高野悦子のレビュー一覧

  • 二十歳の原点

    Posted by ブクログ

    こうした擦り切れるような気持ちは、私も若いころには抱えていたものでした。リストカットすらしなかったけれど、不器用である故に常に孤独を感じ、周囲と馴染めない未熟な自分に苦しんでいました。
    しかし、なぜ星が3つかというと、この本は作者が望んで出版されたものでは無いからです。私が思うには、当人は、本当に信頼できる誰かに、大事に胸に抱いていてほしかったのではないかと思うのです。
    こんなふうに、多くの人から読まれてあれこれ書評など書かれるつもりなんか、なかったのではないでしょうか。

    0
    2025年04月11日
  • 二十歳の原点

    Posted by ブクログ

    5・6年ぶりの再読。
    この本は、高野悦子さんが20歳で鉄道自殺を遂げる前日までの半年間を記録したものです。
    日記形式でとても読みやすかったです。このノートを、『小百合』と名付けていたようです。

    学生運動とか機動隊とか、社会的背景のことはよくわかりませんが、高野さんの文章に引き込まれ、すんなり心に入ってきました。

    猛烈な孤独感や、自分の思い通りにいかない葛藤、人生になげやりになってしまう気持ち。一方で、好きな男性に頭をポンポンされて嬉しさのあまり舞い上がった様子。色々な感情の機微が読みとれて良かった。
    生命の充実感を未だかつて感じたことがないと、高野さんは残しているが、すごく共感した。なかな

    0
    2025年03月07日
  • 二十歳の原点

    Posted by ブクログ

    ちきりんさんという方が日記をはじめたきっかけ、と書いていて気になり一読

    日記ならではの生々しい記載が良かった
    ※本人は出版されて人の目晒されてどう思うのか…はあるけど

    時代は違えど二十歳の大学生という若さが故の悩みに真っ直ぐ向き合いすぎたのかな、とも思った。きっと真面目で育ちよく、賢くて考えられる方やったから、なおさら苦しくなったのかなあ

    煙草とかお酒とか行動自体は乱暴、やんちゃな感じがするけど、せっかく入った大学も学生運動やし、労働運動とか時代も激しいし、若い繊細な年齢も考えたら、酒・煙草はやってみたら楽になれるかな、みたいな部分もあったのかもしれない、とか思う

    日記を「小百合」と名

    0
    2025年02月24日
  • 二十歳の原点

    Posted by ブクログ

    手記を読むことに慣れてなくて、驚くほどページが進められず時間がかかってしまった…

    でもそれは手記だからということだけではなく、この激動の時代と高野悦子個人の中に巡っている感情の切実さや鬱屈とした部分に抵抗があったからかもしれない。

    自死を選ぶのは良くないなんて浅いことは言えないけれど、そこまでのレベルでなくても、自身について思い悩むことって、特に若い頃はきっと通過すべきことなのかもしれない。
    元々この本は、社会学の書籍を読んだときに引用されていた書籍だけれど、生に対する向き合い方考え方が違うことは時代の違いも合わさって感じられた。

    0
    2024年12月09日
  • 二十歳の原点序章 [新装版] 十七歳から十九歳の日記

    Posted by ブクログ

    大学ノート様の装丁は良い。
    この時代でなければ、もっとお気楽に生きれたんじゃないかな。
    残り半年までの日記…
    大学生っぽい、けどやられてんじゃないか…
    人名って実名なんだとすると当時関係者の人どうだったんだろう。今だったらネットで晒されて大変なことになりそう…
    大学時代の自分のことを振り返ると、著者の人よりも勉強してなかった…
    けど、自殺するようにも思えないけどな…
    結末が分かっているだけに、読んでてずっと切ない気持ちになる

    0
    2024年07月06日
  • 二十歳の原点ノート [新装版] 十四歳から十七歳の日記

    Posted by ブクログ

    この本を紹介された桜庭一樹さんも、高野悦子さんが親と同じ年代だと書かれていたが、同じことを思った。
    最後に自殺される事がわかって読むと切なくなる。
    けど、それがないとなんてことはない誰かの日記かも…
    それにしてもあんまり勉強していないようでいて立命館大学に入れたのだから頭良いのだなと思った。

