高樹のぶ子のレビュー一覧

  • 明日香さんの霊異記

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    久しぶりに高樹さんの作品を読んだのだが、こんな元気なヒロインは初めて。高樹作品をそれほど読んでいるわけではないので実際のところは分からないが、解説にも新鮮な作品のようなことを書いてあったのでやはり珍しいタイプなのだろう。

    奈良の薬師寺で働く明日香は地名オタクで説話集の『霊異記』が愛読書、さらに懐いているカラスに編纂者の景戒の名を付けるほどハマっている。
    そんな明日香に次々奇妙な事件が起こる…。

    『母は殺された』という不穏な絵馬、『日本霊異記』に奇妙な書き込みを残して失踪した少女、落雷事故で父を亡くした少女の奇怪な言動などなど。
    まるで『霊異記』をなぞるような展開だったり、ヒントを与えるかの

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    2020年08月25日
  • 明日香さんの霊異記

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    ネタバレ

    『日本霊異記』が愛読書で地名オタクの明日香さん。奈良を舞台に、現代に起こった不思議な出来事を千二百年前に起こった出来事と重ねて、その謎を解く。『日本霊異記』のことも少し知れて、筋書きとしては面白かった。が、オカルト寄りになったり、恋愛も絡めてライトな感じ。主人公が同じ若い女性でも、北村薫の『空飛ぶ馬』シリーズの「私」とは全然違う。そこが私の好みと異なり、ちょっと残念。せっかく筋書きが面白いのにもったいない気がした。

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    2020年07月04日
  • 明日香さんの霊異記

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    ちょうど奈良に興味を持っていたので面白かった。
    話によって好きな話とそうでないものと少し差はあるけれど。

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    2020年06月13日
  • 飛水

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    美しい文章にその情景に取り込まれる
    風景描写がすごい
    水や風の音やにおいまでこちらに
    恋愛、すごい恋愛
    家庭のある男女、死別、そして40年
    小説の視点が分かってハッとなる
    たおやかで強い女性

    ≪ 忘れない それが復習 運命の ≫

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    2019年09月21日
  • トモスイ

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    いろんなものが在りすぎて、何も知らないままでもいられるインド。あらゆるものが諦めを迫ってくる国。
    (P.155)

    「思い出すためには、忘れる必要があるけれど、忘れたことがないので、思い出すことが出来ない」
    (P.172)

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    2019年09月05日
  • マルセル

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    1968年、日本で起きたロートレックの名画『マルセル』盗難事件。新聞記者だった父が事件を追い続けていたことを、遺された父の取材ノートから知った千晶は、未解決の謎を辿り始める。
    死ぬまで執着したこの事件を通して父を理解するため。
    「死んだ」と聞かされていた母を探すため。
    自らも新聞記者となった性から、未解決事件への興味。

    ただ単純に『マルセル盗難事件』について描かれた作品と思い読み始めたけれど、どちらかというと父・母を追い求める娘の物語という面が多いのかも。
    最後には、盗難事件が大きな組織犯罪へも繋がってくる。
    「あれ、ここで終わっちゃうの?」感も残るけれど、この先を続けるとなると上下巻の分量

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    2019年02月21日
  • トモスイ

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    ネタバレ

    アジア10ヶ国訪問をきっかけとした短編。

    タイ、小舟でトモスイを吸いながら交じり合う。
    台湾の離島、海の中、時計。
    フィリピン、台風の目を見たとき。
    マレーシア、写真と娘との記憶。
    韓国、日本との歴史と唐辛子の思い。

    上海、そっと盗み見てしまう老人と金魚。
    モンゴル、高原な大地、子供だけの村。
    ベトナム、かつて起きていた戦争。
    インド、亡くなった同級生、ニーム。
    バリ島、弟を思って、香りに包まれる。

    不思議な世界で、今はもういない人たちを思ったり
    その土地の雰囲気)^o^(

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    2016年09月18日
  • 甘苦上海(がんくうしゃんはい)

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    主人公の紅子は情事をお金で買い、その買った男が一回りも年下で、しかもワケありなのに、のめり込んでしまう。本気になって傷つくのが怖いからという理由で、二番目の男を作る心理はわからなくもないかな(二番目の男は駐在員で妻子もちとくれば後腐れもないし)。
    失うことや、傷つくことを恐れた末の選択が、最悪というか……後味が悪い。
    恋愛小説の割には現実的な描写があるせいなのか、個人的には色気とか艶みたいなものが感じられなかったのも残念。

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    2015年11月24日
  • 甘苦上海(がんくうしゃんはい)

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    日経新聞に連載されてたようだが、
    表現する場所を間違えたというか(苦笑)、
    果たして日経を読むような人たちからニーズがあるとは思えない作品。
    あ、私は好きですよ。日経読むような人じゃないし。(笑)
    賛否両論ある書評もたくさん見ましたが、
    主人公が同年代というだけで、私はそれなりに面白かった。
    51歳の女と39歳の男の恋愛沙汰は、
    若い人たちからすれば滑稽かもしれないけど。

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    2015年10月19日
  • 透光の樹

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    ずいぶん昔に芥川賞受賞作を読んで以来の高樹のぶ子.

