人類は驚いたのではないか」という説は結構いい線をいっていると思う。

    まるで、仏像のキラキラ具合に驚いた日本人のようである。

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    2018年03月06日
  • 炭水化物が人類を滅ぼす~糖質制限からみた生命の科学~

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    糖質制限ダイエット啓発本と見せかけて、ブドウの摂取・消費やカロリーの概念など栄養学の常識に疑問を呈しつつ、生命40億年の「食」の歴史を辿る。巻末の参考文献が良い。

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    2018年01月28日
  • 炭水化物が人類を滅ぼす~糖質制限からみた生命の科学~

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    タイトルが結論を表してる。そのまま。

    炭水化物は、人にとって、必要な栄養素ではないよ、と。

    厚生労働省(と農林水産省)が提示する日本人の理想的な食生活(1日3食、一汁三菜)は、科学的な根拠のある理想ではなく、あくまで平均的な日本人の食生活きら導き出されたものってことが一番衝撃だった。

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    2017年08月16日