    0
    2024年06月21日
  • 二十歳の原点

    Posted by ブクログ

    「Silence is Golden.(沈黙は金)」

    年齢や時代が違っても
    人間関係や自尊心の悩みなど「あー、分かるなー」と共感してしまった

    0
    2023年01月08日
  • 二十歳の原点

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    酒とたばこに費やしてる。

    ジャズ喫茶でクラシックを楽しんだりしている。

    夜、寝付けず、書き連ねてることが多い。

    下宿を変えたことで、友人関係の記述が消える。

    長時間のアルバイトに従事している。

    仕送り15万円貰ってる。
    でもそれを使わず、生活しようとバイトに励んでいる。

    4月から5月に対象を変えて、恋愛の炎が燃える。
    最初はアルバイト先。後からは大学生。

    段々社会主義の言葉が洗練されてくる。
    同時に言葉と現実の落差に気がつくようになり、認知的不協和を感じているのではないか?と感じさせられる。
    別の言い方をすると、社会主義の言葉を受け入れたことで、観念の世界と、現実の世界の落差に悩

    0
    2022年11月10日
  • コミック版 二十歳の原点

    Posted by ブクログ

    色々考えることは良いことだが、思い詰めてはろくなことはない。内省の過程を綺麗な文章で書いたところがこの作品の良いところだ。漫画なので、説明的になっており、時代背景がわかるのも良い。俯瞰できる。どのような作品かザッと知るには良い。

    0
    2022年10月30日
  • 二十歳の原点

    Posted by ブクログ

    独りであること、未熟であること、これが私の二十歳の原点である。
    著者である高野さんは、このタイトルにもなった胸がつまる様な言葉を含めた、中学生から書き続けた
    日記を残し、二十歳で鉄道自殺をされました。
    学生紛争については、経験のない世代ですので、当時の状況を私は、理解できていないと思います。
    ただ、自分が二十歳の頃にタイトルに惹かれて、手にとりました。彼女ほど、深い自己否定もなく、行動力もありませんでしたが、大人になりかけの、不自由さに共感する部分もありました。彼女は可愛く賢く、素敵なご家族もいました。それでも、最後の日記の翌日、鉄道自殺に及ぶのです。
    再読して、本棚登録をして、新しい登録がた

    0
    2022年10月15日
  • 二十歳の原点

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     大学生というモラトリアムのなか、学生運動のイデオロギー、生活するための現実、そして生の営み(恋愛)、これらの間(はざま)で生々しいほどの苦悩が綴られている。
     モラトリアムという言葉を最初に用いるべきではないかもしれない。当時の大学生はイデオロギーと向き合い、現実と向き合い、生の営みに向き合いながら、日本の将来を思い真剣に考えながら瞬間瞬間を生きていたのだから。
     でも、いつのまにかモラトリアムの深淵にはまってしまったのだろう。いつの時代でも間(はざま)にいながら、選択に迫られる。そして選択して生きていけばいいし、生きてほしい。

    0
    2022年09月13日
  • 二十歳の原点

    Posted by ブクログ

    作者は自らの命を絶った
    生きていれば、73歳か
    辛いから?
    希望が無いから?
    衝動?
    失恋?
    理由はわかるようでわからない
    浅間山荘事件の革命家重信房子さんがまもなく刑期を終えて出所という報道があった
    作者は重信房子さんの3歳下になる
    生きていればどんな人生があっただろう

    0
    2022年05月12日
  • 二十歳の原点

    Posted by ブクログ

    どうして悦子さんは自殺を選んでしまったのだろう?