    石川県鶴来町を舞台にした中年恋愛小説.私はもうこういう小説を読んでも熱くなったりはできないが,この作家はとてもうまいと思う.
    設定はあまり自然ではないが,主人公の二人にリアリティーを感じるし,男と女の心のすれ違いや,駆け引きや,共感をうまく描いていて感心してしまった.

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    2014年08月11日
  • 香夜

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    ネタバレ

    1話目の空気が良かった。静かな金魚のいる池のようでもあり、台風が来る前の不穏さも含む空気でもあり。

    澄人も金魚も不思議で、惹かれた。

    好きな人に踏みつけられる事に悦びを覚える歪な悦楽ってあるもんなと勝手に納得してしまった。

    一話目が濃すぎて、後の話が実際に起こったことなのか主人公のあるかもしれなかった未来なのか曖昧な夢のようだった。

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    2014年07月16日
  • 飛水

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    読み初めてあの飛騨川バス転落事故の話が絡んでいると分かって、私の中の
    古い記憶が浮かんできました。
    あの事故を覚えています。
    住んでいた近所のお母さんがあのバスに乗っていて亡くなったのです。
    当時、私も子どもで そのお母さんの子どもを知っていたのです。
    只々、その子がかわいそうで 心の中にずっと引っかかっていました。
    本当に残された家族のその後が少しでも心穏やかなものであって欲しいと祈るばかりです。

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    2013年12月02日
  • 透光の樹

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    石川県白山の山裾にある鶴来町が舞台となった40代男女の恋愛物語。内に秘めた欲望と駆け引きが物語を濃厚にしてゆく。小説の題名の樹は物語のポイントとなる古い杉の大木であり、透光の樹は次のように語られている。「透けた枝を通って落ちてくる西陽が、丹色のモザイク模様を二人の顔に投げかけ、二人は眩しさのあまり一瞬立ち往生した」

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    2013年11月10日
  • トモスイ

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    エスニックな異国情緒が漂う耽美な世界。現実と架空が微妙に交差するおどろおどろしく淫糜な緊張感にグイグイ牽引された。激しい衝迫に胸苦しささえおぼえた。怪しい空気にどっぷり浸り不思議な世界を心ゆくまで満喫できた。魂を射抜くような上質なセンテンスには何度も唸らせられた。

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    2013年04月29日
  • マルセル

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    新聞記者の千晶は父が遺した取材ノートから知った、ロートレックの名画『マルセル』盗難事件。1968年、嵐吹き荒れた時代の不可解な事件を、父はなぜ追い続けたのか。謎に導かれるまま、新聞記者・千晶は、東京から神戸、京都、パリへ…。実在の未解決事件をテーマに恋愛小説の名手が贈る芳醇な「絵画」ミステリ。

    いつも推理小説を読んでいるのでミステリーとしては薄い、その割に分厚い本で長かったなーという印象が残ってしまった。千昌とオリオさんの恋は微笑ましくて良かった。ラストもハッピーエンドなのかどうかよくわからないけど…ミステリー部分も私には謎が多いままだった。それが未解決の事件を引き立たせているのかも?

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    2012年11月05日
  • トモスイ

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    第一話「トモスイ」と第二話まで。御伽噺のような世界。独特の感性を感じた。
    短編ならではの作品である。第一話「トモスイ」はなかなかの傑作だと思う。

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    2012年06月07日
  • マルセル

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    作者初のミステリー。テレビで「このミス」をとりたいとおっしゃるほど、作者の思いが入った力作だったと思います。
    実際の未解決事件をベースにしたことは読後知りましたが、特に違和感なく話の運びはスムーズでした。主人公の恋愛面は何となくふわふわした感じでしたが、ミステリーとしては最後まで読ませる作品になっていると思います。

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    2012年06月05日
  • マルセル

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    1968年(昭和43年)に、京都国立近代美術館でロートレックの「マルセル」が盗難事件に遭う。数日後、額縁だけが見つかる。時効成立後、「マルセル」は発見されるが、犯人は見つからず事件は迷宮入り。

    本作は、この実際に起こった事件をベースに作られた小説。

    主人公の千晶が、私と同い年なのに親近感が湧く。
    また、額縁が見つかったとされる疎水沿いの小径も、おそらくあそこのことだろうと想像がつく。
    そして最後に、千晶とお母さんが背中合わせで対面するオランジュリー美術館。太陽の優しい光が差し込むモネの睡蓮の部屋。私が大好きな美術館の一つ。

    ストーリーも確かに面白かったけれど、私は何やら懐かしいものに再会

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    2012年06月02日
  • マルセル

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    実際にあった絵画盗難事件をもとにしたミステリー。
    高樹のぶ子特有の、どこかフワフワしてとらえどころのない文体が、更なる謎の深みに連れていってくれます。
    最後のどんでん返しの応酬には、かなりパニック。あれもこれも繋がっていたなんて…!
    かなり分厚い本ですが、東京、京都、パリをまたいだ大がかりな物語に一気に引き込まれました。

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    2012年05月30日
  • マルセル

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    ちょ~っと長すぎるかなぁ。
    ミステリの割にハラハラドキドキ感もあまりなく
    あまり入り込めなかった。

    出だしの実家の整理のところなんかは
    いい感じだったんだけど惜しいなぁ。

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    2012年05月02日