神田茜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ30年前の若かりし頃の自分と今の自分を比較する。
若い頃は目の前に見えるモノしか見えていない。
お金もないしお腹もすぐに減るし世の中を巧く渡る知識もない。
プライドだけは高く劣等感にいつも苛まれている。いつかきっと、と夢の明かりを常に灯しながら。
同年代の女友達と共に過ごしたオンボロアパートでの暮らしぶりは優雅とは程遠い。風呂もないしトイレは共同。家具だって拾ったものだし食べものだってありあわせ。大人になった今なら絶対にそんな暮らしに戻れない。
けれど巧くいかず落ち込んだ時は共に憂さを晴らし、悲しい時には共に泣き嬉しい時は共に笑う。相手に非があれば注意もするし叱りもする。
そんな若さが羨ましい。
あれから30年。
いいことばかりでもない。後悔もたくさんある。
けれどあの頃の記憶があるから今がある。
あの頃の思い出があるからがんばれる。
自身の”あの頃”にいつまでも浸っていたくなる物語だった。 -
Posted by ブクログ
講談師、神田茜の小説2作目。
第6回新潮エンターテインメント大賞を受賞。
琴音は就職しても続かず、ふと入ってみた話し方教室で教わった漫談家の平(たいら)の凡師匠に感銘を受け、弟子入りする。
平のコトリという名を貰う。
師匠の鞄持ちばかりしていたが、司会者紹介事務所に所属してから、司会の仕事も増やしていた。
勉強にもなると勧めてくれたのは落語家の文徳で、一度は付き合っていたが、あっさり別れを告げられる。
結婚披露宴の司会をしているときに、新婦が行方不明になり、そのまま続けてくれという新郎の要望で、一人だけのケーキカットや花束贈呈も続行することに。
二人しか弟子もいない師匠だが、妹弟子の平のみゆきは華があって甘え上手。
師匠は可愛くて仕方がない様子。
姉弟子として面倒を見なくてはならなくなったコトリは、ついきつい言い方をしてしまうのだが・
後に、コンビを組んで売り出すことになり‥
太神楽曲芸師の三木家たま吾は、中学時代の同級生でキスもした仲。
同じときに見た舞台が遠因となって、大人になってから芸の道を目指していた。
師匠の葬式の司会を頼まれるが・?
通販番組のエキストラに主婦役で出て、司会をしていた年下の男ナルセとつきあい始める。
服を買ってやり、いろいろなことを教えて、素直に成長していく彼。
結婚するが、妻としてばかり注目されるようになり、透明人間のように感じてしまう・
不器用だが、ありそうな生き方。
実体験にもおそらく似た部分がありそうな、近しい世界の芸人たちを描いて、わかりやすく、哀歓がバランスいい。
面白かったです。