高野悦子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1969年1月2日から、1969年6月22日までに彼女が綴った日記。
最後に日記を書いた2日後、鉄道自殺を図る。
20歳6ヶ月という若さだった。
彼女は頭が鋭く、勤勉で意志が強かった。
70年代、学生運動が激化するなか、反体制を徹底しシュプレヒコールを唱え続けた。
世の中に蔓延る矛盾と戦っていた。
自分は未熟であるということ。
人間は醜く、汚らわしく、矮小であるということ。それらが彼女を悩ませ続けた。
純粋を求めるほど、世の中と差異が生まれて離れてゆく。圧倒的にかけ離れ独りになった結果として、社会、体制、人間との決別に至ったのだろう。
彼女は読書家であり、様々な本を読んでいたが、そのなかに太宰治がある。日記の中で太宰全集を「希望を託して」購入している。
両者には「儚い」ことが共通しているように思う。
彼女は醜い人間に絶望し、無垢のまま逝ってしまった。
人間は世俗の垢にまみれ大人になった星の王子様も愛せるはずなのだと、寺山修司がとある本でいっていた。
世の中は矛盾だらけで醜くいけれども、それでも美しいものが生まれてくることだってあると、私は信じている。 -
Posted by ブクログ
ノートを読んでから序章を読みました。
タイトルに「序章」を付けたのには一体どういう意図があったんだろう…
なんだか、個人的には嫌だなと思ってしまいました。
「故人のプライバシーを冒涜するものだ、故人が最も反撥したジャーナリズム・資本家に迎合するものだ」と、批判する声もあったとお父様はあとがきに書いてらっしゃいましたが、私はもしかしたらそちら側の人間かもと思いました。(ノートの時にはそこまで感じなかったのですが…)
自分が高野さんだったら、自分の死後多くの人に自分の思いを赤裸々に綴ったノートをこんなふうに公開される事をどう感じるだろう…?
とか思いつつ二十歳の原点も読むつもりではいますが…_(:3 」∠)_
書かれてある内容については、どうしてそう考えてしまうの??と、共感できないところも多々ありました。彼女は少し鬱のような状態でもあったのかな…
ただ、高野さんの描く情景描写はとても素晴らしいと思います。日記にこんな素敵な文章が書けるなんて…文才あったのに本当に残念です。 -
Posted by ブクログ
自分自身が彼女と同い年だった時、どんな事を考えながら生活していたかな…と、自分の事を思い浮かべながら読みました。
目標を立てて決意して、計画通りいかなくて、毎日「やらねば!」と気持ちを奮い立たせているところなどは私も同じような事をしていたなとなんだか少し懐かしくなったりもしました。
「自分とは何か」「なぜ生きているのか」「どう生きて行きたいか」などなど、このくらいの歳の時私も悩んでいたけれど、彼女ほど自己分析をして書を読み真剣に答えを探したりはしていなかったと思う…。
彼女の人生の結末を知っているけれど、そこに向かってどのような心情が綴られていくのか、続きもしっかり読んでいきたいと思いました。 -
Posted by ブクログ
5・6年ぶりの再読。
この本は、高野悦子さんが20歳で鉄道自殺を遂げる前日までの半年間を記録したものです。
日記形式でとても読みやすかったです。このノートを、『小百合』と名付けていたようです。
学生運動とか機動隊とか、社会的背景のことはよくわかりませんが、高野さんの文章に引き込まれ、すんなり心に入ってきました。
猛烈な孤独感や、自分の思い通りにいかない葛藤、人生になげやりになってしまう気持ち。一方で、好きな男性に頭をポンポンされて嬉しさのあまり舞い上がった様子。色々な感情の機微が読みとれて良かった。
生命の充実感を未だかつて感じたことがないと、高野さんは残しているが、すごく共感した。なかなか生きている意味もわからず悶々と暮らす日々。
自殺の前日の夜に書いた詩も良かったです。すごく静謐な感じに引き込まれました。
日記の中で力を感じる文章もたくさんありました。
●私は慣らされる人間ではなく、創造する人間になりたい。「高野悦子」自身になりたい。
●自分を信ずることなくして一体何ができるのか。
●独りである自分を支えるのは自分なのだ。私は自己を知るため、自己を完成させるため、本を読んだり、街に出たり、自然に飛び込んでいくことを、いま要求されているのだ。
●(このノートを)燃やしたところで私がなくなるのではない。記述という過去がなくなるだけだ。燃やしてしまってなくなるような言葉はあってもなんの意味もなさない。
色々な想いと葛藤するなかで紡ぎだされた言葉に、すごく励まされました。 -
Posted by ブクログ
ちきりんさんという方が日記をはじめたきっかけ、と書いていて気になり一読
日記ならではの生々しい記載が良かった
※本人は出版されて人の目晒されてどう思うのか…はあるけど
時代は違えど二十歳の大学生という若さが故の悩みに真っ直ぐ向き合いすぎたのかな、とも思った。きっと真面目で育ちよく、賢くて考えられる方やったから、なおさら苦しくなったのかなあ
煙草とかお酒とか行動自体は乱暴、やんちゃな感じがするけど、せっかく入った大学も学生運動やし、労働運動とか時代も激しいし、若い繊細な年齢も考えたら、酒・煙草はやってみたら楽になれるかな、みたいな部分もあったのかもしれない、とか思う
日記を「小百合」と名付けて語る相手にしてるのも面白い発想だなとおもった
個人的には自分の内の感情をノートにかきだす、という時点で強いと思うけど(私やったらこんなん思ってたんかと恥ずかしくて書けない)、
未熟であること、孤独であることが原点だと腹括っていたのかなとも思った
結局なぜ自殺まで追い込んだのか分からないけど、想像はできなくもないかも