高樹のぶ子のレビュー一覧

  • トモスイ

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    短編小説集。どれもほんの数日、数時間の出来事を切り取った話ではあるが、薫るような死の匂いと生命力を感じるような、、、
    文学などわからない無学な私ではありますが、まるで手触りの良い布触れているような心地の良い文章だと感じるました。

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    2021年07月12日
  • マルセル

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    初の高樹のぶ子作品でした。

    京都とパリと団子坂が舞台で、ひたすらにお洒落です。
    絵画とコーヒーと新聞がモチーフで、とても意識高い系です。
    あぁ、この小説に登場人物になりたい、できればヒロイン千晶になりたい。

    そんな風に思うのは久々のことでした。
    オススメです。

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    2021年02月14日
  • 光抱く友よ

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    久しぶりに、本当の小説らしい本をよめた。
    高樹のぶ子のえがく…清冽な女性の描写が、
    今どきにはない新しさをかんじさせる。
    ストイックなことは結構みだらさを含んでいて、今のように性におおっぴらな時代にかえって妖しいものを見せてくれる。
    フランスの哲学的な小説を思い出させられるのは自分だけかもしれないけれど。

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    2020年11月19日
  • 明日香さんの霊異記

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    思ってたよりもオカルト?寄りだった。ちょっとこじつけのようなところもあるけど、馴染みのある奈良が舞台でそこそこ楽しめた。

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    2020年08月29日
  • 明日香さんの霊異記

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    現代の奈良に住む明日香さんの周りで起こる不思議な出来事は、千二百年前に編まれた『日本霊異記』とどこかつながりがあって、『日本霊異記』と“地名の歴史”大好きな明日香さんは2つを駆使して、謎を解く。
    霊異記と事件のつながりが、強引な部分もあるけど、明日香さんも霊異記のことになると、ちょっと強引な感じがするので、キャラクターとストーリーの性質が似てるって思う。

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    2020年05月22日
  • ほとほと 歳時記ものがたり

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    文章が美しくて
    うっとり読んだ
    歳時記の季語から語られていく物語は
    この世のものではないような

    二年の季節を追う短編

    ≪ 移ろいの 季節を流れ 命生き ≫

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    2019年08月07日
  • マイマイ新子

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    なんと言えばいいんだろう。
    まるで宝石箱のような小説だった。
    みずみずしい表現が散りばめられていて、忘れていた気持ちや、もっと素直にシンプルに生きていくことが大事なんだと気付かせてくれる。

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    2018年10月13日
  • マイマイ新子

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    ネタバレ

    昭和30年の山口県防府市国衙~小三の新子の家は大地主だったが、祖父の小太郎が数学教師で土地を離れていたため不在地主となり農地解放で多くの田を失った。父は大学に勤務して不在のことが多い。直角に曲がる小川に藤と葛の蔓を編んでハンモックを作ったのは、萱で目を傷つけ義眼を入れている祖父の小太郎だ。新子は額にある旋毛のせいで興奮すると前髪が立つ。紡績会社の嘱託医の娘として転校してきた子が香水を付けて登校したのは母親の形見だった。お土産に持ってきたウイスキーボンボンを食べて酔っ払い・防空壕に決死隊を結成して探検して義足の小父さんに会い・原爆資料館ができて初めて出掛け・映画館の子に10円払ってジェームス…デ

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    2017年11月11日
  • 光抱く友よ

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    書かれた年代が随分昔ではあるけれども、毒親の内容・・・。描き方がとても丁寧で、その時代の家の感じなどを想像しながら読み進めました。
    女同士の友情が描かれています。
    感情面は特に描かれていないのですが、切なさがとても伝わってきました。いい作品ですね。

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    2016年11月28日
  • マルセル

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    この本、単行本なのだけどBookOFFで360円で売っていた。調べてみた感じ、まだ文庫化されていないのに。高樹のぶ子の小説は一筋縄ではいかない面白さがあるのだけど、簡単に読みこなすつもりだと少しとっつきにくいのか。
    このマルセルはロートレックの秀作で、京都国立近代美術館で盗まれ、8年後にみつかた事件。これを背景にして自分の出目を探ることになる主人公。京都、そしてフランへと何かに惹きつけられるようにロートレックと出生の事実にせまっていく。360円なんてとても思えないこの世界に乾杯したくなった。

