折原一のレビュー一覧
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ネタバレ折原一らしく,叙述トリックが仕込まれているが,入り組んだ真相というほどではなく,比較的分かりやすい構成になっている。第一部として書かれている「螺旋館の殺人」も、第二部として書かれている「盗作のロンド」のいずれも,若い頃に小説家を目指した田宮老人が自費出版として出した本の内容だという構成。最後の最後に,折原一がこの作品を同人名義で発表したというオチが用意してある。
第二部では,作中で沢木という編集者が田宮になりすますという構成になっている。このあたりだけが,折原一らしい複雑さだったが,それ以外の部分は,第一部の原稿すり替えのトリックも含め,やや平凡なデキ。読みやすい,軽い文体や,軽いキャラク -
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清水潔さんの北関東連続幼女誘拐殺人事件を追った「殺人犯はそこにいる」 と同じ事件をもとにしている事に興味を持って読み始めたのだが、ほぼ同時に図らずも寝屋川の中1遺体遺棄事件が起きてしまった。
人間の中に潜む狂気を押さえ込む事が出来るのは最終的には本人自身でしかない。
けれども押さえ込む事が出来ない環境は社会の歪みが大きく関係するのだろうか。
ごく普通と見える中学生が夜中に遊んでいても平気な世の中、見知らぬ人間が周囲に現れても声をかける事もしない、人間臭い関係を持つ個人商店よりもコンビニやスーパーが気楽と思えるそんな社会と人間が今の社会の基本のようになっているのは歪みではないだろうか。 -
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日本ミステリ作家の中の職人の中の職人、彼の名こそ「折原一」
そんな職人作家の中篇、元々は山で非業の死を遂げたクライマーの追悼集からインスパイアされたとのこと。
文庫本を読んだが、初版は実際の追悼集を模した体裁をとっており、別冊を含めた2冊での出版だったとのこと。そのほうがまさに折原一っぽくて、文庫だと面白さ半減ってところだろうと思う。
個人的には安定の折原なので、伏線等の仕掛けも含めて、満足はした。ただ信者以外にはどうだろうか?誰もは楽しめる1冊とは言えるだろうか?まぁ自分は信者だからどうでもいいが…
いやそれなりに存在する信者のためにも、折原氏には作風をブレることなく邁進していただき -
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のほほ~んとした??独特の雰囲気
よいですね~
折原一ワールド
推理作家・小宮山奏三を慕い、この【幸福荘】に身を寄せる文学好きの住人達
一癖も二癖もある彼らに起きる数々の事件
部屋に置き去りにされたワープロ
内部に装着されたフロッピーには殺人事件を示した文書が連なっていて・・・・・
事件を繋ぐ秘密の通路・・・・・
事件の真相はいかに!!
七つの短編からなるお話
七つ目の事件が解決するとき、それまでの事件のすべての真相が明らかになる
ボロアパートに隠された天井裏の秘密の通路
現実の使用者は?????
現実の事件は?????
騙されました~
叙述トリックと男の性ですかね~
最後のオチも嫌いじ -
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ポオをはじめカーや横溝など古今東西の推理作家はもちろん、ミステリ・ファンをも魅了してやまない密室。7つの短編全編が密室殺人という、ファンには堪えられないデビュー短編集。新装版。
黒星警部と七つの密室殺人。奇才・折原一の出発点となった記念すべき第一作品集。 (「BOOK」データベースより)
「密室の王者」
「ディクスン・カーを読んだ男たち」
「やくざな密室」
「懐かしい密室」
「脇本陣殺人事件」
「不透明な密室」
「天外消失事件」
予想外で、コミカルな作品でした。
黒星警部にはちょっとイラっとします(笑)。
密室の謎そのものは偶然に頼った感はいなめませんが、パロディの楽しさ(既読作品であれ -
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山で遭難した青年に捧げられた2冊の追悼集から、謎が生まれる。
まぁ、ミステリーなので不慮の事故ではないわけで、登場人物たちがそこに気づくまでが、もどかしい。
つか、それでもちゃんと気づいていないし。いや、気づいたら事故そのものが成立しなくなるのか。
なんか、痛し痒しだな。
で、結論ありき、の話なのかなと。
事件の結論と、追悼集をそのままのせるという形式にするという形から始まった…ようするに企画か。
企画に振り回されちゃったかなって感じ。
一番は、一応主人公であろう遭難した青年の姿が不明確なことかな。まぁ、残った人がそれぞれに語るから人によって印象や、受け止め方が違う