神田茜のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ1980年代、バブル真っ只中の下北沢が舞台にした女3人の友情物語。思い出したのが新橋烏森口青春篇。
不器用で危うい暮らし。収入は不安定で乏しく、食事も睡眠も不規則不安定、横行する詐欺まがいに引っかかり、男に騙され、それでも夢と若さと体力で毎日を乗り切っていく。
全力でぶつかった若い日の日々は、実となり傷となり自分の心身に刻み込まれ、栄養や味わいになって自分を形成していくんだなと。そこには効率とか数値化とかではないものがあって、俺たちにはそういうものも絶対必要なんだなと思えた。
歳をとってしまった今では、ノスタルジーを味わうしかないのかも知れないが、俺たちにもギラギラでフワフワで危うく輝い -
Posted by ブクログ
ネタバレ正直に言えば事前に障害がある少年の話と聞いて「お涙頂戴ものか」と批判的に構えていた。
内容は1人の少年と彼を取り巻く家族や友人の群像劇である。
やや最終章ありきの強引さやまとまりのなさを感じるが物語として程よい読後感がある。
子ども達は子ども達の世界で傷つきながら成長していく。いや成長というのは大人が自分の経験と重ねて決めつけているものであって、私たちと同じように、その時その時でのどうなるか分からない不安な中での判断の連続に過ぎない。ただ大人はこうすれば安パイという振る舞いを経験的に知っているだけだ。それゆえに安パイから外れたことが起こった時、大人というロールから外された時、彼らは…私たちは