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    2015年03月16日
  • 透光の樹

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    桜木紫乃さんが雑誌で名前を出していたので読んでみました。印象に残る本でした。表現がよかった。甘かったり、ひやっとしたり、重みがあったり…その緩急が気持ちよくていつまでも読んでいられそうでした。

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    2014年03月03日
  • 飛水

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    とても綺麗な小説でした。
    そしてとても哀しくて、とても幸せな小説でもありました。
    「川」が描かれていない場面でも常に水の音が聴こえて、飛沫のにおいがするようで、時々無性に鼻の奥がつんとなりました。

    ラストシーンの程近くで時系列の全てが繋がって、主人公の視点の位置が分かったとき、ここまで読んできてよかったと本当に思った。ここまで辿り着けて、もう一度巡り会うことができて本当によかった。
    奥深い高山の古民家を見下ろす景色と、「ここから上が雲」というその家の静かな佇まいは本当に穏やかで、綺麗で、鮮やかで、
    この小説のラストシーンにはこれ以外ないというくらい、美しい景色だった。

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    2013年11月22日
  • トモスイ

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    アジアの様々なところを舞台にした短篇集。日常半分、非日常半分。「トモスイ」「唐辛子姉妹」「芳香日記」が好き。

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    2012年12月11日
  • マルセル

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    ネタバレ

    面白かったけど、ミステリーとしては???な部分が多い。
    絵は誰が盗んだの?葉子さんは事故死?自殺?なぜ復讐されなければならないの?
    最後の方ミステリーらしく盛り上がるけどあまり必然性が感じられない。危険ならパリに呼ばなければいいのに。葬儀の時に来日しているならその時に顔は見れるはず。
    長い分ミステリーとしては謎がすっきりしない。

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    2012年08月27日
  • マルセル

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    分厚い本ですが、読み始めると止まらなくて一気読みしてしまいました。

    ラストは実に感動的です。
    日々、仕事や諸々に頑張っているヒロインが幸せを掴んでいくお話はいいですね。

    幸せな読書時間でした。

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    2012年07月29日
  • マルセル

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    今年読んだ本のなかでベスト3に入る作品。毎日新聞の連載小説だったとのことだが、実に緻密に書き上げられている。新聞記者だった一人身で自分を育ててくれた父なきあと、その父が残した昔の名画盗難事件にまつわる謎に偶然取り組むことになる娘。その事件がおきた京都で出会ったひとたちが何らかのかたちで事件にかかわっているのは感じるがだれも真相は話してくれない。関係者のひとりがなくなってその葬儀にパリから参列した人からのメールから絡まった謎の糸が解け始める。緻密な物語構築がなされているので、筋が少し読めても最後のページまで緊張感をもって読むことができた。秀作です。高城のぶ子って恋愛小説家だとおもっていましたが、

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    2012年07月09日
  • マルセル

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    期待しないで読み始めて、予想外の面白さでした。
    昨年の毎日新聞連載小説。実に読み応えのある作品でした。
    作者の今までの作品と、少し雰囲気が変わったかも。一種の推理小説の要素もあり、作者お得意の男女の機微もあり、ラストのどんでん返しは驚きでした。もう一つの舞台として登場するパリ、作品のテーマであるロートレックの絵、など、さすがの表現力、描写力。満足。

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    2012年05月16日
  • マルセル

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    京都とフランスを舞台とする華麗な感じのミステリーだった。
    有名絵画の裏にはこんな話もあるかもしれない。
    新聞記者の父親の仕事に向き合い、同じ新聞記者の娘が段々ひも解いていく様が面白かった。
    ちょっと中途半端な恋愛storyが話の流れを中断する用にも感じた。
    母親との再会という最後はちょっと意外な展開だった。

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    2012年05月07日
  • マルセル

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    ミステリーであり恋愛物でもある。新聞記者である千晶が持ち前の探索能力を生かして、父の残したノートをもとに死んだ母の謎に迫る。ありえないようで、あるかもしれない父母の愛の形に納得できるかどうかが、この物語の好き嫌いを分けると思う。

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    2012年05月04日
  • マルセル

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    高樹のぶ子さんの作品は初めて。文章は丁寧に書かれているが、読みやすかった。所々、人生についての教訓めいたフレーズも挿入されている。それがストーリーと見事にマッチし、何とも言えぬ絶妙の味を出している。
    登場人物の性格が明確でわかりやすい。オリオさんの存在は大きく、主人公の揺れ動く気持ちが、巧みに表現されている。
    全体の構想もしっかりしているし、意外な展開を最後まで楽しめた。

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    2012年05月04日