    悦子さんが抱いていた「孤独や寂しさ」は、私たちも生きていく上で感じていくものと同じであろう。
    しかし、本人の素質や時代や巡り合わせなど色んなものが絡まり合って自殺してしまったのかなと思う。

    0
    2022年04月17日
  • 二十歳の原点

    Posted by ブクログ

    最近、1960年代後半に起こった大学闘争関連に興味がありその延長でこれも読んだ。
    正直、いまだに何がそんなに当時の若者たちを大学紛争に駆り立てたのか、当時の私には計り知れないものがある。そして今の私たちが同じような状況に置かれたとして、そう言った紛争は起こるのだろうか。とはいえ、時代も環境も違えど悦子の書いた日記の中には現代の私にも共感できるような言葉があり、悦子の気持ちがわかるような気がしてしまう。途中から(悦子が大学紛争にのめり込んでいくあたり)話がうまく追えなくなり、苦労したがそれでも読むのをやめようと思わなかったのは、今の私と同い年の彼女がどういう過程で自死を選んで行ったのか、それを見

    0
    2023年04月11日
  • 二十歳の原点 [新装版] 二十歳、最後の日記

    Posted by ブクログ

    正直感想が書けない。
    私にはこの孤独と闘争が理解できない...。
    自分の送った大学生活と比べてどれだけ思考深く思い詰めたことか。
    自分の浅はかさにゲンナリするだけ。学生運動も理解できてないし。誰か解説してほしい...。

    0
    2022年01月22日
  • 二十歳の原点

    Posted by ブクログ

    彼女の自己改革を求め続け自己欺瞞をも許さない徹底ぶりに感銘を受けたと同時に中原中也のような怠惰による葛藤に本人は揺れていたのだろうと思う。解説の吉行さんがランボーやルドンを引き合いに出して作品の素晴らしさを語っていたのは個人的に良かった。

    0
    2020年10月05日
  • 二十歳の原点

    Posted by ブクログ

    自殺した高野悦子さんの日記をまとめたものが本書なのですが、自殺したことを知ってから読んでいたので悲しい気持ちになりました。高野さんは文才があり、最終的には深く考えすぎて自殺に至ったのだと思いました。昔の学生運動に積極的に参加していたようですが、その頃使われていた日本語やそもそもの学生運動についての知識がなかったので、理解できない部分も多くなってしまいました。精進します。

    0
    2020年10月03日
  • 二十歳の原点

    Posted by ブクログ

     おそらく彼女の年の頃に一度読んでいる。今時を経て読んでみると、彼女の死は学生運動云々じゃなくて、失恋が原因だったのだろうなと腹落ちした。誰にでも起こりうることかもしれない。
     それでも彼女の素晴らしいところは、自らの心情を、極力装飾なく、素直に日記に書きだしているところである。現代ではTwitterやFACEBOOKなど個人が情報発信するところはいくらでもある。そのなかで、どれだけの人が虚飾なく自らを表現できているだろうか。自分だったら、日記であっても、『本当のところ』を書くことは出来ない。それは才能であると思う。
     独りであること、未熟であること。人間は、二十歳でなくても生きている限りそう

    0
    2021年04月30日
  • 二十歳の原点ノート

    Posted by ブクログ

    理想は高く

    この陳腐な標語はどのような人間に、性格、心的状態にある人間に有益なのだろう?

    万人の意識を昂ぜしめんがために、頻繁に用いられる
    玉条のような言葉たち。
    どのような条件で、どのような状態にある人間に適するかなんて明示するほうが無理なのだろうけど、
    わかった様な面して人様に説教を”してあげる”ほど
    己が優れているとなどつけあがらないように留意しておきたい。

    0
    2015年01月25日
  • 二十歳の原点序章

    Posted by ブクログ

    たくさんのことを望みすぎなのだろうか?
    それとも、もともと弱いのだろうか?

    中身のない観念は無為だ
    若いときにはこれからの人生のことを考える必要に相対する。しかし、その材料は自分たちの周りにいる大人、社会、メディアを通した認識、書物による把握...など。
    そのどれもが知った気になれるし、枠さえも作ることができる(になる)。社会、世の中といったものすべてを知ることはできないが選択せねばならない。
    なかば義務のようなものだ。

    職業のみならず、その他一般の諸事さえもが
    完全な理解の上に築かれていない、選択されていないことの認識は心板に刻みつけておく必要がある。

    0
    2015年01月25日